kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

追い風参考に注意

2021-08-31 06:19:32 | 日記
「音楽が鳴っている間は、踊り続けなければならない。」割高感が指摘され
ながらも大きな調整もなく上昇を続ける米国株の現状はこんな言葉がピッタ
リ当てはまるようです。

パウエル議長がテーパリングは金利引き上げに直ちに繋がるものではないと
いうジャクソンホールでの発言は市場に一定の安心感を与え先週はハイテク
株主体のナスダック指数とS&P500種が高値を更新しました。NYダウも再び
3万5000ドルを回復し高値更新を伺う勢いです。

デルタ株の脅威は米国でも続いています。6月には一日当たりの新規感染者数
(7日移動平均)は感染者数が1万人を割り込んでいましたが、足元では14万
人と急増しています。感染力の強いデルタ株の影響でワクチン接種率の低い
州を中心に感染が広がっています。またワクチン接種完了者にもブレイクス
ルーが発生しています。

国内での感染者数の拡大が東京市場の重しになっているようですがそれでも
日米の市場は正反対の動きです。感染者数の数だけですべてが決まっている
ようではないようです。日経平均指数の寄与度が高いファーストリテイリン
グやSBG株の弱さが目立ちます。日銀がETFの買いをずっと見送っているの
がやはりボディブローのように効いているのかもしれません。

2銘柄とも昨年大きく上昇した反動もあるでしょう。株安の要因はそれぞれ
でしょうが、下げ止まらない背景にあるのは需給要因かもしれません。昨年
短期筋が225指数を上げるために値嵩株の銘柄を集中して買い上げた反動で
しょうか。長期投資家の投資尺度では測りきれないくらいの水準まで上昇し
たことで安定的に保有してくれる投資家が離れてしまったことが背景になる
のではないでしょうか。

昨年はGAFAの代替として物色されましたが、収益の質、量、株主還元どれ
を取ってもGAFAとの差は歴然です。高値から3割を超える下落でもなかなか
アク抜けしない株価はやはり根深い要因がありそうです。今春にはファスト
ファッション世界首位のZARAを展開するインディテックスを時価総額で越
えたとニュースになったファーストリテイリングはその時が株価のピークで
した。

欧米中心に店舗を展開するZARAがワクチン接種の進展で回復期待が高まった
一方アジア市場が中心のユニクロはこの地域のワクチン接種が遅れコロナ感染
が深刻になったことで先行き不安が高まりました。株価指標面ではファースト
リテイリングの割高感は強かったのですが、コロナ蔓延で成長期待の強いアジ
ア事業への期待が低下したことが下落の一因でした。

SBGは投資会社に変貌しました。投資会社で有名なのは投資の神様バフェット
氏が率いるバークシャーですが、前者がAI関連の未公開株に投資するのに対し
て後者は公開企業への投資や傘下で運営する保険会社や鉄道会社といった安定
的にキャッシュを稼ぐ事業への投資です。

前者が多額の借入金を抱えレバレッジを利かせた投資に対して後者は巨額な余
剰資金を抱えていることなど同じ投資会社でも正反対です。この春までは成長
株投資のSBGが人気でしたが、中国リスクなどの高まりもあり人気離散しまし
た。結局日本2社が追い風参考の株高で指数を押し上げましたが、風がやんだこ
とで過剰な期待が剥げ落ちました。
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総選挙後は株高?

2021-08-29 09:00:30 | 日記
先週猛暑が戻ってきた関東地方でしたが、今週水曜日以降は最高気温が
30度を割り込む日もあるという週間予報が出ています。確実に季節は秋
に向って歩みを進めているようです。

株式市場も2万7000円を割り込んだ後、先週は切り返しの動きを見せる
など次第に下値は堅くなっているようにも見えます。31日火曜日は最終
営業売買日です。最終売買日には1年近くも値下がりが続いていますから
一定の注意は必要ですが、需給面でのイレギュラーな短期的な動きであ
り余り気にするようなこともないのかもしれません。

デルタ株に置き換わったことで従来言われていた7割で集団免疫獲得とい
う通説は通用しなくなりました。1割程度でワクチン接種拒否という人達
がいることを考えると欧米でも現在7割に達している接種率を引き上げる
ことはかなり努力がいるようです。

飴と鞭を使い分けながら如何に接種率を今後引き上げられるか、一国の経
済や株式市場は今後新たな選別が始まるのでしょうか。コロナがある程度
終息しても海外旅行に出かけるにはワクチン接種証明書がないと難しくな
りそうです。

また映画やドラマではマスク着用では物語が成り立ちません。デルタ株は
三密どころか密が一つでもあれば感染リスクは高くなります。既に以前の
ような感染対策では防ぎきれません。また音楽フェスなど大規模イベント
では入場条件に接種証明は必須になるかもしれません。

厳格なロックダウンで感染者を抑えてきたオーストラリアでももはや路線
変更は避けられないようです。ワクチン接種の進展とコロナ特効薬が開発
されて初めてアフターコロナが実現できるのでしょう。それまではウィズ
コロナで社会生活を取り戻すしかありません。

先週の東京市場では東京都の感染者数の鈍化を好感するように旅行や空運
電鉄など年初来安値圏にあった銘柄が週を通して物色されました。今週も
この動きが続くのか、それとも全国では感染者増加に歯止めがかかったと
いう流れにはなっていないことからフライングの反動で下落するのか、相
場の流れを見るうえでポイントの一つになりそうです。

また総裁選と総選挙という秋の政治日程が段々固まってきたことで総選挙
後は株高というジンクスが今回も当てはまるのか。小泉政権や安倍政権の
ような支持率の高い政権下での総選挙は株高か傾向が鮮明だったけれど短
命政権下では必ずしもジンクス通りの株高にはなっていないという見方も
あります。いずれにしても今後は政治と株式市場との関連性が一時的に高
まるという流れになりそうです。

次回の更新は31日を予定しています。
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麦わら帽子

2021-08-27 05:51:04 | 日記
先週の日経平均は一方的な下落でした。無理もありません。国内ではデル
タ株の蔓延が深刻さをまし、頼みの中国経済にも減速の気配が濃厚となっ
たことで4~6月期の好決算もピークを迎えたという見方から好決算発表で
も中国経済との関連性に高い銘柄中心に下げが鮮明でした。

先週の弱い相場から今週も一段と下落する流れになるのではないかと警戒
する市場関係者もいたようです。しかし蓋を開けたら先週の下落分の77%
を26日までに取り戻しました。まだ営業日が一日残っていますから油断は
できませんが20日の2万7000円割れが当面の安値となったかもしれません。

感染者は地方でも拡大しています。過去最高を更新する県が増加していま
す。やはりお盆の帰省が影響しているのでしょうか。反対に東京都の感染
者数の7日移動平均は100%を割り込みピークアウトしたようにも見えます。

26日の市場で旅行関連や空運、電鉄など感染者数の減少が業績の押し上げ
要因になるセクターの上昇が目立ちます。一般社会ではややフライング気
味の動きに見えますが市場は「噂で買って事実で売る」という習性があり
ます。

新型コロナウイルス禍で巣籠り消費に沸いた代表銘柄のニトリやドン・キ
ホーテを展開するパン・パシフィック・インターナショナルホールディン
グス株は特需の剥落で業績鈍化が嫌気され、このところ軟調な展開です。
相場の流れは水面下では既に変化しているのでしょうか。

勿論、感染力のデルタ株の脅威は続いており、国内の感染者はピークを付け
たかどうか、あるいは減少に転じたとしてもどこまで低下するかはまだ見通
せません。旅行関連などを仕込むのはまだ早いという見方もあります。「麦
わら帽子は冬に買え」あるいは「夜明け前が一番暗い」投資家はどう動くべ
きなのでしょうか。


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EVの不都合な真実

2021-08-26 06:19:43 | 日記
GMは同社初のEV自動車シボレーボルトの3回目のリコールに追い込まれま
した。ボルトは米国でライバルのテスラ追撃の目玉でした。リコールを受け
同車種の販売を停止したことで同社の戦略も修正を迫られることになりそう
です。

リコールの原因がバッテリーの不具合だったことからGMは供給元のLG電子
に巨額な賠償請求にすることになりそうです。EVに搭載されるリチウム電
池は車両価格の三分の一を占めると言われています。バッテリーがリコール
の対象になると今までのガソリン車に比べて交換費用はどうしてもかさみ
ます。

GMがこの車両に対して行った3回目のリコールのニュースを受けてLG 化学
の株価は米国時間8月23日に11%下落し、60億ドルの市場価値を失ったと伝
えています。

脱炭素社会という潮流から自動車分野ではEV化が大きな波となっています。
しかし以前から言われていたように現在主流の電解質を使うリチウム電池は
発火の危険性が指摘されています。製造過程での不具合はすぐにリコールに
繋がります。より安全性が高い全個体電池の実用化は早くて2025年とも言わ
れています。

世界大手自動車メーカーや新興EVメーカーが入り乱れてEV開発にしのぎを
削っています。今後EV販売は急激な拡大見込めますがGMで発生したことは
他の自動車メーカーでも起こり得るケースです。しかも販売台数が増加すれ
ばもしもの場合リコール費用はさらに巨額になります。

今や欧州や中国だけでなくEV化の流れは強まるばかりです。しかしメーカー
が性急に開発を急げばそれだけ不具合も増えます。100年の歴史のあるガソ
リン車と違いEVが本格的に市場に出てきたのはここ数年です。

地球温暖化の脅威は今年も欧州での洪水や熱波による山火事の多発ブラジル
の異常気象など各地で頻発しています。脱炭素社会は待ったなしです。しか
しスマホやPCなどの電子機器と違って自動車は命を預けている製品です。格
段に安全性に対する配慮は高くなければなりません。

自動車メーカーの多くがEV化を前倒ししていますが、コスト面や安全に対す
る技術が十分に揃わない状態での市場投入はリコールに発展するなどでブラ
ンド力の失墜が伴うこともあります。市場ではEVに積極的なメーカーほど期
待先行で株価が上昇したケースも出ています。光があれば影があることを投
資家はもう一度考えるべきです。
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下降トレンドに終止符?

2021-08-25 06:11:36 | 日記
24日の東京市場は237円高の2万7732円と続伸して終わりました。過去
3ヶ月の値動きを見ると6月15日ザラ場高値2万9480円7月13日が2万8852円
8月12日が2万8279円でした。共通しているのは中旬に高値を付けてい
ることです。また高値が切り下げっていることも見て取れます。

安値は6月21日ザラ場安値2万7795円、7月9日2万7419円8月20日2万6954円
とこちらも安値を切り下げています。23日24日で合計766円と比較的大きく
上昇しましたがまだ明確に下降トレンドが終わって次の上昇トレンドに移る
か慎重に見極めることが必要です。

1799銘柄が値上がりしたにも拘わらず日経平均の上昇幅は237円でした。
まだ自律反発の域を出ない可能性もあり、まだまだ下値不安が払拭された
訳ではないようです。

旅行関連なども物色された背景には東京都の感染者数の7日移動平均の増
加率が鈍化してきたこともあるようです。もっとも非常事態宣言後も増加
が続くなど過去のケースのように大きく減少に転じるかはまだ予断を許し
ません。

ワクチン接種拡大と感染力の強いデルタ株との戦いは前半戦デルタ株優位
の状況が続いていましたが、後半戦ではワクチン効果がじわじわと出てく
るのでしょうか。感染者数と日経平均の値動きを比べると感染者数が減少
に転じると日経平均が反発するというパターンがあるようです。

8月が感染者のピークという見方もあるようです。株式市場が先見性を発
揮して今度こそ下降トレンドに終止符が打たれるのでしょうか。デルタ株
の脅威に加え総選挙での自民党大敗懸念などまだまだ市場の足を引っ張る
要素はたくさんありますが、NYダウに比べて足元の日経平均の出遅れは
明らかです。

先週末の水準はすべての悪材料を織り込んだ水準まで下がったのでしょう
か。2月に年初来高値を付けてから出番のなかった日本株でした。ワクチン
接種の開始が欧米に比べて遅れ現在の第5波は最も深刻な状況です。徐々に
ワクチン接種の広がりでデルタ株から主導権を奪える時期はそこそこまで
きているのでしょうか。

日経平均がこの水準で弱気姿勢が続けるのは賢明じゃないんかもしれませ
ん。そんな不安があるのは確かかもしれません。日々のニュースを受けて
相場の反応がどのようになるのか、もっと目を凝らしてみるべき時期に差
し掛かってきたのかもしれません。勿論、銘柄選びは最重要です。
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