kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

安川決算は転機になるのか

2021-10-05 05:23:36 | 日記
バブル期以来の高値まで上昇した日経平均でしたが、どうやら追い風参考
記録で終わりそうです。8月後半からの一方的な株高は幾つもの複合要因が
背景にあったようです。9月には3万670円まで上昇した日経平均は今月4日
には2万8444円まで下落しました。配当落ちはありましたが、9月月間上昇
分の9割近くが消えました。

8月20日に年初来安値を付けた背景には国内でのコロナ感染者の急拡大で
国内景気の先行き不安が急激に高まっていました。また菅政権下でのコロ
ナ対策など失敗から総選挙で自民党が大敗北するという見方が強まったこ
とも海外投資家中心に弱気に拍車かけました。

年度前半の9月を控え機関投資家の間でもさらなる相場の下落に備えてリス
クヘッジも出ていたでしょう。株式市場でもメジャーSQの9月前半に向け
て当面は悪材料が多く好材料が期待できないことから弱気のポジションを
取る投資家も多かったのではないかとみられています。

そこに降ってわいたような菅総理の事実上の退陣表面で首相が後退するとい
うサプライズが発生しました。海外投資家の間では安倍政権誕生前夜の連想
がおそらく働いたのかもしれません。短期筋中心でそれまで売りポジション
の買戻しと買いポジションへの転換が急騰相場の背景でしょう。

相場が大きく変動するケースではしばしば前提条件が大きく変化することに
より市場の見方が180度変わることにより発生します。今回は弱気ポジショ
ンから強気ポジションへの急激な変化でした。また8月後半から目に見える
形で国内のコロナ感染者数の急減も上昇相場の加速をお膳立てしました。

しかし2月の年初来高値を抜き、目標達成感が出易い状況になった時点でそ
れまで大きな変化が期待できる河野首相誕生に黄色信号が灯り安定を重視す
る岸田氏が有利に総裁選挙戦を戦っていることが明らかになり日本経済の変
革を期待する海外投資家中心に失望が広がりました。

また追い打ちをかけるように中国恒大集団の経営危機に端を発した中国経済
への先行き不安に加え電力不足から経済活動が停滞しているというニュース
も中国経済への依存度の高い企業中心に懸念が高まりました。先月30日発表
の中国製造業PMIも好不調の分かれ目の50を下回る49.6となりデータにも不
安が裏付けられました。

今週8日、安川電機の決算発表が予定されています。同社の決算が毎回注目さ
れるのは主力事業のサーボモータが工作機械やロボットに組み込まれる必須な
製品であり世界の工場である中国の製造業の現状や先行きを占う試金石になる
からです。1か月後にスタートする3月期決算企業の製造業の道しるべともなり
ます。

安川電機は先週週間ベースで12%も下落しました。決算発表で市場の不安を
打ち消すような内容なのか、あるいは市場の懸念が杞憂ではなく現実のもの
となるのか。もっとも悪い材料が出ても既に大きく調整していたので一旦は
悪材料出尽くしで反発するかもしれません。

日経平均には安川電機など製造業に占める割合が欧米株に比べ高いのが特徴
です。相場の流れが変わったとしても製造業の下落が続いているようでは相
場は落ち着きません。安川電機の決算でこの悪い流れが止められるのかまず
は注目です。
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