kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

大納会

2021-12-30 07:34:27 | 日記
29日の米国市場はNYダウ、S&P500種とも最高値を更新しました。ナスダック
指数は小幅の下落でした。この結果を受け大納会の東京市場は何とか2万9000円
台を回復して終えることが出来るのでしょうか。行動制限緩和で国内景気拡大は
7割に急回復したとのニュースも支援材料になるのでしょうか。

あるいはこのところ国内の感染者数は増加傾向が定着してきました。オミクロン
株の市中感染も散見されています。しかも感染経路不明なケースもあるようです。
感染力の強いオミクロン株に置き換わると年明け以降感染者が急増する懸念は払
拭できません。日本市場が休場の間に環境が激変する可能性も否定できません。
株を枕に年越しとはいかないかもしれません。

29日の東京市場は米国市場が上昇したにも拘わらず反落して引けました。割安と
言われながら最後まで日本株への見直し買いはありませんでした。新年相場もい
くつかの不安材料が山積しています。

北京オリンピックを控えゼロコロナ政策を継続することが予想され感染対策の強
化は消費や生産面での景気の下押し材料は事欠きません。感染力の強いオミクロ
ン株が欧米で主流となり中国が感染を食い止めることは容易くありません。

また国内ではじわじわ感染者数が増加傾向です。まだオミクロン株による影響は
限定的ですがデルタ株からオミクロン株への切り替わりが欧米では進んでいるこ
とを考えると年明け1月にどこまでピークの山を低くできるかが国内景気回復への
条件です。当面は不確実性が高いことが多く消化するには時間が必要です。

今年の日本株は9月に菅総理の事実上の退陣表明で改革派の河野氏の首相待望論か
ら海外短期筋の買いで一時2月高値を更新しましたが、河野氏の劣勢が伝わると上
昇相場は短命に終わりました。結局追い風参考記録の9月高値だったので事実上日
本株は2月で前年の11月以降続いた上昇トレンドが終わったというのが実態ではな
かったのかもしれません。

その後は海運セクターが8月から2か月間まとまって物色されたのが目立ちました。
そして年間を通して堅調だったのが半導体セクターです。やはり米国でのSOX指数
の上昇など目に見える数字が買い安心感を誘ったようです。

米国市場では今年の上昇分の半分がGAFAMによるものだという指摘があります。
アップル1社だけで日本円換算で300兆円という巨額な時価総額です。日本株トッ
プのトヨタでも34兆円です。大型テック銘柄が不在の東京市場が米国株に追随で
きなくなったとしても仕方ない面もありそうです。

業界で勝ち組として残ったソニーGやトヨタ、デンソーそれに半導体セクター
コロナからの回復を期待したい外食や空運、電鉄、外食、レジャーなどのセクター
に頑張って貰うしかないようです。

1年間皆様お疲れさまでした。
次回の更新は1月4日を予定しています。
良いお年を
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ソニー高、SBG安の裏側

2021-12-29 06:46:41 | 日記
米国では「サンタラリー」、日本では「掉尾(とうび)の一振」と年末の
株高期待が再び息を吹き返したようです。もっとも今年ここまで米国株に
出遅れてしまった日本株がどこまで年末年始で活躍できるかはやはり海外
投資家が日本株再評価をしてくれるかにかかっているようです。

半導体銘柄の東京エレクトロンなどやソニーGなど一部の大型優良銘柄は
米国株市場に伍しているとの指摘はあります。それでも日経平均はTOPIX
など指数が米国に追随できなかったのは米国で人気の半導体セクターエネ
ルギーセクターとも質、量とも物足りないからです。

昨年11月から今年2月まで日経平均を引っ張ったのはファーストリテイリ
ングやSBGでしたが、ファースト社は重点市場の中国での変調で業績の
先行きに不安が広がりました。SBGはビジョンファンドの大口投資先の
ディディなど中国企業を取り巻く環境の急変で人気が離散しました。両
銘柄とも足元でも今年高値からそれぞれ4割と5割安で低迷しています。

ひょっとすると現在の指数が日本株の実態に近いのかもしれません。オミ
クロン株の広がりでなかなかポストコロナの到来を予想するのは難しくな
っています。コロナ禍での特需で沸いた巣籠り銘柄も失速しています。

半導体不足に加え物流の混乱から米国のクリスマス商戦ではゲーム機の
品不足が続き販売損失が発生しています。ハード不足はソフト販売へ影
響が懸念されコナミやスクエニの株価は軟調になっています。一方ゲー
ム機大手のソニーGは28日年初来高値を更新しました。

ソニーGはゲームだけでなく世界シュア首位の画像半導体や音楽や映画と
いったソフト部門、金融事業など複合経営です。依然ソニーG株は複数の
事業を抱えていることから市場からディスカウント評価されることもあり
ましたが、収益力が高まってくると複数の事業を抱えていることで安定感
が再評価されるようになりました。

一方世界的な緩和マネーで脚光を浴びたユニコーン銘柄に投資してきた
SBGは様々な壁に挟まれて急速に色あせた銘柄になってしまったようです。
1兆円の自社株買いも不発に終わりました。昨年の2.5兆円の自社株に比べ
市場からの買い入れ額も少ないようです。

株価が年初来高値から半分程度まで下がったのであればもっと積極的に買
い入れてもいいようなものですが、そうではないようです。ビジョンファ
ンドの運用成績が持ち直すなど投資事業の先行き不安が後退するまではど
こかで小反発はあっても持続的な上昇は見込めないかもしれません。

ソニーG高はアップル高と似通った部分もありそうです。両社ともハードの
会社からソフトも含めた持続的な稼ぐ力が評価されているようです。稼ぐ力
が強ければ多少の環境の変化でも対応でき増配や自社株買いも期待できます。
成長力+安定性がキーワードになっているようです。
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2022年相場の主役は?

2021-12-28 06:41:46 | 日記
国内での感染者数は12初旬から増加傾向です。それでも水準自体は高くは
ありません。しかし感染力の強いオミクロン株への警戒感は日増しに高ま
っています。国内でも市中感染が複数の都府県に発見されています。しか
も感染経路が追えない感染者が増えています。

年末年始で人の移動が今年は活発になることにより1月にどのくらいくらい
感染者が増加するか注目されます。第6波が来るとしても山がどのくらい高
いかで新年の東京市場の景色も変わるでしょう。それでも年明けには3回目
の接種が本格化し、経口薬も使用可能になります。市場にも学習機能が発揮
されることを祈るばかりです。

市場でも第6波への警戒心とは裏腹にコロナ禍で人気を集めた銘柄群の出番
は現状ではないようです。宅配大手の出前館、EC作成のBASE、オンライン
診療のメドレー株はいずれも今月年初来安値をつけています。いずれも成長
力への期待から人気化した銘柄ですがいずれも赤字か黒字でも利益は低水準
です。

エムスリーも昨年はPERが100倍を超える水準でも高値追いでしたが、今年
の10月以降は右肩下がりのトレンドから抜け出せません。リクルート株も
10月に高値を付けてから下げが鮮明です。高成長期待銘柄には確実に追い
風が止み一転向かい風になっているように感じます。

市場関係者の見通しでは来年も株高が続き年度末には3万円を超えるという
見方が多いようですが、ではその主役はどのセクターでしょうか。半導体
はその筆頭格でしょうが、年明けにからの挽回生産で期待の強い自動車セ
クターではトヨタ以外は期待とは裏腹に株価低迷が続いています。

今年は新興EVメーカーが市場の注目を集めました。しかし来年以降世界の
大手メーカーもEV傾斜を一層強めます。おそらくEV市場は今後激しい競争
に晒されるでしょう。これまではEVの品揃えを増やすとか将来の生産台数
を急激に増加させるというニュースだけで上昇する場面もありました。

しかしEVの品揃えが増え消費者の選択肢が広がればEV市場の拡大にも拘わ
らず優勝劣敗が鮮明になるでしょう。EVに後ろ向きだという評価が定着し
ていたトヨタが一転野心的な目標を発表しました。トヨタの本気度がEV市
場を活性化すると同時に新興EVメーカーを巻き込んだ競争激化進むでしょ
う。

既存のメーカーを含めてすべてのメーカーがEV市場で生き残れる保証はあ
りません。EVでは完成車メーカーから重要部品を作っている部品メーカー
に妙味があるという見方もあります。デンソーが過去最高値を更新したのも
そんな期待の裏返しです。
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悪い円安

2021-12-26 06:47:31 | 日記
円安は株高という間違った思い込み。かつてはそうであったけど今は違う
ようです。原油、LNGなどのエネルギーそれに小麦やトウモロコシ、大豆
コーヒー豆などの穀物類まで日本は輸入に依存しています。これらの商品
はドル建ての価格の急騰が今年は目立ちましたが年初からの1割も進んだ
円安で国内価格は一段と価格上昇が顕著でした。

日本の電機や自動車など輸出産業が強かった時代では円安は円の手取り代金
の増加に繋がり円安メリットを享受しました。しかし電機業界ではテレビか
らスマホまで海外企業との競争に敗れ電機業界の輸出競争力は大きく低下し
ました。

電子部品など尚も競争力を維持している分野はありますが、最近ではこの分
野でも台湾や韓国企業からの追い上げでかつての優位性は失われつつありま
す。iPhoneに採用されている電子部品でも日本製は次第に少なくなっている
ようです。

自動車業界は現地生産が進み地産地消がすっかり定着しました。尚も輸出品
目では自動車部品も含め大きな柱ですが、円安が進んだからと言って数量の
増加は余り期待できません。デジカメなど日本での生産が多いキャノンなど
は例外です。

イチゴやリンゴなどの農産物や日本酒やウィスキーなどの酒類の輸出は増加
していますが、電気製品などの落ち込みをカバーするまでの金額ではありま
せん。現地生産や海外企業の買収で配当金などの資本収支には円安はプラス
ですが、モノの輸出の金額には及びません。

円安は食料品から電力やガスそれにガソリン代が膨らみ国民の購買力の低下
に繋がります。輸出大国の看板を下ろした日本では年初から10円も進んだ円
安の経済に対していろいろな弊害をもたらしています。海外からモノを買う
ときに不利になります。

海外投資家からすると株価が上昇しても円安が進行しては手取りのドルの目
減りに繋がります。通貨の弱さは国力の低下という負の側面が今年後半の東
京市場のもたつきの原因の一つかもしれません。

円安でのコスト上昇分を価格転嫁できれば企業収益への影響は限定的でしょ
う。かつては乱売競争が日常だったガソリンは元売りの集約で安売り競争は
姿を消しました。円安で石油元売りの収益が圧迫される要因は減少しました。
しかし食品業界のように中小企業が多く小売りとの力関係からコスト上昇分
の転嫁が十分できない業界は大変です。

電気やガスそれにガソリンなど多くの分野で価格が大きく上昇した状況では
国民の財布の紐は固くなります。そのしわ寄せが購買頻度の高い食品へ向か
い価格に敏感になっている消費者への負の側面を恐れ小売り側の値上げの動
きは鈍くなっています。円安はトータルでかつてほど日本経済にとって良い
話ではなくなっています。

次回更新は28日を予定しています。
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半導体株だけが残った

2021-12-24 07:23:53 | 日記
日経平均は年内2万8500円を中心にした値動きになるのでしょうか。国内で
は足元の感染者数はじりじりと増えています。尚も水準は低い状態ですが
感染力のオミクロン株の市中感染も確認されていてあっという間に急増する
のが第5波までの教訓です。

今後ワクチン効果の低下とオミクロンの感染スピードの速さが揃うと油断は
できません。3回目の追加接種がどこまで加速できるかによるでしょう。感
染力の強さに比べ重症化率の低さは指摘されています。しかし軽症に終わっ
ても感染者数の急増は国内景気の足枷になります。外食やレジャー・旅行関
連銘柄の出番は後ずれする要因になります。

日経平均は高値から2000円ほど下の水準ですが、ソニーGやトヨタなど業界
の勝ち組の値持ちの良さが目立ちます。しかしセクター全体では一握りの銘
柄が良くてその他多くが不振だという傾向が顕著です。来年緩和局面の転換
が確実視されより収益力、将来性、財務の安定性など優れた銘柄のみの残っ
ているようです。

そんな状況で半導体銘柄だけは別格のようです。今年も大きく上昇し足元で
も高値からの下落率は21日時点でも東京エレクトロンが3%、アドテストが6%
スクリーンが2%、レーザーテック4%、JSR5%とウエハー世界一の信越化学
も9%と抜群の値持ちの良さです。

来年はFRBの金融政策が引き締めに本格的に突入することから成長株からバリ
ュー株へ資金シフトが鮮明になるとの予想もあります。東京市場でも成長株の
筆頭だったエムスリーは1月高値から直近で5割安の水準で低迷しています。成
長株でも著しく高いバリエーションは許容できなくなっているのかもしれませ
ん。

半導体株は成長期待の高さと景気敏感株という側面もあります。100倍を超える
PERのレーザーテック以外はさほどPERも高い水準ではありません。最近の半
導体株の堅調にはそんな背景があるのかもしれません。来年も相場の柱の一つ
に残る可能性は高いのかもしれません。
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