kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

身の丈に合った投資

2019-08-31 07:40:16 | 日記
週初の大幅安で2万円割れの懸念もあった今週の東京市場は終わって
みれば週間ベースでは6円安でした。これだけ環境が悪い中でも2万
円の大台を割り込まないのは悪材料にある程度抵抗力がついてきたか
らでしょうか。

今週で8月相場も終わります。売買代金2兆円割れの連続記録は13営
業日まで伸びましたが、日経平均は5日に終値ベースで2万1000円を割
り込んだ後は2万500円を中心に上下300円程度の範囲で推移し8月相場
を終えました。

米中貿易戦争は目立った進展はなくむしろこの1カ月間では悪い方向に
向かっています。英国の合意なきEUからの離脱のいよいよ待ったなし
の状況です。また香港情勢も混とんとしたままです。香港問題が今後
どうなるかはバックに不可得ている中国本土の出方次第です。

日本株を取り巻く投資環境は年初に比べて明らかに悪化しています。
円相場も落ち着きを取り戻したようですが、年初の急騰のように一時
的な円高ではなく現状の106円台或いは一段の円高進行も否定できま
せん。インバウンド需要は訪日客数2位の韓国との関係悪化や4位の
香港の混乱は明らかにマイナス要因です。

ここ数年前からインバウンド消費が地方にも恩恵をもたらししてきた
だけに特に都市部よりも地方への影響が大きいようです。ビジネスホ
テル大手の共立メンテナンスが6月以降下げ基調なのはそんな影響も
あるのでしょうか。

一方貿易戦争激化でもっとも買いにくい外需銘柄が一段と水準を切り
下げる展開にはなっていません。外需銘柄の中でも半導体関連銘柄の
ように製品市況の底打ち期待から年初来高値まで上昇している銘柄も
あります。少なくとも信用買い残高の推移からは外需銘柄への期待は
低下して信用売り残高が積みあがっている銘柄もあり下げれば一定の
買い需要があり底堅い展開になっているようです。

いずれこの膠着した相場はどこかで転機を迎え株価が上下どちらかに
大きく振れる場面が出てくるのでしょうか。カギは何といっても米中
貿易戦争が一旦終息するのか、それともこの状況が年末まであるいは
年明け以降も続いてしまうのかです。

日米とも相場は粘り腰を発揮し見方によれば底堅い展開が続いていま
す。しかしどうも9月から11月までの相場は記憶では余り良い印象が
ありません。まだまだ波乱は続くと考えてしばらくは安全運転を心掛
けるべきなのかもしれません。いずれここぞという買い場がくるかも
しれません。その時のために余力を残しておくべきかと思います。

1日から2日の更新はお休みします。
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ニューノーマルの備えよ

2019-08-30 06:10:16 | 日記
東証の売買代金2兆円割れは29日で12営業日連続となりました。
以前の経験則では売買代金の低迷は相場底入れの兆しという見方
もありました。しかしかつての経験則が通用しないケースが増え
たのも昨今の相場です。

市場関係者が相場解説でしばしば持ち出すのが過去のケースとの
比較での相場の先行きです。過去のケースを参考にすると今後7割
とか8割の確率で相場が反転して上昇になると聞けば多くの投資家
は株価が上昇することを期待していますからその見方に賛同してし
まいます。
しかし相場環境はその都度全く同じものは存在しません。確率が
100%近いのであれば信じても良いかもしれませんが、そうなら
ない可能性が2割も3割もあるならやはり慎重になるべきです。

現在の市場関係者の注目点は何といっても米中貿易戦争の行方で
す。かつて経済規模が世界の1位と2位の国がガチンコで衝突した
ケースがあったでしょうか。しかも両国は政治体制、民主化、経
済構造が全く異なった国同士です。その両国が激しくぶつかりあ
うのですから過去のケースとは全く違った相場環境になるのは仕
方ありません。

このところグローバル企業の間では関税合戦の終息は当面ないと
いう前提で中国から生産拠点を移す動きが加速してきました。そ
の多くは人件費も安く比較的サプライチェーンの整ったベトナム
が浮上しているようです。各社の進出ラッシュが続けば人口が中
国の13分の一ですから人件費の急上昇が起こる可能性もありそう
です。

しかし米中貿易戦争の先行きが見えない状況では中国から脱出し
た工場はベトナムだけでなく他のアジア各国を目指すでしょう。
もは中国が世界の工場でありバンバン輸出で稼ぐことは難しくな
りそうです。輸出主導経済から内需主導での成長を目指さなけれ
ばならないでしょう。

中国政府も米中貿易戦争が今後も続くという前提で内需刺激策を
打ち出してきました。しかし何しろ経済規模が世界第2位の国が
短期間に投資や輸出主導の経済構造を転換するのは無理がありま
す。

輸出減のマイナスを完全にカバーするのは短期的には難しいでし
ょう。数年前の予想よりも中国の成長率は低くなるのは避けられ
ないでしょう。我々投資家はこのような前提で投資を考えるべき
です。

決して過去の延長が未来ではないことは忘れてはいけません。多
少円高に振れても世界経済が停滞しても伸びる企業を今こそ探す
べきです。アベノミクス相場で日本株全体が力強く上昇しました
が、今後の日本株はその延長線上にないかもしれません。

中国経済が新たな局面を迎え日本企業も今後収益が停滞するとこ
ろと伸びる企業がハッキリするかもしれません。中国を取り巻く
環境はトランプ大統領誕生後に一変しました。最近では米中貿易
戦争問題に加え香港問題も解決の糸口が見つかりません。投資環
境もまた変わってしまったので投資家目線も現状が新たな姿だと
いう前提で見るべきです。
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「Gゼロ」が現実に

2019-08-29 07:15:32 | 日記
「Gゼロ」とはG7を構成する主要先進国が指導力を失い、G20も機能
しなくなった国際社会を表す言葉です。米国の政治学者イアン・ブレ
マーが2011年にその可能性を指摘しました。2012年には著書も日本
で発売されました。

先週末パリで行われたG7では首脳宣言が見送られると異常な形で閉幕
しました。トランプ大統領の就任後、米国はパリ協定(気候変動抑制
に関する多国間の国際的な協定(合意)。)から脱退し環境問題に熱
心なEU諸国と対立しました。

貿易面では多国間取引を否定し二国間での取引を重視する姿勢からTTP
からも脱退しました。カナダやメキシコとは貿易不均衡是正を強引に
迫りNAFTAの見直しを強硬に進めました。中国との通商協議は難航し関
税引き上げ合戦に発展、米中の貿易戦争は泥沼状態に陥入り世界経済の
大きな不安要因になっています。

トランプ大統領は2018年にはイランとの核合意から離脱し両国の対立
は大事な原油の輸送ルートであるペルシャ湾の緊張感を高めました。
またG7の主要国の英国政治は混迷しユーロ圏からの秩序なき離脱とい
う最悪のシナリオが現実味を帯びています。

イタリア政局の混乱も続いています。ユーロ圏のリーダー国であるド
イツも中国経済の低迷から景気後退の淵に立たされていてかつてユー
ロ圏で独り勝ちと言われたドイツ経済の強さは影を潜めています。政
治面でも長く政権を担ってきたメルケル首相の神通力は衰えが目立ち
ます。フランスとともにユーロの屋台骨を支えてきたドイツは今や政
治でも経済でもリーダーシップを発揮できる状況ではなくなりました。

米国は少なくともトランプ大統領政権が続く限り一国主義の旗を降ろ
しそうもありません。仮に世界的な危機が発生しても現状の状況では
強力なリーダーは不在です。ここまでの展開はブレマー氏が予言した
ように進んでいます。G7各国が協調して世界の課題に向き合うという
本来の役目を果たせず自国政治や経済の問題に対処するのがやっとと
いう状況です。

少なくとも来年の大統領選挙の結果が出るまで米中の経済的な対立は
解消せずさらなる事態の悪化も懸念されます。世界の経済や軍事でリ
ーダーシップを発揮してきたかつての米国の姿はなく「Gゼロ」の状
況はまだまだ続きそうです。資源を海外に依存し世界景気の動向に左
右される日本経済の舵取りは当面難しい局面が続きそうです。投資の
世界でも世界で比較優位なビジネスを展開している一部の企業に人気
が集まり全体が大きく上昇する場面は先になりそうです。
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SUBARUにあって日産になかったもの

2019-08-28 06:07:06 | 日記
トランプ発言に右往左往する相場が続いています。中国の処置に対
する関税引き上げで先週末の米国株は大きく値下がりしました。週
明け26日にはトランプ大統領が中国との貿易交渉を再開する方針を
示し米中摩擦に対する警戒感がやや和らいだことから買戻し主導で
上昇しました。

日本株も米国株の写真相場がこのところ定着していますから相場の
方向性は同じでトランプ大統領の不規則発言で世界経済への先行き
不安が高まったり、やや不安が後退していて今後の方向性は現時点
では見通せません。

ただこのまま米中の関税引き上げ合戦が終息しなければ景気後退の
リスクは限りなく高まってしまいFRBの利下げだけでは支えられない
というのが最近の論調です。米国の政策金利は以前の半分程度しか
引き上げられなかった緩和余地は大きくありません。このままでは
伝統的な金融政策だけでなく再びQEのような量的緩和が必要になり
ます。金融政策へのしわ寄せが再び過度にかかる懸念がありその副
作用が心配されます。

米中貿易戦争激化や一時105円割れまで進んだ円高は日本の輸出の
稼ぎ頭の自動車産業に大きな逆風となります。現時点では値ごろ感
が出ても自動車セクターへの投資は躊躇してしまうのが投資家の心
理です。

しかし仔細に個別企業の株価を眺めてみるとアベノミクス初期の
頃では上昇も下落も程度の差はあっても同一方向でした。しかし
このところは個別企業により必ずしも同じ方向に動いていません。

27日の市場でSUBARUが年初来高値を更新したのに対して日産は年
初来安値近辺で低迷しています。どちらも米国市場が地域別で最大
の売り上げ市場です。違いは米国市場で売れる車作りをしているか
どうかです。米国市場が減速しているにも拘らず熱心なコアのファ
ンがついているSUBARUは販売も会社計画以上に進んでいます。

一方日産は多額な販売奨励金を積んで支えていましたが、販売奨
励金を削減した途端大きく売り上げを落としました。日産はこの
ところ魅力的な新車を米国市場で投入できず大幅な値引きにより
販売を底上げしてきましたが、大幅な値引き販売はブランドイメ
ージ低下に繋がり中古車価格の低下に繋がり益々販売が低迷する
という悪循環に陥っています。

市場は低迷している時には優勝劣敗は鮮明になります。自動車メ
ーカーはユーザーに支持される魅力的な車を常に市場に送り出さ
なければ販売競争に勝てません。日産以外にも3大メーカーである
ホンダも四輪車事業の収益力が落ちているようです。世界的な景
気後退懸念で自動車市場はどの国も苦境が続いています。円相場
も105円台と高止まり懸念は消えません。

そんな環境を考えれば王者トヨタの株価は昨年末時点よりも高い
水準を保っています。自動車業界に迫るCASEと言われる一大変革
期が迫っています。EVや自動運転など分野で今年やけにトヨタの
積極姿勢が目立っています。日産とホンダの差が今後も広がる懸
念も捨てきれません。
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時間を味方に

2019-08-27 06:20:00 | 日記
先週の米中の関税引き上げ合戦がなければ株価も為替も大きな波乱
なく終わった可能性もありました。パウエル議長の講演で市場の期
待通りの9月利下げが示され世界の市場も一旦は平静を取り戻した
かもしれません。

日米貿易交渉も自動車の関税引き下げは継続審議になりましたが市
場が懸念していた数量規制や為替についての言及はなくまずまずの
結果だったのではないでしょうか。しかし自動車セクターでもっと
も関心事の高い為替は106円台を割り込んだことからボックスを下
離れした格好です。

トヨタ以外の自動車メーカーは四半期決算発表時に今期の想定為替
レートを110円に据え置きました。為替レート見直しよる業績下方
修正を織り込む動きは当面続きそうです。割安感はあっても自動車
セクターの人気回復は当面期待できないかもしれません。

来週から9月相場に突入します。米中貿易戦争の激化が続いている
ことから尚も下値不安が消えない相場は続きそうです。投資の基本
から言えば安い時に買い高い時に売れば収益は確保できます。しか
し投資家心理とは不思議なもので相場が下落すればするほど投資家
心理は悪化します。投資家の鍛錬が試される場面が増えそうです。

大きな利益を得ようとすれば悲観論がピークの時の投資によりチャ
ンスがあります。しかしここで注意しなければならないのは銘柄の
下げが景気循環や貿易戦争など経済環境の悪化が原因で数年先を考
えれば業績回復も期待でき株価も上昇が期待できるかどうかの判断
です。

例えばデジカメや複写機は景気循環での落ち込みよりもその市場自
体が縮小してしまうというのが大方の見方です。デジカメはスマホ
の写真機能の高性能化で複写機はペーパーレスの進展で市場縮小が
止まりません。

人に寿命があるように工業製品にも寿命があります。企業努力で多
少寿命が延びるとしても基に戻ることはありません。少し過去を遡
れば汎用大型コンピュータは小型サーバにフィルムカメラはデジカ
メに日本語ワープロはPCのワードに取って代わられました。

フロッピーディスクもMOもブラン管テレビも既に市場から姿を消し
ました。市場が喪失すると製造メーカーの業績は急激に悪化する懸
念も大きくなります。時間を味方につけられる個人投資家なら長期
保有に耐えられる企業の成長力に注目することが必要です。決して
値ごろ感や企業の知名度だけで銘柄を選んではいけません。
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