kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

業界2番手物色

2024-02-29 06:00:19 | 日記
今週は出遅れ物色が盛んなようです。業界トップ銘柄から2番手3番手銘柄の上昇が目立ちます。
自動車セクターではトヨタに比べて年初からの株価上昇率が低い日産や三菱自動車、造船重機
では三菱重工に対して川重やIHI、信越化学に対して住友化学などが当てはまります。

28日の市場ではこのところ10年来を連日更新してきた業界トップ銘柄がいずれも下げて終わり
ました。対して2番手、3番手銘柄はほとんど値上がりしました。日経平均がバブル時の高値を
先週更新し今週も連日更新する中で投資家の間で高値警戒感が広がっているようです。

物色対象が出遅れ銘柄に向かっているのはそんな流れが背景にあるからでしょうか。もっとも
最終的に株価を決定づけるのは業績です。10年来高値を更新するような企業はおそらく今期だ
けでなく来期以降も成長が期待できる企業です。対して業界2番手以降で出遅れている銘柄は総
じて収益力や今後の成長性に疑問符が付く銘柄も少なくありません。目先の人気に捕らわれず
本物かどうかを見極める目が必要です。

3月のメジャーSQは8日です。2度あることは3度あるといういい方もあります。1月、2月とSQに
向って強引ともいえる上昇が今回もあるのでしょうか。日経平均4万円達成にはやはり半導体関
連や値嵩株の上昇が必要です。日本の生成AI関連でリード役である東京エレク株は値持ちの良さ
が目立ちます。アドテストも安寄りの後は切り返してマイナス圏からプラス圏に戻りました。

あくまで今後の株価の推移は米国市場のエヌディディア株次第の側面はあります。高値を抜けず
に調整入りしてしまうのか。それとも4万円の大台乗せの立役者になるのか。いずれにしても3月
相場も期待と不安が入り交じる展開が待っているようです。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

中国依存度

2024-02-28 06:57:03 | 日記
オムロンが2000人の人員削減計画を発表しました。記事では中国でのFA機器不振が原因だと
記載されています。オムロンはFA機器大手であり他に血圧計などヘルスケア事業も主要事業
です。ヘルスケア事業は2024年3月期でも9%増益予想と好調に推移しています。

それでも今期の経常利益が76%減と大きく落ち込むのはFA事業が大きく落ち込んだことが原因
です。中国の半導体メーカーや車載電池メーカー向け不振が多きようです。EV向けは中国市場
のEV市場の成長鈍化や価格競争激化が設備投資にも影響しているのでしょう。

一方半導体分野では非先端品への投資急増は日本の半導体メーカーの受注急増でも明らかのよう
に需要は旺盛ではないのでしょうか。オムロンの失速は地場メーカーが技術力を高め市場を奪わ
れたことに原因があるように思えます。

かつて建機業界でも同様なことが発生しました。中国の建機市場では米国のキャタピラーや日本
のコマツや日立建機などが大きなシェアを占めていました。しかしリーマンショック後の4兆元
の巨額な公共事業で業績を伸ばしたのは海外メーカーよりも2割程度安価な製品で攻勢をかけた
三一重工などの地場メーカーでした。

大きなマーケットである中国市場は外資系企業が優位だった市場で度々大きなプレーヤーの交代が
発生します。最近でもEVの急激な販売増は主にBYDなど中国メーカーの躍進を引き起こしました。
結果的にかつては市場の大部分を占めてした外資系メーカーの市場シェアはあっという間に低下し
て今では外資と地場メーカーではシェアは半々までになりました。

永守会長もそんな中国市場の特有の構造を読み違い手痛い一撃を食らいました。会長の勝利の方程
式は採算を度返しした価格で市場参入しシェアを奪いその後、量産によるコストダウンと価格競争
力のある製品の投入で一気に市場の主要プレーヤーに躍進するというものです。

ニデックがEV用のイーアクスルで市場参入した第一世代の製品は利益が出ない価格でした。それで
も採用メーカーを増やして市場シェアを高め従来品よりもコストダウンを図った第2世代製品で一気
に市場を奪うという計画でした。しかし地場メーカーもEV市場の急拡大で優位に立とうと損失覚悟
で価格競争を仕掛けました。結果ニデックは計画通り販売を伸ばせませんでした。永守会長が嘆くよ
うにイーアクスルを生産しているすべてのメーカーが赤字だというような事態が発生しました。

中国市場はやはり特殊です。EV市場が立ち上がると自動車を製造したことのない電機やスマホメーカ
ーまで市場参入ラッシュが発生します。中国にはEVメーカーが200社あるとも言われています。当然
競争は激化して過当競争に陥ります。多くのメーカーが脱落して残ったメーカーが果実を得ます。
数年前オムロンは自動化や省力化投資の有望株でした。

しかし中国経済の減速や地場メーカーの台頭であっという間に競争の渦に飲み込まれました。中国市場
頼みの経営はやはりリスクです。世界の市場でまんべんなく稼げる企業は最後は残ります。限りある経
営資源をどう配分するのか経営者の腕の見せ所です。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ロジックとメモリー

2024-02-27 06:30:59 | 日記
3連休明けの東京市場は堅調だった米国株式市場が追い風になり一時は300円近く上昇する
場面もありましたが、高値警戒感もありその後伸び悩みました。日米市場ともエヌディデ
ィア高が高値更新の原動力になったことは間違いないでしょう。生成AI関連でも米国はエ
ヌディディアだけでなく生成AIサーバーのスーパー・マイクロ・コンピュータが急騰して
います。

また投資対象としてエヌディディアのGPUを組み込んだデータセンターではアマゾンやマイ
クロソフト、グーグルのマグニセントセブンの存在もあります。勿論、製造装置では世界最
大の半導体装置メーカーであるアプライド・マテリアルや半導体エッチング装置の分野では
トップシェアを誇るラムリサーチなど世界的な企業が多く存在します。生成AI関連でも投資
対象は多岐にわたります。

今回のエヌディディア祭りで生成AI関連の装置銘柄も上昇しましたがエヌディディアを除け
ば日本市場ほどの急騰劇はありませんでした。日本企業が強い製造装置や半導体材料を手掛
けている銘柄は人気が集中した結果、米国に比べればいびつな上昇ということは言えると思
います。エヌディディア祭りで一気にAI関連銘柄は急騰しただけに今後ボラティリティが高
くなることが考えられます。

生成AI関連抜きにして日経平均の4万円突破も考えづらですが、一極集中はリスクを高めます。
今後の相場の行方はやはり半導体銘柄以外でどこまで広がるのかがポイントです。

先週はトヨタが時価総額でサムスンを抜いてアジアでトップに立ったという記事が出ていまし
た。トヨタ株の順調な上昇とサムスン電子の業績回復が鈍いことで株価のもたつきが背景にあ
ります。メモリー首位のサムスンですが、生成AI用の半導体需要が爆発的に伸びている反面ス
マホやPC向けが主力のメモリー半導体の回復が遅れています。

半導体製造装置メーカーの上方修正には中国向けの需要急増があります。米国の規制を受けて
いる先端品を避けて非先端品向けの装置需要が急増しています。東京エレクトロンやアプライ
ド・マテリアルも中国向けの比率は4割を越えて急拡大しています。

そして中国が非先端品の半導体生産を拡大する先には価格競争激化が予想されています。サム
スンが得意とするメモリーの大口顧客は中国企業です。中国は国策として半導体強国を目指し
ています。太陽電池や液晶パネル、車載用リチウム電池で後発ながら世界市場を席巻できたのは
国の補助金を使った巨額な投資で量産体制を整え価格競争を勝ち抜いたからです。

同じ半導体でも市況品のメモリーには中国の影に怯える場面があるかもしれません。世界的な半
導体株ブームでも最近のサムスン株が置いてきぼりになっているのはそんな背景があるからかも
しれません。市況品であるメモリーは対象生産でコストを抑え市場を席巻できます。中国企業が
得意とする分野です。

同じ半導体でもロジック半導体とメモリーでは大きな違いがあります。エヌディディアのGPUは
唯一無二の商品であり価格が高くてもユーザーはこぞって購入します。当然利益率は高くなります。
しかしメモリー商品は差別化が難しく市場シュアが重要になります。それでも好況期には高い利益
がでますが、市況が悪化すると一気にコスト割れになり赤字が膨れ上がります。半導体は生産開始
から製品出荷まで3カ月かかるそうです。機動的な減産が難しいようです。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

エヌディディア祭り

2024-02-23 07:52:57 | 日記
エヌディディアに救われ日経平均はバブル時の高値をついに更新しました。今日の経済紙や
テレビでも日経平均が高値を更新した話題で持ちきりです。自分たちの暮らし向きは良くな
らず実感が乏しいとのインタビューもありました。ここまでは物価が上昇し賃金上昇に追い
つかずある意味ではその感想は的を得ています。

しかし今やトヨタに限らず株式市場で相場のリード役である日本企業の稼ぎ先は海外が主体
です。今や小売り企業でも海外市場を収益の柱として育てることが出来た企業が有望視され
ています。ユニクロを展開するファーストリテイリングは代表例です。このところ半導体セ
クター以外で株価上昇が目立つ三菱重工や日立も海外売り上げは優に5割を越えています。
世界で戦える企業がやはり今後も成長出来るということです。

中国経済の先行き不安から特にFAや省力関連の銘柄は不振です。オムロンはその代表格であり
7割を超える減益で株価は急落しました。ロボットのファナックや安川電機も株高の波の乗れな
い銘柄です。そんな中で森精機だけが22日に10年来高値を更新しました。年初からの上昇率は
既に3割を越えています。

代表的な設備投資セクターの工作機械が主力事業であり世界の工場である中国市場が不振であっ
ても前12月期は大幅な増益であり今期も増益が予想されています。同じセクターでも企業間格差
は開いているようです。

今年に入り既に日経平均は5500円余り上昇していますが、買いの外の銘柄は少なくありません。
電機では大手ではパナソニックが目立ちます。またソニーは決算が冴えず売られ年初時点に株価
は戻ってしまいました。高収益で知られ昨年まで過去10年で3倍ほどになったダイキンさえ欧州
でのヒートポンプ需要の失速などもあり高い成長期待に業績が届かず年初からの下落率は今週末
まで8%下落です。

市場関係者などが日本株という表現を使いますが、これだけ活況であっても蚊帳の外の銘柄は少
なくありません。それも日本を代表する企業であっても例外ではありません。効率よく稼ぐ力が
欠けていたり、高い成長期待が持てなかったりして物色の圏外になっている銘柄は割と多いのです。
出遅れ株物色など見直し買いの動きが起こり上昇する場面も今後あるでしょう。

しかし出遅れたり低迷している企業は何らかの原因があるものです。その原因が是正されなければ
一時的に人気になっても上昇は短命に終わるかもしれません。日経平均が未踏の高値圏に行けば行
くほど銘柄選びが重要になります。

当面はエヌディディアプレミアムもあり半導体セクターへの追い風は続く可能性があります。今日の
米国株市場の結果もあるでしょうが、3連休明けの東京市場も高値追いが続きそうです。満点以上の
決算だったエヌディディア祭りが日経平均の救世主になったことだけは確かです。

次回更新は27日(火)を予定しています。









コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

クオリティ銘柄が好まれる

2024-02-22 06:02:31 | 日記
21日の東京市場は米国株安に加え決算を控えたエヌビディア株の下落もあり上値の重い展開
でした。ここにきてエヌディディアに対して決算が市場予想を越えても小幅だったり、2~5月
期の見通しが市場期待に届かなかったりした場合株価がネガティブに反応するのではないかと
いう不安も出てきました。

年初から5割上昇したことで投資家の期待する業績はハードルが高くなっているようです。いず
れにしても生成AI関連の大本命銘柄であるエヌディディアの動きが半導体関連、そして市場全体
に与える影響は増しているようです

背景には不動産不況の影響もあり中国経済に対する先行き不安があります。生成AIのように景気
サイクルに左右されにくく今後市場が大きく成長する期待の高いセクターはある程度安心して投
資できる数少ない分野だからでしょう。

21日の市場に目を凝らしてよく見ると今年の投資資金がどの銘柄群に流れ込んでいるのか分かり
ます。集中と選択の成功ケースとなっている日立は10年来高値を更新しました。再編の影響もあ
り決算数字からここ数年業績が飛躍的に伸びている訳ではありません。

それでも上場子会社の利益が無くなってきている中で本体の収益力が高くなっていることを市場
は評価しているのでしょう。結果的にPERが昨年から大きく切り上り日立の成長性を市場が評価
していることが分かります。

2024年1月分の工作機械受注額速報では12ヶ月連続で前年同月比の実績を下回回りました。決し
て業界の環境が良い訳ではありません。しかし森精機株は21日10年来高値を更新しました。業界
の受注に逆風が吹いている状況でも増益を続けているところが評価されているのでしょう。ROE
や営業利益率なども高いことが高評価に繋がっています。

今期減益ながらも高い収益力が評価されて世界シェアも高く収益力が高いことで有名なSMCが10年
来高値を更新したのも目先の業績だけでなく中長期の成長性の高い質の良い銘柄が選ばれている流
れです。

今人気の生成AI関連でもなくても高値更新している銘柄もかなりあります。トヨタに限らず三菱重
工や日立にような経団連銘柄もかつての苦境を克服し稼ぐ力が増しています。3銘柄とも10年来高値
更新したことが市場からの評価が高まった証拠です。同じセクターでも2番手以下の企業との業績の
差や株価が昨年から拡大しています。セクターだけでなく個別企業の中身がより重要になりそうです。

注目のエヌディディアの決算がまもなく発表されます。今週は発表前に同株や半導体セクターは期待
よりも不安が高まり下落しました。決算発表後に最初に開くのが東京市場です。どんな反応なのか
は予想できませんが、イベント通過で不透明感が晴れどんな結果でも相場が動きやすくなるかもしれ


























ません。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする