kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

仕切り直し

2021-09-30 06:26:52 | 日記
29日の東京市場は大きく下落しました。9月末の配当権利落ち日で配当落ち
分の181円程度ありましたが、それを考慮しても日経平均のの下げは比較的
大きなものになりました。8月20日以降首相交代で総選挙での自民党大敗リ
スクが後退するという見方から海外短期筋中心にどっとマネーが東京市場に
流れ込み日経平均を押し上げました。

1ヶ月で年初来安値から4000円近い上げを演じ2月高値を更新して31年ぶり
の高値まで上昇しました。この間にNYダウは下落する場面も多く日経平均
の逆行高が目立ちました。しかし短期的な過熱感もあり上昇の勢いが鈍ると
米国市場の影響を再び受けるようになりました。

特に相場のリード役だった半導体関連やリクルートやエムスリーの高成長株
は米国の金利上昇で連動安する傾向が強いことが日経平均の値動きにも影響
しているようです。もともと9月は米国株が下げやすいというアノマリーが
ありました。しかしそれ以上に日本では首相交代でこれまで割安に放置され
ていた日本株買いに火が付いたことで一方的な株高が1ヶ月程度続きました。

日経平均は9月14日に3万670円(ザラ場高値は3万795円)を付けました。
日柄調整は10月8日のSQあたりまで終わるのかどうか。米国市場次第という
側面もありそうです。日足チャートを見ると日経平均が急騰する過程で窓を
いくつか開けて上昇しました。もし最後の窓埋めがあるとしたら9月3日の2万
9149円と6日の2万469円を埋める展開になるかです。

また現時点では11月7日が総選挙との予想が多いようです。選挙で大勢が判
明する10月下旬から11月初めまで日本株は調整が長引く可能性もあるかもし
れません。

株価は最終的には業績に収斂すると言われています。1か月後に発表が本格
化する中間決算が重要になります。前回の決算発表時点から自動車の減産幅
は拡大しています。裾野の広い業界ですから部品メーカーだけでなく素材メ
ーカーへの影響も無視できません。

まだ中国恒大集団の過剰債務問題に端を発した今後の影響も気がかりです。
住宅市場を始めとした固定資産投資の行方は日本企業にとっても無視できま
せん。また環境問題からの電力不足、それに来年2月の北京オリンピック成
功のために何としても新型コロナ感染を抑え込まなければなりません。

経済を犠牲にしても中国政府が都市封鎖などを続ける可能性があります。そ
う考えると決算発表のポイントは既に終わった4~9月の結果よりも下期の見
通しが市場の関心を集める可能性がありそうです。

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今度は電力不足

2021-09-29 06:35:09 | 日記
配当権利付き最終売買日となった28日の東京市場は半導体関連も含めた成長
株に値を崩す場面がある一方、自動車セクターや緊急事態宣言の全面解除で
回復期待のある娯楽やアパレルなどの消費関連の上昇が目立ちました。

海運3社が連日で大幅安になるなど下期は物色の流れが変わる気配が出てい
ます。また恒大集団の過剰債務問題で俄かに浮上した中国不動産市況の悪化
観測で先週から売り込まれていたコマツや日立建機、TOTOは値ごろ感もあ
り反発しましたが、ピジョンや資生堂など中国市場の売り上げ比率が高い消
費関連銘柄は続落しました。

中国の個人資産に占める不動産の割合は7割とも8割とも言われています。
不動産市場が冷え込めば富裕層などの消費に影響が出るという見方で消費
関連銘柄が売られているようです。

恒大集団がある日突然経営破綻を追い込まれ中国の金融システムが大混乱
するという見方現時点では少ないようですが、中国政府がこの問題の着地
点をどのように描いているのか見えないことからリスクオフで一時的でも
株式市場が混乱する可能性も否定できません。下期相場の波乱要因の一つ
であることは確かなようです。

中国経済の減速は様々な指標から間違いないようです。半導体不足やサプ
ライチェーン問題の混乱で自動車減産は拡大しています。完成車メーカーは
111円台まで進んだ円安で減産の影響の一部は軽減されそうですが、素材や
部品メーカーは減産の影響をまともに受けます。

市場が懸念しているような業績面での逆風がどの程度なのか、あるいは心
配は杞憂に終わるのか、ここにきて中国では環境対策から石炭火力発電の
出力量を制限しているために製造現場でも減産や操業停止に追い込まれる
向上もあるようです。

電力不足は一時的なのかそれとも長引くのか、日本企業への影響はどの程
度なのか製造業は全体的にこの1か月間で水準訂正をした銘柄が多いだけに
下げ余地もそれだけ大きくなります。半導体に加え自動車部品それに電力
不足などどれだけ企業の抵抗力があるのかこれも下期相場のポイントです。
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逆相関関係

2021-09-28 05:01:59 | 日記
週明け27日の東京市場は方向感の乏しい相場でした。前週比変わらず近辺で
寄り付いた後、急上昇しましたが、その後急落行ってこいの水準まで下げた
と思ったら再び急上昇、結局前場は109円高で終わりました。

後場は寄り付き後に下げに転じ一時マイナス圏まで下げ、その後は先週末の
終値あたりで揉み合いました。結局8円安と小幅下げで終わりました。9月前
半までのような一方的な株高が一旦は一区切りついたようです。

セクター別でも海運3社は揃って10年来高値を更新後に下げに転じ後場からは
一段と下げ幅を拡大しました。一方運ぶセクターでも空運や電鉄は3%を越え
る上昇率を維持して引けました。

4月から9月まで一番上昇率の高かったセクターは海運でした。業績上方修正
期待に加え配当利回りも高くこの半年間で3銘柄とも株価は倍増しました。今
年上半期のスター銘柄でした。しかし今日28日が権利付き最終売買日です。
配当狙いの買いは終わります。

PER面での割安感と上方修正期待は残りまだ相場の賞味期限は残っているかも
しれませんが、市況産業ゆえの業績のブレの大きさを考えると投資指標面の数
字を額面通りに受け取りにくいところはあります。27日の動きを見る限り権利
取り最終日ではなく一日早く目先の天井をつけた可能性もありそうです。

緊急事態宣言はどうやら今月末で解除されるようです。先々を見れば第6波への
不安は残りますが、コロナ禍で打撃を受けた内需銘柄は今月29年ぶりの高値を
付けた日経平均を考えると安値圏にあり出遅れは鮮明です。

この半年間でもっとも人気だったセクターの海運銘柄の下げと特に6月以降8月
まで不人気銘柄の代表のようなセクターの対照的な動きは今後の相場の流れを
暗示しているのでしょうか。

下期相場も上期と同じ流れなのか、それとも全く人気のなかったセクターの逆
襲があるのか。年内の日経平均の上値余地はまだ大きいという見方も根強いよ
うです。しかし物色されるセクターが上期と同じとは限りません。

今年の今までの相場を振り返ると国内でのワクチン接種の本格化や感染者数の
落ち着きを好感するように旅行関連や空運、陸運などコト消費に関係する銘柄
が6月まで人気でしたが、感染者数の再拡大が顕著になった7月以降下落傾向が
はっきり表れ8月まで下げが続きました。

代わってモノ消費に関係する銘柄など製造業セクターなどが再び人気になり9月
の高値更新の立役者になりました。モノを運ぶ海運銘柄もその延長線上の位置づ
けです。感染者数の減少傾向が鮮明になり再びコト消費銘柄の人気が復活し出し
たのは先週からです。

緊急事態宣言の解除が現実味を帯びてきたのが人気復活の背景です。ワクチン効
果もありこのまま感染者数が低水準で推移できればコト消費銘柄の人気は持続し
そうです。感染者数の推移とコト消費関連の逆相関関係は成り立っているようで
す。ワクチンに加え既に実用化されたカクテル療法や飲み薬の開発も最終段階に
入ったという報道もあります。

新型コロナウイルスに対抗する武器は増えてきました。デルタ株のように変異し
て新たな脅威のウイルスになるかもしれませんが、一方的に人類がやられぱなし
の状況は変化しているように見えます。すぐにはコロナ前の生活には戻らないで
しょうが、巣籠り一辺倒からは脱出できそうです。市場の流れもこれまでとは少
し変わるような予感がします。

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まだ終わっていない恒大問題

2021-09-25 14:27:22 | 日記
NYダウは4週間ぶりに上昇して今週の取引を終えました。FOMCを通過して
ひとまず波乱は起きませんでした。デルタ株の拡大もあり米国経済はここへ
きて鈍化傾向です。1ヶ月後には四半期決算がスタートします。企業業績の
見通しが今後の市場の行方を握っているようです。

中国恒大集団の動向からも目が離せません。同社の発行した債券価格からは
デフォルトや破綻を織り込んだ価格です。再建の可能性は限りなく低そうで
す。住宅投資は過去20年中国経済を牽引してきた柱の一つでした。一方この
間、住宅価格の高騰と債務は急膨張しました。

中国の過剰債務問題は以前より指摘されていましたが、抜本的な解決策は示
されず先送りされてきました。共同富裕というスローガンを抱えた習主席が
この問題の着地点をどこに持っていくのかが注目されます。中国恒大集団以
外にも過剰債務を抱えた企業はかなりあります。

中国恒大が秩序なき破綻になれば中国経済への影響は計り知れません。これ
まで大き過ぎて潰せないと言われていた中国恒大集団の処理は待ったないで
す。政府がどの時点かで介入して混乱の広がらないようにこの問題を軟着陸
させるであろうという期待は大きいようです。

もっとも軟着陸に成功して中国の金融システムの混乱が避けられたとしても
不動産セクターへの下押し圧力は避けられないかもしれません。中国建機大
手の三一重工や日本のコマツや日立建機の年明け以降の株価推移をみる限り
市場はある程度の影響を織り込みに行っているようです。

24日に日経平均が600円上昇した中で上記のコマツや日立建機それにTOTOや
ピジョンといった中国関連銘柄の株価の動きからは下落トレンドは終わってい
ないように見えます。中国経済の影響を受ける日本企業は少なくありません。
来月発表になる四半期決算で影響がどの程度出てくるのか注目されます。

8月中旬の2万7000円台から3000円棒上げしたことで少なくとも日本株の出遅
れはかなり修正されました。政権のゲームチェンジを囃す相場で急騰しただけ
に今度は銘柄によっては悪材料を織り込む展開も予想されます。既に表面化し
ている半導体不足による業績への影響のある自動車セクターよりも表面化して
いない悪材料がありそうな銘柄への投資には細心の注意が必要のようです。

次回の更新は28日を予定しています。
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FOMC無事通過で一安心ですが

2021-09-23 09:29:36 | 日記
22日のNYダウはテーパリングの年内開始が示唆されるなどほぼ想定通りの
結果となり、買い安心感が広がり反発しました。ドットチャートから利上げ
開始予想が23年から22年になりましたが、悪材料視されることはありません
でした。

中国恒大集団は23日が期日の人民元建て社債の利払いを実施すると発表した
ことで少なくとも当面の混乱は避けられたことも追い風になったようです。
多分最大の買い材料はこのところの下落で7月中旬の安値に接近したことで
値ごろ感が出てFOMC通過で買戻しが出たことだったのかもしれません。

例年9月は年間でも値下がり傾向が強い月だということです。今年も9月相場
入りからNYダウは下げが目立つようになりました。FOMCを波乱なく通過し
たことで反発が続くかどうかがポイントになります。

中国恒大集団の過剰債務での経営危機はまだ先が見通ません。一部で囁かれ
ているのは、同社の経営が行き詰まっても他の不動産企業への波及や金融シ
ステムへの影響が出なければ本格的に中国政府は動かないという観測です。
習近平国家主席は「共同富裕(ともに豊かになる)」を打ち出しました。

共同富裕は富裕層からの所得再分配を強化し、貧困層を引き上げるとともに
中間層を分厚くする構想です。大手不動産企業は住宅価格の高騰を招き結果
として住宅は一般の国民の手の届かない価格になりました。住宅高騰で富裕
層だけが利益を得ている現状では過剰債務を抱えた不動産企業を簡単には救
済できません。

金融システムの混乱を防ぎつつ、最終的には中国恒大集団は解体処分される
というのがメインシナリオのようです。中国の金融システムが混乱せず、一
民間企業の破綻で済めば米国経済への影響は限定的です。

一方住宅建設など固定資産への投資が景気の柱である中国経済への影響は軽
微で終わるのか予断は許しません。中国建機最大手の三一重工の株価は2月の
高値から足元では半分まで値下がりしました。中国恒大集団の値動きとほぼ
一致しています。中国国内での固定資産投資への変調は既に半年前から始ま
っていたことになります。

中国が世界需要の半分を占めている鉄鋼や非鉄金属など素材価格の先行きにも
注意が必要です。自動車や電機など製造業の4~6月期の業績は絶好調でした。
7~9月期あるいは下期の業績シナリオの書き換えの必要はないのか。1ヶ月後
には決算発表が始まります。

8月の年初来安値水準から1ヶ月で高値水準まで駆け上がった日経平均ですが
個別銘柄でも好業績期待で高値圏で推移している銘柄もあります。業績好調
との印象が強かった銘柄には僅かな曇りも急落の要因となり得ます。押し目
買いを考えるなら値ごろ感よりも業績のチェックが欠かせません。

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