kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

EVにも迫る新たな課題

2021-10-22 07:29:05 | 日記
近年の異常気象を考えれば地球温暖化対策は待ったなしです。CO2排出しな
い風力や太陽光発電などの再生可能エネルギーの重要性は今後も変わらない
でしょう。昨年は脱炭素銘柄が注目を浴び株価上昇も目立ちました。一方原
油や石炭産業はダイベストメントの高まりから株式市場では敬遠され株価が
低迷しました。

しかし今年は昨年と全く違った動きを見せています。再生可能エネルギー銘
柄は昨年のような熱狂は冷めたようです。代わって天然ガスや原油、石炭価
格の高騰もあり化石燃料銘柄の人気は復活しました。中長期的には脱炭素社
会への移行は避けられないでしょうが、当面は化石燃料に依存する経済構造
は続きそうです。

ダイベストメントの流れが強まり過ぎると資源開発が停滞します。再生可能
エネルギーと化石燃料とのバランスを取ることが重要になります。脱原発、脱
化石燃料への移行を急ぎ過ぎると経済活動に大きな悪影響を与える場面も出
てきます。

同じことはEVにも当てはまるでしょう。中国のように石炭火力発電の割合が
7割を超えるような新興国で余りにも性急にEVを推進するとEVはCO²を出さ
ないけれど動力源である電気は石炭火力で発電した電力を使用することにな
り脱炭素社会に逆行することにもなります。中国の政策は何かと一方方向に
大きくぶれる傾向があります。

データを握るIT企業への締め付けを強めたり、教育産業への突然の規制また
今回の中国恒大集団の債務問題も元は中国政府が不動産業界への融資を厳しく
したことです。ある日突然、大きな方針転換が起きるのが中国社会です。
一党独裁政治だからできる荒業なのでしょう。

EVが余りにも急激に増加すればそれなりに弊害も出てきます。EV先進国の
北欧のように再生可能エネルギーの割合が高く人口も少ない地域ではEV大国
が現実解でしょうが、人口も多く電力を化石燃料に依存しているアジアの新
興国で同じ答えでいいのでしょうか。

EVはテスラの急成長で一躍自動車業界の新潮流になりました。新興EVメーカ
ーが次々に生まれ市場も高い評価を与えました。新興メーカーのビジネスモデ
ルは水平分業が主流です。スマホのように設計、開発と製造で分業制が定着す
るのでしょうか。

今回の決算を見る限りテスラの躍進は続いています。しかしEV新興企業から
第2、第3のテスラが続々と誕生するかは分かりません。異業種や既存のメー
カーも巻き込んだ熾烈な競争が今後EV市場で繰り広げられるでしょう。既に
市場はブルーオーシャンからレッドオーシャンへの道を踏み出しています。

既存のメーカーも今後数年で多くの車種をEV市場に投入しようとしています。
その段階で消費者にとって魅力のない車は販売不振に陥るでしょう。売れ筋の
EVを投入でき巨額の開発費が回収できるメーカーが最後は勝ち組として残り
そうです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする