日々の覚書

MFCオーナーのブログ

コンビニ人間

2016年09月18日 11時59分13秒 | 本と雑誌


読書の秋である。

近年、読書量が減ったなぁ、と痛感しているが、それでも定期購読してる雑誌とかはあるので、なんだかんだ言っても、月に2~3回は本屋に行くのである(それでも少ないけどね)。

どうでもいい話だが、我が茅ヶ崎市では、昔からK書店とH書店の2社がしのぎを削っており、駅ビル、駅前その他の主要商店街、団地の近所、といった需要が見込める場所の大半は、この2社のうち、どちらかが出店している、という状況で、全国展開してる大手書店チェーン(F書店とかJ堂とかB書店とか)とかもなかなか出店出来ない、或いは出店出来ても郊外へ追いやられ、今は撤退してしまった、という状態であり、茅ヶ崎市内でK書店とH書店以外の本屋と言ったら、TSUTAYAとヤマダ電機とB書店が一軒あったかな、という程度だ。ま、ここ数年、書籍等の紙媒体が売れない、ということもあり、大手チェーンはかなり店舗を縮小せざるを得ない状況で、茅ヶ崎市から撤退したのは、そういう理由もあるのだろうけど、しかし、前述したK書店とH書店の2社は、多少店舗を減らしたりはしてるだろうけど、駅周辺の店は相変わらず盛況だったりする。茅ヶ崎市という狭いエリアとはいえ、何故この2社は、何十年にも渡って、しのぎを削りながら、しかも大手資本の参入を許さずに続けてくる事が出来たのか、非常に謎である。この2社が市政牛耳っているとか、聞いたことないし。ま、どうでもいい話だが(爆)

話がややそれたが(笑)、先日定期購読している雑誌を買いに行った。よくある、月2回、何日と何日に発売ですよ、というアレだ(笑) で、発売日の夜、書店に行って、何気にその雑誌を買ってきたのだが、帰ってきてよくよく見たら、前号を間違えて買ってしまった事に気づいた。表紙が毎号似てるので、区別がつかなかったのだ。普段だと、表紙に書いてある発行日を確認してから買うのだが、この時に限って確認してなかった。だから、一方的に僕の落ち度なのだが、それにしても、一応発売日だよ。発売日前日ならともかく、新しい号が出る日なのに、半月前に発売された前号を並べておくだろうか。しかも、夜である。新号は前日か遅くとも昼間のうちに入荷されてるはずだ。前号と新号の入れ替えがされて然るべきだろう。確認しなかった僕が一番悪いのだが、これは店側の怠慢ではなかろうか。ちなみに、この本屋は前述のK書店でもH書店でもありません(笑)

話がさらにそれたが(笑)、近年読書量が減った、と書いたが、これは環境の変化もあるが、一番の要因は老眼である。普通、老眼というと、近くのものが見づらくなって、目を離さないと見えない、という症状の人が多いと思うが、僕の場合近眼なので、眼鏡をかけた状態だと、近くのものが見づらい。が、目を遠ざけても効果がなく、結局眼鏡をはずして目を近づけないと見えないのだ。同感して頂ける方もいると思うが、これ、結構鬱陶しい。いちいち眼鏡をはずさないといげないのだが、外にいる場合は、はずした眼鏡を片手に持ったままで、本なりスマホなりを、目を近づけて見る事になる。両手がふさがってしまうので、手に持っていた荷物は下に降ろすなりしないといけない。当然、歩きながらは読めない。電車の中だと多少はマシだが、それでも吊り輪につかまりながら、眼鏡をはずして本なりスマホなり見るのは、やはり面倒。しかも、外に出てると、眼鏡をはずしたりかけたりの繰り返しになる。これまた面倒。つーか、何度も繰り返してると視界がおかしくなる(笑) そういう面倒があったりして、昔のように、通勤電車の中とかで読書する、という習慣が消えていったのである。まったく、年はとりたくないもんだ(爆)

という訳で、ようやく本題(本のネタだけに本題、なんちて。爆)。

読書量が減ったとはいえ、外ではなく、家でゆっくりと読書をする事は、もちろんある。読む本の量は間違いなく減ってるけどね。そんな中、最近、実に面白いと思った一冊がこれ。

コンビニ人間/村田沙耶香

ご存知、第155回芥川賞受賞作である。タイトル通り、コンビニが舞台となっていて、著者もずっとコンビニでアルバイトしてるそうな。

芥川賞だし、著者もコンビニで働いている、というのもあって、読む前は、コンビニ店員が店に来る客を観察する、或いはコンビニに集まる者たちの人間模様を鋭い感性で描く、みたいな内容と思っていたが、実際には違った。ネタバレになると申し訳ないのだが、主人公の女性は、言葉は悪いが社会不適合者として描かれている。本人も、周りからそう思われているのは承知してるが、自分のどこが普通でないのか、よく分かっていない。そういう女性が、ふとしたきっかけでコンビニ店員となり、そこに自分の居場所を見つける。ま、陳腐な言い方で情けないが(笑)、コンビニで働いていれば、自分は輝く事が出来る、と気づくのだ。そして、彼女は他の仕事はせず、ひたすらコンビニで働き続けて18年、周囲は相変わらず、彼女を変人扱いするが、本人は気にする様子はない。そんな中、彼女の働くコンビニに、彼女と同様社会不適合の男が面接を受けにやってくる...

本の帯にも書いてあるが、人間って何が普通なの? 普通って何? というのが、この『コンビニ人間』の主なテーマと思う。就職もせず(この場合の就職とは、正社員ではない、と言う意味)、恋愛も結婚もせず、ただひたすらコンビニで働く女性は、どうも普通ではないらしい。就職せずにバイト生活してる、という人は大勢いると思うが、バイトがいけないのではなくて、コンビニで働いている、というのが良くないみたいだ。よく分からん。個人的には、コンビニの仕事って、実に大変と思うので、そこで通用するのなら、他の仕事も十分こなせるのでは、と思うけど、とにかくコンビニ人間はダメらしい。ほんと、こうなってくると、普通って何?と読みながら叫びたくなってしまった(笑)

とまぁ、そんな感じで、色々考えさせられつつも、主人公の干物女ぶり(失礼!)が痛快でもあり、登場人物のキャラ設定もいいし、芥川賞=難解というイメージは全くない。とても読みやすく、僕も2時間程で読破してしまった。あれこれ流されそうになった主人公が、結局コンビニに戻っていくラストもよろしい。読後感も良く、ほんと老若男女に広くお薦めしたい。

読書の秋ですね(笑)
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11 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
面白い (メコ)
2016-09-18 22:08:52
校長先生、相変わらず文才ありますね。面白いブログだったよ。コンビニ人間、読んでみたくなりました(-_^)
恐縮です^^; (MFCオーナー)
2016-09-19 01:36:27
♪メコちゃん

>相変わらず文才ありますね
いやいや、とんでもないです。アップしてからも、何回か手直しをしてまして...まだまだ修行が足りません^^;

>コンビニ人間、読んでみたくなりました
いやほんと、面白いので、是非読んでみて下さい。図書館でもいいですけど(笑)
Unknown (忍者)
2016-09-19 02:10:11
近所の本屋さんは、うちの親が、この前買った週刊誌が、同じのを買ったみたいと話したら、返金してくれました。本も持って行ったかな??昔からの付き合いなので、融通も利きます。

しかし、発売日に前のを置いてたなら、交換してくれるでしょ。いや、させます!
コンビニ人間 (さとっち)
2016-09-19 06:24:49
面白そうですね♪人はそれぞれ自分なりの美学というか•••哲学を持って生きているものですよね•••お薦めの本、読んでみたいと思います。
人それぞれ (MFCオーナー)
2016-09-19 10:10:31
♪忍者さん

>昔からの付き合いなので、融通も利きます
そういう店だといいんですけどね。結局、こちらに非があると思ったので、返品もしてないです。

>いや、させます!
小心者なんで...見習いたいです(笑)

♪さとっちさん

>人はそれぞれ自分なりの美学というか•••哲学を持って生きているものですよね
そうですよね、他人から見ると理解出来ない事もあるかもしれませんが、本人にとっては重要な事なんだと思います。自分の価値観で否定するのは良くないですよね。
>お薦めの本、読んでみたいと思います。
是非読んでみて下さい。図書館でもいいです(笑)
Unknown (Kuma)
2016-09-19 11:57:50
僕も老眼です。
元々視力は良かったので、年取ったら老眼になるよ、とは言われてたし、覚悟もしてましたが、
42歳から徐々に来ましたね。
どんどん進んで、目の前の小さい文章はぼやけて読めなくなり、
読書は結構好きだったのですが、本当に億劫になりました。
そうそう、おっしゃられるように、眼鏡がうっとうしいんです。
遠近両用も、何度か作りましたが、遠くはいいんだけど、近くの文字があんまりで、100均の老眼鏡を愛用してます。
もちろん、PCを使う仕事では欠かせません。

読書や仕事だけで無く、ギターも結構フレットがよく見えなかったりしますが、
これは感覚でイケる部分があり、なるべく老眼掛けないで、なんとか演奏してます。

眼鏡必要なかった時代の自分が羨ましいです(笑)。
年はとりたくないですね (MFCオーナー)
2016-09-19 23:13:06
♪Kumaさん

>42歳から徐々に来ましたね
そうですか、僕は45歳くらいから、見にくくなったなぁと感じはじめましたが、もっと前から兆候はあったかもしれません。年はとりたくないですね(笑)

>おっしゃられるように、眼鏡がうっとうしいんです
僕の場合、近眼なんで、元々眼鏡かけてますから、Kumaさんのおっしゃる鬱陶しさとは多少違いますが、でも鬱陶しいです。一応、数年前に遠近両用の眼鏡にしましたが、これ調整が物凄くシビアで、ちょっとでもフレームが曲がると、遠近が使い物にならなくなります。聞いた話だと、遠近両用より中近両用の方がいいみたいですね。

>ギターも結構フレットがよく見えなかったりしますが
ギターとかピアノとか、ローガンになるとやりにくそうだな、と思います。シンセとか、スイッチ切り替えたりしますから、見えないと大変でしょうね。ドラムは、その点まだマシです(笑)

>眼鏡必要なかった時代の自分が羨ましいです
御意(笑)
読了! (マット)
2016-09-28 22:28:07
MFCオーナーさんのブログ読んで、興味持って購入。本日、新潟への日帰り出張の行きの新幹線で読了しました。
確かに芥川賞の本って、読みにくくて好きではなかったけど、この作品はあっという間に読み終えました。350円節約して文芸春秋九月号だったせいもあり、まだ50ページぐらい残っていたので、「え、もう終わりなの?」という感じでした。
主人公の女性の外見はそういう設定だったですが、見目麗しいヒトだったら、彼女の人生どうだったんでしょうね?
感激です! (MFCオーナー)
2016-09-29 00:06:05
♪マットさん

>ブログ読んで、興味持って購入。
いやはや、ありがとうございます! 当ブログで興味を持って頂いたとは...本当に光栄です。これからも精進します^^;

>新潟への日帰り出張の行きの新幹線で読了しました
東京から新潟までなら、ほぼ2時間、この本を読破するには十分な時間です。僕も、それくらいで読み終えました。ただ、あまりに早く読み終えてしまうと、勿体ないなんて思ったりして(笑)

>350円節約して文芸春秋九月号だったせいもあり
あれ、文藝春秋って950円では?

>見目麗しいヒトだったら、彼女の人生どうだったんでしょうね?
周囲に左右されるタイプではないようなので、基本的には変化ないのかも。孤独を感じてる風でもないですし、言い寄ってくる男は多くても、恋愛に興味ない体質なら、関係ないでしょうしね。ただ、決して彼女は不幸ではない、と思うのですが。
内税・外税の錯誤 (マット)
2016-09-29 21:22:03
MFCオーナーさん

>あれ、文藝春秋って950円では?

あ、価格1300円-950円=350円と思っていましたが誤りでした。

外税だと1300円-880円=420円のコストダウン、
内税だと1404円-950円=454円のコストダウンでした。
実際に支払った額では454円安かったのですね。指摘いただいたおかげで何だか更に得した気分。

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