日々の覚書

MFCオーナーのブログ

MFC presents 500 Favorite Albums of All Time 160-141

2023年09月30日 11時52分36秒 | 私的歴代最高のアルバム500選

MFCオーナーの私的歴代最高のアルバム500選
160位→141位

☆160位☆

Tell No Tales/TNT (1987)
テル・ノー・テイルズ/TNT
本作で、TNTはポップなハード・ロックに路線変更した。元々、曲作りには長けたバンドであったので、その路線変更は成功し、キャッチーな曲で溢れた傑作となったが、残念ながらワールドワイドな成功を収める事は出来なかった。「As Far As The Eye Can See」「Desperate Night」「Child's Play」「Northern Lights」等々名曲は多いのだが。

☆159位☆

Richard Marx/Richard Marx (1987)
リチャード・マークス/リチャード・マークス
大ヒットとなったデビュー・フルバムで、リチャード・マークスは産業ロックとAORを微妙にブレンドし、タイトでメロディアスなロックを志向した。ジョー・ウォルシュ参加の「ドント・ミーン・ナッシング」も、サザン・ロックの要素を取り込んではいるが、都会的スタイルのロックになっている。そういった、絶妙のさじ加減で完成した決して軟弱ではなく泥臭くもないロックは、実にカッコいい。

☆158位☆

Into The Fire/Bryan Adama (1987)
イントゥー・ザ・ファイア/ブライアン・アダムス
このアルバムで、ブライアン・アダムスは新たな方向性を模索した。それまでの“青春ロック”路線から離れ、表現の深みを増した曲が並ぶ。冒頭の3曲「In The Heat Of The Night」「Into The Fire」「Victim Of Love」は特に素晴らしい。確かに、それまでより地味だが、その後のオトナのロッカーとしての矜持も見えて、ブライアン・アダムスにとって、正に分岐点となった重要作。

☆157位☆

The Cars Greatest Hits/The Cars (1986)
カーズ・グレイテスト・ヒッツ/カーズ
異論はあろうが、カーズはヒット曲集を聴いている方が楽しい。キャッチーで取っ付きやすく、少し捻れたポップ感覚は、本当にくせになる。80年代には、斬新なアイデアで度肝を抜いたPVと連動してヒットを放ったが、それ以前の曲も捨てがたい。「燃える欲望」「レッツ・ゴー」「シェイク・イット・アップ」等々。ほぼ全曲で聴けるエリオット・イーストンのギターソロも聴き物。

☆156位☆

Dancing Undercover/Ratt (1986)
ダンシング・アンダーカバー/ラット
それまでのアルバムと違って、目立つ曲はないが、その分、各曲のクォリティの差はなくなり、アルバム全体の完成度は上がっている。独特のノリとボーカルを前面に出したラット節に一段と磨きがかかり、風格さえ感じられる仕上がりだ。似たようなタイプの曲が続くものの、逆に統一感を高めているのもいい。個人的にはラットの最高傑作と思っているが、前2作ほど売れなかった。

☆155位☆

Fore!/Huey Lewis & The News (1986)
FORE!/ヒューイ・ルイス&ザ・ニュース
前作同様大ヒットとなったが、こちらの方が、ストレートにアメリカン・ロックを感じさせる。「すべてを君に」「アイ・ネバー・ウォーク・アローン」「愛しき人々」といった、大らかでルーツ・ロック的な雰囲気漂う曲が続いて、ラストの「シンプル・アズ・ザット」でドラマティックに幕を閉じる。お馴染みの大ヒット「パワー・オブ・ラブ」の追加収録が余計と思えるくらい、充実したアルバムである。

☆154位☆

Mr. Bad Guy/Freddie Mercury (1985)
Mr.バッド・ガイ/フレディ・マーキュリー
フレディの初ソロは、ソングライターとてしの優れた素質を世間により知らしめる内容となった。クイーン的でありながら、決してクイーンではない世界。「メイド・イン・ヘブン」「明日なき愛」といったバラード調にもダンサブルな「レッツ・ターン・イット・オン」にもポップな名曲「ボーン・トゥーラブ・ユー」や「リビング・オン・マイ・オウン」にも、フレディの才能が息づいている。

☆153位☆

Islands/Kajagoogoo (1984)
アイランズ/カジャグーグー
リマール脱退(解雇)後、カジャグーグーはレヘル42にも通じるジャズ・ファンク的な音楽性を打ち出した。それはファンキーな「ビッグ・アップル」や、シャカタクみたいに聞こえる「オン・ア・プレイン」、プログレッシブなインスト「ザ・ループ」などに顕著である。デビュー時からのアイドル的イメージを払拭出来ずに苦労したようだが、内容は素晴らしい。

☆152位☆

Arena/Duran Duran (1984)
アリーナ/デュラン・デュラン
デュラン・デュラン初のライブ盤である。ライブでの演奏力の低さを指摘されていたが、決してそんなことはない、というのは本作を聴けばすぐ分かる。特に、ジョン・テイラーとアンディ・テイラーの貢献度は高い。ノリの良いヒット曲も良いが、「ニュー・レリジョン」「7番目の男」といった曲での演奏に、らしからぬ円熟味を感じる。サイモン・ル・ボンも素晴らしい。

☆151位☆

Uh-Huh/John Cougar Mellemcamp (1983)
天使か悪魔か/ジョン・クーガー・メレンキャンプ
ひとりストーンズ的な雰囲気がたまらない。本家よりも下世話でヤンキーな雰囲気が漂っているのもいい。こういうチープな感じのロックンロールが、この人の真骨頂と思う。「Play Guitar」「Serious Business」「Warmer Place To Sleep」等々実に素晴らしいナンバーが並ぶ。あまりシリアスなのは似合わない。色々な意味でアメリカらしいアルバムでありミュージシャンである。

☆150位☆

Let's Dance/David Bowie (1983)
レッツ・ダンス/デビッド・ボウイ
突如、ナイル・ロジャースと組んでポップでダンサブルなアルバムを作り、大ヒットさせてしまったボウイに対しては賛否両論だったが、その類い希な作曲能力をバックに変容を繰り返してきたキャリアを振り返ってみれば、『レッツ・ダンス』は不思議でも何でもない。タイトル曲はもちろん、「チャイナ・ガール」や「モダン・ラブ」にもボウイの才能を感じる。

☆149位☆

Stevie Wonder's Original Musiquarium Ⅰ/Stevie Wonder (1982)
ミュージックエイリアム/スティービー・ワンダー
異論はあろうが、スティービー・ワンダーは70年代が黄金期だったと思う。この頃の作品はどれも素晴らしい。神がかっている。その70年代のヒット曲を集めた本作が悪かろうはずがない。ファンキーな「迷信」「回想」「悪夢」、アダルト・オリエンテッドな「スーパーウーマン」「愛を贈れば」、そして哀愁漂う新曲の「ザット・ガール」、どの曲も超名曲。恐るべき才能である。

☆148位☆

Captured/Journey (1980)
ライブ・エナジー/ジャーニー
ジャーニーがまだローカルなアメリカン・バンドだった頃の最後の姿を捉えたライブ盤。テンション高い演奏、あくまでもスティーブ・ペリーを中心とした絶妙なアンサンブル、全編に感じられるいなたくも和気藹々とした雰囲気...ジャーニーがアメリカのトップ・バンドに上り詰める為に捨ててきてしまったものが全て、このライブ盤には詰まっている。

☆147位☆

Fleetwood Mac Live/Fleetwood Mac (1980)
ライブ/フリートウッド・マック
1979年から1980年にかけてのワールド・ツアーからの音源で構成されたライブ盤。音質といい演奏のグレードといい、とにかく素晴らしい。特にスティービー・ニックス主導のトラックが雰囲気も迫力も群を抜いている。「セーラ」は名演。天性のシャーマンか。ヒット曲中心の選曲も良く、リズム隊が無骨にロックしてる演奏も楽しめる。

☆146位☆

A Day At The Races/Queen (1976)
華麗なるレース/クイーン
本作のクイーンが、世間がイメージするクイーンに最も近いのではなかろうか。そのせいか、ファン以外にはウケがいいアルバムと思う。人気曲「愛にすべてを」最後までライブの定番だった「タイ・ユア・マザー・ダウン」日本語の歌詞が挿入された「手をとりあって」といった名曲だけでなく、他の曲も佳曲揃い。ただ、ややマンネリ気味ではある。

☆145位☆

Guilty/Barbra Streisand (1980)
ギルティ/バーブラ・ストライザンド
バーブラとバリー・ギブ、共に当時絶頂期を迎えていた2人が組んだ事で生まれた名盤。全曲ギブ兄弟による書き下ろしで、バーブラにとっては正に新境地であったろうと思われるが、その実力と感性で見事にクリアしている。さすがである。曲も粒よりで、タイトル曲は特に名曲。バラード系もディスコ調も歌いこなすバーブラがとにかく素晴らしい。

☆144位☆

Hot Streets/Chicago (1978)
ホット・ストリート/シカゴ
テリー・キャスの不慮の事故死は、予想以上に大きな傷をシカゴに与えた。それは、今までと違うアルバム・タイトルやジャケットにも窺えるが、本作自体は起死回生の傑作と言っていい。諸々の問題を乗り越えて前進していこうという姿勢が素晴らしい。「アライブ・アゲイン」はじめ、曲にも演奏にも、前向きな気持ちが感じられる。

☆143位☆

Songs From The Wood/Jethro Tull (1977)
神秘の森~ピブロック組曲/ジェスロ・タル
いわゆる”トラッド3部作"の一作目であり、ジェスロ・タルの最高傑作のひとつであろう。トラッド風味にプログレッシブな展開、複雑でありながらポップな構成、スリリングな演奏、どれを取っても最高傑作と呼ぶにふさわしい。ポップなメロディの「カップ一杯の不思議」、プログレ・ハードな「女狩人」、叙情的な「森の笛吹き」等、収録曲も名曲揃い。

☆142位☆

Wired/Jeff Beck (1976)
ワイヤード/ジェフ・ベック
フュージョンではなく、あくまでもロックのフォーマットで、ベックと参加ミュージシャン達との火花散るアンサンブルが展開される。曲や構成の分かりやすさも含めたロック・インストの最高峰。「レッド・ブーツ」「カム・ダンシング」「蒼き風」など、スタンダード化した名曲も多い。ベックはやはり自分と対峙する存在がいた時の方が、その真価を発揮する。

☆141位☆

The Godfather Part Ⅱ/Original Soundtrack (1974)
ゴッドファーザー・パートⅡ/オリジナル・サウンドトラック盤
ご存知フランシス・フォード・コッポラ監督の名作シリーズの2作目。1作目と続編の両方でアカデミー賞作品賞を受賞した唯一の作品である。ニーノ・ロータも本作でついにオスカーを獲得した。有名な一作目のテーマに負けず劣らずの哀愁を帯びたメイン・テーマが、とにかく素晴らしい。暗黒街でしか生きられない者たちの悲哀を表現したメロディは涙なくしては聴けない。

次回は140位→121位です^^

コメント (2)
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MFC presents 500 Favorite Albums of All Time 180-161

2023年09月10日 11時03分49秒 | 私的歴代最高のアルバム500選

MFCオーナーの私的歴代最高のアルバム500選
180位→161位

☆180位☆

Tal Bachman/Tal Bachman (1999)
タル・バックマン/タル・バックマン
知る人ぞ知る存在なのが悲しいが、あのランディ・バックマンの息子だそうな。父親譲りなのか、なかなか良い曲を書くし、ボーカルも魅力的、芯の通ったロック・サウンドも素晴らしい。この当時アメリカに行ってて、ラジオで何度も「シーズ・ソー・ハイ」がかかっていたのを思い出す。「君が眠りにつく時」も名曲である。

☆179位☆

The Globe Sessions/Sheryl Crow (1998)
グローブ・セッションズ/シェリル・クロウ
シェリル・クロウの3作目は、スタジオでの実験的アプローチも見られる意欲作となった。「マイ・フェイバリット・ミステイク」「ネイバーウッド」といったキャッチーなロック・ナンバーのヒット曲はもろちんだが、「クラッシュ・アンド・バーン」「アム・アイ・ゲッティング・スルー」といったブログレッシブな曲もある。ディラン作の「リバーワイド」も良い。

☆178位☆

Live On Two Legs/Pearl Jam (1998)
ライブ・オン・トゥー・レッグス/パール・ジャム
初のライブ盤と言っていいのか。パール・ジャムの勢いというか熱さが感じられる好盤である。バッキングに徹するマイク・マクレディとソロを弾きまくるストーン・ゴッサード、2人のギタリストの役割分担がはっきりしているのが分かりやすい。このバンドの顔は何と言ってもエディ・ベダーだが、バンドに任せる所は任せる、みたいな分業と連帯感が却って新しい。

☆177位☆

Ladies & Gentplemen The Best Of George Michael/George Michael (1998)
レディーズ&ジェントルメン・・・ザ・ベスト・オブ・ジョージ・マイケル/ジョージ・マイケル
ワム!時代の曲も含む、この時点でのオールタイム・ベスト。アレサ・フランクリンとの「愛のおとずれ」が収録されているのがポイント高い。2枚組で、1枚はバラード集、1枚はアップテンポの曲中心、という構成もよろしい。聴き応えがあるのはアップテンポ中心のDisc2で、大ヒットは少ないが、スティービー・ワンダーやクイーンのカバーもあり、文句なしに楽しめる。

☆176位☆

Another World/Brian May (1998)
アナザー・ワールド/ブライアン・メイ
ブライアンのソロ第2弾は、よりハード・ロック色を強めた内容となった。重厚な音作りが素晴らしいが、そこに貢献したコージー・パウエルの遺作となってしまったのは残念。「ビジネス」「チャイナ・ベル」「サイボーグ」といったハードでメタリックな曲が続いた後、ジミヘンやモットのカバーが並び、最後の穏やかなタイトル曲に至る構成が、とにかく絶妙である。

☆175位☆

Bridges To Babylon/Rolling Stones (1997)
ブリッジス・トゥー・バビロン/ローリング・ストーンズ
本作で、ストーンズが起用した旬のプロデューサーはドン・ウォズにダスト・ブラザーズ。タッグを組んだ「エニバディ・シーン・マイ・ベイビー」は、ヒップホップ風味も感じられるミステリアスな名曲。同じ顔ぶれの「セイント・オブ・ミー」も素晴らしい。ほぼ全曲に関わったドン・ウォズによる、古くも新しいストーンズが聴ける、いかにも90年代らしい傑作。

☆174位☆

Now/Paul Rodgers (1997)
NOW/ポール・ロジャース
3年以上に及んだブルース・プロジェクトを終えたポール・ロジャースが放った、快心のロック・アルバム。ブルースとは違う、産業ロック的手触りもあるストレートで聴きやすいサウンドである。ポール・ロジャースのボーカルも絶好調で、実に素晴らしい歌いっぷりだ。この人が歌うことで、どの曲にも新しい魂が宿る。とにかく聞き惚れてしまう。素晴らしいとしか言いようがない。

☆173位☆

Nine Lives/Aerosmith (1997)
ナイン・ライブス/エアロスミス
冒頭の4曲「Nine Lives」「Falling In Love」「Hole In My Soul」「Taste Of India」はとにかく完璧。文句なし。他の曲もおしなべて出来が良く、あまりの高水準に、分割してリリースしても良かったのではと思えてしまうくらい、高カロリーな完成度。外部ソングライターの功績であろうが、一種洗練されたハード・ロックになっているのが凄い。エアロ90年代の第2の全盛期にふさわしい名盤。

☆172位☆

Encomium : A Tribure To Led Zeppelin/Various Artists (1995)
レッド・ツェッペリン・トリビュート
主にアメリカのオルタナ系ミュージシャン達によるレッド・ツェッペリンのトリビュート・アルバムで、案外シブい選曲と合わせてなかなかの傑作である。持ち味を生かしたカバー振りが素晴らしい。フーティー&ザ・ブロウフィッシュによる「Hey Hey What Can I Do」なんて知ってる方が珍しいのでは。タイトルは“賛辞”という意味。良いセンスである。

☆171位☆

Tails/Lisa Loeb & Nine Stories (1995)
テイルズ/リサ・ローブ&ナイン・ストーリーズ
映画『リアリティ・バイツ』に採用された「ステイ」の大ヒットで、一躍注目されたリサ・ローブの1st。アコースティックな癒やし系サウンドとインテリジェンス高そうな雰囲気の歌詞が融合して、どことなく文学的香りのする音楽を生み出している。グランジ風ギターが炸裂する曲もある。アルバム・タイトルは“物語”ではなく“しっぽ”。このセンスも良い。

☆170位☆

Strictry Commercial The Best Of Frank Zappa (1995)
ベスト・オブ・フランク・ザッパ/フランク・ザッパ
1993年に亡くなったフランク・ザッパの、比較的ポップな曲を集めたベスト盤。ポップとはいえ、ザッパなので一筋縄ではいかない。60年代から80年代まで、幅広く選曲されており、サイケ、ジャズ・ロック、ドゥワップ、ブルース、R&B、ラップ、ディスコなど、様々な音楽の要素に溢れていて、聞いてる分には実に楽しい。広大なザッパ・ワールドの小さな入門編としては最適。

☆169位☆

Bedtime Strories/Madonna (1994)
ベッドタイム・ストーリーズ/マドンナ
ダラス・オースティン、ベイビーフェイス、ネリー・フーパーなど、当時の売れっ子プロデューサーたちを贅沢に使ったゴージャスなアルバム。通算11曲目の全米No.1となった「テイク・ア・バウ」をはじめ、曲もサウンド・プロダクションもオシャレでゴージャスな仕上がりで、都会的かつオトナの音楽といった趣。デビュー時からの路線は、本作で一旦打ち止めとなる。

☆168位☆

Muddy Water Blues A Tribute To Muddy Waters/Paul Rodgers (1993)
マディ・ウォーター・ブルース/ポール・ロジャース
ブルースの象徴的存在てあり、今日のロックの祖とも言えるマディ・ウォータースの代表曲を、ポール・ロジャースは曲ごとにゲスト・ギタリストを招いて改めてカバーした。現代的解釈で甦るブルースの名曲たち、ジェフ・ベック、スティーブ・ミラー、ブライアン・セッツァーなどの豪華なギリタスト陣、そして何よりポール・ロジャース入魂のボーカルが聴く者の胸を熱くする。

☆167位☆

Walk The Dog & Light The Light/Laura Nyro (1993)
抱擁~犬の散歩はお願いね、そして明かりはつけておいて/ローラ・ニーロ
時にエキセントリックですらあった、才気走っていた若い頃と違い、母となったローラは、優しく包み込むようなアルバムを作った。女性の権利や地位をテーマにした曲もあるが、ソフィスティケイトされたサウンドと穏やかなボーカルで、ゆったりと聴かせる。こういうのを癒やし系と言うのだ。バーナード・パーディーらによる演奏も素晴らしく、ローラの生涯を通じても1、2を争う名盤である。

☆166位☆

Blue Rock/The Cross (1991)
ブルー・ロック/ザ・クロス
クイーンのロジャーによる別バンドの最終作。ほとんどロジャーのソロだった1st、ロジャー以外のメンバーがメインで仕上げた2nd、と比較すると、段違いの傑作である。曲のクォリティが向上し、バラエティに富んだアルバムとなった。全編に漂うブリティッシュ・バンドらしい雰囲気もいい。確実にメンバーたちの力量は上がり、単なるロジャー頼みではないパンドに成長した。

☆165位☆

Thanyou And Goodnight/It Bites (1991)
サンキュー・アンド・グッドナイト~ライブ/イット・バイツ
イット・バイツの演奏力の高さは評判だったが、この時点での初ライブ盤で、その素晴らしさは十分に堪能出来る。高度なテクニックを駆使しつつも、遊び心とユーモアの感じられるパフォーマンスは、正にブリティッシュ・ブログレの鑑。「KIss Like Judas」「Calling All The Heroes」「Still To Young To Remember」あたりでは、ソングライターとしての高い能力を発揮している。

☆164位☆

Tales From The Brothers Gibb History In Song 1967-1990/Bee Gees (1990)
ビー・ジーズ・ゴールデン・ヒストリー/ビー・ジーズ
タイトル通り、ビー・ジーズのシングルをリリース順に収録したCD4枚組。ビー・ジーズの場合、シングルはアルバムとは切り離して聴きたいもの。初期の“田園フォーク”路線を収録したDisc1と2も良いが、70年代後半の怒濤のヒット曲集であるDisc3が白眉である。ディスコの一言では片付けられない独特の作風を感じて欲しい。ビー・ジーズはやっばり凄い。

☆163位☆

Dr. Feelgood/Motley Crue (1989)
Dr.フィールグッド/モトリー・クルー
モトリーは本作しか聴いていないが、間違いなく名盤である。冒頭のタイトル曲のカッコ良さには言葉もない。名曲だ。他の収録曲も粒揃いで、バラード系の曲もあって全体のバランスもいい。以前感じられた音の薄さもなく、堂々たるハード・ロック・アルバムと言える。メタルというより、少しオトナになったバッド・ボーイのロックンロール。

☆162位☆

Greatest Hits/KC & The Sunshine Band (1989)
(日本未発売)
分かりやすいメロディと曲構成が身上のKC&ザ・サンシャイン・バンドだけに、しかもディスコでもあるし、一過性のポップスとして消費されてしまう運命だったのだろうが、意外と今聴いても新鮮で楽しく聴ける。自然と身体が動き、一緒に口ずさんでしまうのだ。「ザッツ・ザ・ウェイ」「シェイク・ユア・ブーティ」「愛はノンストップ」といったヒット曲が放つ輝きは永遠である。

☆161位☆

Bad English/Bad English (1989)
バッド・イングリッシュ/バッド・イングリッシュ
元ベイビーズと元ジャーニーのメンバーによる、いわゆるスーパー・グループ。ハードでポップで、バラードも聴かせるし、非常にバランスの取れたアルバムだ。シンセを多用しているのもいい。ジョン・ウェイトのボーカルをはじめ、演奏力も高く、様々なスタイルに対応出来るのも強み。ややバラード系が多いかな、という気もするが、産業ロック最後の名盤と言っていい。

次回は、160位→141位です^^

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ヘンリー8世と6人の妻

2023年09月03日 20時32分05秒 | 音楽ネタ

またしても訃報である。いきなりだが、ロビー・ロバートソンが8月9日に亡くなっていたらしい。知らなかった。これで、ザ・バンドのオリジナル・メンバーで存命してるのは、ガース・ハドソンだけになってしまった。悲しい現実だ。享年80歳。謹んでご冥福をお祈り致します。

かなり以前だが、レコード・コレクターでザ・バンドの特集が組まれた際、「ザ・バンドは、飲んで歌ってその日を楽しく過ごせればOKという音楽バカ4人と、もうちょっと先の事も考えようという現実的な野心家1人とで構成されていた」という意味の記述があったのを覚えているが、この現実的な野心家というのが、ロビー・ロバートソンのことだ。有能なソング・ライターでもあった彼からすれば、将来が全く見えないドサ回りの生活を続けていくのは不安で仕方なかっただろうし、メジャー・デビューはしたものの、先の展望がまるでないバンドの方向性にも不満だったろう。ツアーに明け暮れる生活から抜け出し、家族と過ごす時間を増やしたい、という思いもあり、ロビー・ロバートソンはザ・バンドの解散を提案し実行に移す。有名な『ラスト・ワルツ』ですな。彼は、もちろんメンバーに内緒でワーナーと交渉し、解散コンサートのソフト化権を手土産に、ワーナーと契約する事で話はまとまっていたとか。もちろん他のメンバーは激怒したそうだが、解散コンサートは行われた。何年か後に、ザ・バンドは再結成されるが、そこにロビー・ロバートソンの名前はなかった。

正直言うと、ザ・バンドはあまり聴いてない。やってる音楽とかは決して嫌いではないのだが、やたらと評論家ウケがいいので、反発して聴かなくなった(笑)MFCオーナーは、そーゆーヤツである(爆) でも、『イージー・ライダー』で知った「ザ・ウェイト」は好きだったし、ロックに興味を持つきっかけにもなった曲でもある。前述の『ラスト・ワルツ』も結構好きで、そこで「ロッキー越えて」「クリプル・クリーク」「ステージフライト」といった名曲たちに接し、ロビー・ロバートソンの才能には感服した。『ラスト・ワルツ』以降は、サントラを手がけたりしてたらしいが、目立った活動がなくて残念だ。

やすらかにお眠り下さい。

もう1人訃報である。ホワイトスネイクでお馴染みのバーニー・マーズテンが亡くなったそうな。享年72歳。こちらはまだ若い。謹んでご冥福をお祈り致します。

今更説明不要だが、ギタリスト、ソングライターとして、ミッキー・ムーディと共に70年代のホワイトスネイクを支えた人である。何故か、ミッキー・ムーディの方が目立ってた感はあるが、「フール・フォー・ユア・ラビング」「スイートトーカー」「ヒア・アイ・ゴー・アゲイン」等々貢献度は決してひけは取らない。派手なプレイをする人ではなかったのかな。ホワイトスネイク以外だと、コージー・パウエルのソロ・アルバム『オーバー・ザ・トップ』に「エル・シド」を提供し、ギターも弾いているのだが、この曲がとにかくカッコいいのである。このアルバムのハイライトと言ってもいいくらい。ただあまり目立ってないけど(苦笑) 未聴の方は是非聴いてみて下さい。

この度の訃報で思い出したのだが、バーニー・マースデンといえば、こんなCDを持ってる。

バーニー・マースデンとミッキー・ムーディによるスネイクスというバンドのライブ盤で、収録曲は全てホワイトスネイクのレパートリー、ボーカルは無名だけど、デビッド・カバーデイルに呆れるくらいそっくりで、何気に聴いてるとホワイトスネイクの音の良いブートみたいに思えてくる、という珍品(笑) ドン・エイリーもメンバーにいたりするもんで、ほんとそれっぽくて笑ってしまいます(笑) ご存知の方も多いと思うが、機会があったら聴いてみてね^^

ところで、唐突だが、最近買ったCDから。

The Six Wives Of Henry Ⅷ/Rick Wakeman

以前にも書いた記憶があるが、僕は割と日本史は好きだが、世界史はよく分からない。色々な国の事が並行して出てくるし、人の名前も覚えにくい(特に英語圏でない国の人)。なので、世界史には疎いのだが(日本史なら詳しい、というのでもないが^^;)、たまに、ちょっとしたきっかけで興味を持つ事もある。今回がそのパターンだ。

リック・ウェイクマンについては、説明不要だろう。ご存知ブリティッシュ・プログレの重鎮であり、プログレの代表的バンド、イエスの主要メンバーでもあった。古き良きプログレに於いては、キーボードがバンドの花形でありスターであったが、リック・ウェイクマンはキース・エマーソンと並ぶ、ブログレ・キーボード奏者の2大巨頭だった事はよく知られている。1970年代のプログレ・キーボードのスタイルを作り上げてプログレ人気を牽引したのは、実はこの2人だと言ってしまってもいい。テクニックや音楽性もさることながら、「見せる」或いは「魅せる」キーボード奏者でもあった。この2人がいなかったら、プログレ人気は、もっと地味だったかも。

そんなリック・ウェイクマンは、70年代はイエスと並行してソロ活動も行っていた。この『ヘンリー8世の6人の妻』は、1973年に発表されたソロ・アルバムで、おそらく『アーサー王と円卓の騎士』と並ぶ、リック・ウェイクマンの代表作であろう。クラシックの素養があり、著名な作曲家の作品を引用するのに加え、史実や古典文学を題材にしたコンセプト・アルバムを発表することで、プログレに知的なイメージを付加して、人気上昇に多大な貢献をした、というのもリック・ウェイクマンとキース・エマーソンの大きな功績だ。

で、『ヘンリー8世の6人の妻』である。テューダー朝第2代のイングランド王であるヘンリー8世(1491-1547)は、カトリック教会からイングランド国教会を分離したことで知られている。ローマ教皇庁と対立し、修道院を解散し、自ら国教会の首長となったが、ローマに破門されてもカトリックへの信仰心は失わなかった。とここまではウィキペディアの受け売り(笑) 先程、僕は西洋史が苦手と書いたが、その要因のひとつに、海外、特にキリスト教圏の宗教観というか、そういうのが全然理解出来てない、というのがある。恥ずかしながら、カトリックとプロテスタントの違いも分からんし(汗)

で、このヘンリー8世だが、生涯6度結婚した事でも知られる。その6度の結婚で得た妻、つまり、キャサリン・オブ・アラゴン、アン・ブーリン、ジェーン・シーモア、アン・オブ・グレーブス、キャサリン・ハワード、キャサリン・パー、の6人をテーマにしたのが本作なんである。妻たちの名前をタイトルにした6曲が収録されており、いずれもインストだ。それも、ピアノやシンセ等でのソロ・プレイではなく、バンド形式でプログレ的な演奏を聴かせる。これが実に素晴らしいのだ。全てリック・ウェイクマンの自作で、いかにも古き良きプログレという雰囲気。妻たちの名前が曲名になってるので、彼女たちのイメージに合わせて作曲したのだろうが、こっちはご本人たちを知らないし、そこはあまり気にしなくても十分に聴き応えのあるアルバムとなっている。今更ながら初めて聴いたのだが、実は、このリック・ウェイクマンの『アーサー王と円卓の騎士』を昔聴いてみたら今イチだった、という経緯があったもんで、ずっとスルーしていたという次第。『アーサー王~』も、ちゃんと改めて聴いてみなければ(汗)

ヘンリー8世が6度も妻を娶ったのは、跡継ぎは絶対に男子でなければ、という考えがあり、男子を熱望したからと言われている。が、3番目のジェーン・シーモアとの間に生まれたエドワード6世が、1547年に10歳でイングランド王に即位するが6年後に亡くなり(元々病弱だったらしい)、その後、1番目の妻キャサリン・オブ・アラゴンとの間のメアリー1世、2番目の妻アン・ブーリンとの間のエリザベス1世が続けて王位に、つまり女王となる。そのエリザベス1世及び彼女に仕えるウイリアム・セシルを主人公にした漫画(コミックと呼んだ方がいいのか)『セシルの女王』が現在ビッグ・コミック・オリジナルに連載されており、それを読んでヘンリー8世や妻たち子供たち、時代背景その他に興味を持ち、少し勉強したら、漫画も理解しやすくなって(笑)、毎回次の展開が楽しみで仕方ない、という状況なのだが、そんな中でリック・ウェイクマンの『ヘンリー8世の6人の妻』の事を思い出し、聴いてみたという次第である。前述の”ちょっとしたきっかけ"というのは、こーゆー事である(笑)

ま、内容は何であれ、今更と言われるだろうが、年は取っても新しい事を知るのは楽しい。今回のヘンリー8世に関しては、実に有意義な体験だったと思う(ちょっと大げさ)。ただ、驚くのは、6人の妻のうち3人の名前が"キャサリン"であること。元々イングランドには多い名前なのか、それとも、やんごとなき家柄の人たちに多い名前なのか。現在の英皇太子妃もキャサリンさんだし、ま、色々と英国的な感じはする(意味不明)

前述したように、リック・ウェイクマンはブリティッシュ・プログレ界の重鎮であり、プログレの発展に多大な貢献をした重要人物、今風に言うならレジェンドな訳だが、現在も音楽活動を継続しつつ(非常に精力的な多作家で、これまでに100枚以上のアルバムを制作しているという噂もある)、テレビにも出演し、日本風に言うならバラエティ番組に数多く出てるらしい。レジェンドたちの訃報も多い昨今、いつまでも元気で頑張って欲しい、と思うのは決して僕だけではあるまい。本当に、そういう印象はないかもしれないが、実は凄い人なんだからね、リック・ウェイクマンは(笑)

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