日々の覚書

MFCオーナーのブログ

想い出のアルバム-SLOWHAND

2013年02月02日 18時28分52秒 | 想い出のアルバムシリーズ

Slowhand

スローハンド/エリック・クラプトン(1977)

1.コカイン
2.ワンダフル・トゥナイト
3.レイ・ダウン・サリー
4.ネクスト・タイム・ユー・シー・ハー
5.ウィー・アー・オール・ザ・ウェイ
6.ザ・コア
7.メイ・ユー・ネバー
8.ミーン・オールド・フリスコ
9.ピーチズ・アンド・ディーゼル

今いくつかは知らないが、相変わらず精力的に活動するエリック・クラプトンには、ほんと頭が下がる。同世代のジェフ・ベックもそうだけど、決して勿体ぶることなく、自らをカリスマ化する事もなく、いつでもどこでも誰とでも、ギターを弾き歌う、その姿勢が素晴らしい。ただひたすら、ギターが音楽がブルースが好きなんだな、というのが伝わってくるのだ。聞く所によると、今年新作も出るらしいし、ジェフ・ベック共々、体力の続く限り頑張って欲しいと思うのである。

と、そんな(どんな?)クラプトンの1977年のアルバム『スローハンド』の、35周年記念エディションが出た。ちょっと意外な感じもする。というのも、このアルバム、確かに当時ベストセラーとなり、全米TOP10となった「レイ・ダウン・サリー」や、ライブの定番でもある「コカイン」「ワンダフル・トゥナイト」を含むアルバムでもあり、何よりクラプトンの昔からのニックネームがアルバム・タイトルにもなっていたりして、クラプトンの代表作と言ってもいいのかもしれないが、そういう派手な印象が全くない。今になって記念エディションが作られるほど、高い評価を受けてきたアルバムとも思えないのだ。つーか、クラプトンの代表作って、一体何なんだろう?

そうなのだ。クラプトンは偉大なミュージシャンではあるが、代表作は?と問われると、考えてしまう。つい『いとしのレイラ』なんて言ってしまいそうだが、あれはデレク&ザ・ドミノスというバンドのアルバムであり、クラプトンのソロという事になると、すぐには思い浮かばないのだ。う~ん、しばらく考えて、やっぱり『461・オーシャン・ブールバード』かなぁ、それとも『アンプラグド』か、って感じ。『スローハンド』と一発で答える人は少ないだろう。

不思議だなぁ。これだけのキャリアと名声のある人なのに。しかも、クラプトンのアルバムは売れない、なんて事は全くなく、この『スローハンド』にしても、次作の『バックレス』にしても、ビルボードのアルバム・チャートのTOP10に入るベストセラーだった訳だし、決して『アンプラグド』で急に売れた訳ではないのだ。“作品”より“人”の印象が強いミュージシャンなんだろうか。

と、訳の分からない事言ってるけど(爆)、『スローハンド』である。実は、このアルバム、出た当時にFMで聴いて気に入って、2年くらいしてから友人にLPを借りてよく聴いてた。中学生が聴くにしては、かなりシブい内容と思うのだが(笑)、ま、とにかく、好きだった訳だ。「コカイン」も良かったけど、個人的には「ザ・コア」が良かったな。クラプトンとマーシー・レビィが交互にボーカルをとる長い曲だけど、途中のギターやサックス(なんと、メル・コリンズである)のソロ合戦がスリリングでよろしい。淡々とした歌を披露する「ネクスト・タイム・ユー・シー・ハー」や「メイ・ユー・ネバー」もいいね。当時はシブいと思ったけど、今聴くとそれほどでもなく、聴きやすい印象を受ける。クラプトンって、ギターやブルースの神様なんて崇め奉られていたけど、実際には鹿爪らしく音楽をやる人ではない。そこいらが、今でも続く人気の秘密なのだろうし、名盤を残してない理由なのかもしれない。

レコード・コレクターズ最新号の特集は、この『スローハンド』35周年記念エディションである。発売と同時に売れ、全米アルバムチャート初登場一位となった、という記述は、どこのチャートを指しているのか分からないが、ビルボードだとすれば、明らかに誤りというか嘘なので(笑)、訂正して欲しい所だが、それ以外では興味深い記述もある。特にアルバム・タイトルについてだけど、何故クラプトンのニックネームが“スローハンド”なのか、昔から不思議だったが、ヤードバーズ時代のクラプトンはステージでよく弦を切っていて、張り替える間観客がゆっくり手拍子(Slow Hand Clap)しながら待っていた、というのが真の由来らしい。手があまり動かないのに、音がたくさん聞こえるから、というのではないようだ(笑)

そういえば、学生の時やってたバンドで「コカイン」をコピーした事がある。例の決めのフレーズを、その場にいる全員で叫んだりして、なかなか楽しかったな(笑) とまぁ、こんな事も思い出してしまうアルバムなのであった。あ、ジャケットはGを押さえてるな、クラプトンもGなんて使うんだ、しかも同じ押さえ方だし、なんて事で感激したりもしたっけ(笑)

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想い出のアルバム-REBECCA Ⅳ

2010年02月23日 23時17分04秒 | 想い出のアルバムシリーズ

Rebecca4

Rebecca Ⅳ~Maybe Tomorrow(1985)

1.HOT SPICE
2.プライベート・ヒロイン
3.Cotton Time
4.76th Star
5.光と影の誘惑
6.Bottom Line
7.ガールズ・ブラボー!
8.フレンズ
9.London Boy
10.Maybe Tomorrow

今週末、「London Boy」を演奏する。去年夏のフォリナー・セッションでお世話になって以来、時々お邪魔させて貰っている新宿のロック・バーCrawdaddy Club主催のセッションが、今度の日曜日に行なわれるのだが、そこで、この曲をに参加する事になったのだ。そう、今回のセッションは「邦楽セッション」なのである。

この「London Boy」、知る人ぞ知る、今から25年前に大ヒットしたレベッカの名盤『レベッカⅣ』の中の一曲である。このアルバムは、当時テープに録音して、文字通り聴き倒したが(笑)、その中でも一番好きな曲が「London Boy」だった。どことなく哀愁を漂わせたメロディに、少々センチな歌詞がたまらない。“抱きしめたい”とか“Yesteday”とかいった言葉を使って、イギリスを表現したつもりの歌詞が、ステレオタイプだけどいいのだ(笑) 誰がなんと言おうと名曲である。

そう、この『レベッカⅣ』の最大の魅力は、収録曲のグレードがどれも高い所にある。捨て曲とかやっつけ仕事みたいな曲が全くないのだ。フツーのアルバムなら、目玉曲として下にも置かぬ扱いを受けて然るべき曲たちが、一枚のアルバムにまとまっている。かといって、グレイテスト・ヒッツみたいな雰囲気を漂わせている訳でもない。どの曲にも、アルバムを構成する一曲としての役割があり、必要以上に出しゃばったり、また怠けたりする事もなく、それぞれの任務を全うしている。しかも、その全てがグレード高いのだ。ほんと、奇跡と呼んでもいいアルバムである。『レベッカⅣ』がレベッカの最高傑作である事に、異議を唱える人はいないだろう。

一曲目の『HOT SPICE』が強烈だ。インストかと思わせてサビだけ歌が入る、という構成も意表をつくが、メロディがなくギターのカッテイングだけで曲が進んでいくのもカッコいい。しかも、そのカッティングがミョーに歌心あるし。この先どうなるんだろう、という期待と緊張感。アルバムのオープニングとしては最高の曲だ。

先ほど、「London Boy」が一番好きだ、と書いたが、3曲目の「Cotton Time」も素晴らしい曲である。地味な部類の曲だと思う。けど、メロディと歌詞の融合具合は絶妙だし、アレンジも完璧。2番からギターソロに移るあたりの展開なんて、何度聴いてもゾグソクする。実は、前述した「邦楽セッション」で、レベッカは4曲演奏されるのだが、なんとこの「London Boy」と「Cotton Time」もリストに入っているのである。地味なようでも名曲としての評価は高いのだ。それにしても、これほどの名曲がシングルカットもされず、A面の3曲目として“隠れた名曲”の名を欲しいままにしているとは...恐るべし『レベッカⅣ』。

4曲目の「76th Star」は、テレビCMでも使われた記憶がある。実にキャッチーな曲だ。続く、「光と影の誘惑」は正真正銘のインスト。ベースの高橋教之の作曲で、ベーシストの作った曲であるのなら、フレットレスで主旋律を奏でるのは鉄則中の鉄則。しっかり守ってます(笑)

B面一曲目の「Bottom Line」も好きな曲である。シニカルな歌詞と、間奏部分でのベースとギターの絡みがたまりません。「フレンズ」は、当時ヒットしてTBSの『ザ・ベストテン』にも出演したくらいだから、なんだかんだ言っても、レベッカの代表曲であろう。歌いだしの一行がいいよね。

口づけをかわした日は、ママの顔さえ見れなかった

初めて恋を知った少女の戸惑いと歓びが、見事に表現された歌詞である。素晴らしい。そういえば、去年の暮れ、偶然見た歌番組にNOKKOが登場し、オーケストラをバックに「フレンズ」を歌っていたが、声量も声の艶もなくなっていて、とても残念だった。つーか、悲惨なくらいだった。彼女、しばらく歌ってなかったのか、などと思わせるものがあった。確かに、元々上手い人ではなかったけど...

そんな訳で、珠玉の10曲なのである。今聴いてみて、実にLPらしい構成になっているのを再認識した。だからこそ、10曲が生きるのである。CDだとこうはいかない。

このアルバム、とにかく売れてた。当時で130万枚売れたというから、LP時代では驚異的な数字である。ま、売れたから言うのではないが、『レベッカⅣ』は文句なしの名盤である。個人的には、80年代J-POPの名盤ベスト3に、確実にリストアップされるアルバムであるのは間違いない。今回、久々に聴いたけど、やっぱり素晴らしい。洋の東西は関係なく、名盤は時を超える。

ところで、セッションでの「London Boy」実は、僕がリクエストしたのである(笑)。知ってる人は少ないと思われたし、乗ってくる人がいるのかなぁ、なんて思ってたが、すぐに成立してしまった(笑)。喜ばしいことだ。ちなみに、「Cotton Time」を叩くのは僕ではない。残念だ(爆) でも間近に迫った“邦楽セッション”、楽しみである。

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想い出のアルバム-COMMON THREAD

2010年02月03日 23時17分21秒 | 想い出のアルバムシリーズ

Commonthread

コモン・スレッド~ソングス・オブ・イーグルス(1993)

1.テイク・イット・イージー/トラヴィス・トリット
2.ピースフル・イージー・フィーリング/リトル・テキサス
3.ならず者/クリント・ブラック
4.ハートエイク・トゥナイト/ジョン・アンダーソン
5.テキーラ・サンライズ/アラン・ジャクソン
6.テイク・イット・トゥー・ザ・リミット/スージー・ボガス
7.言いだせなくて/ヴィンス・ギル
8.いつわりの瞳/ダイアモンド・リオ
9.ニュー・キッド・イン・タウン/トリーシャ・イヤーウッド

10.サタデイ・ナイト/ビリー・ディーン
11.過ぎた事/タニヤ・タッカー
12.我が愛の至上/ブルックス&ダン
13.サッド・カフェ/ロリー・モーガン

先日、イーグルス・トリビュート・セッションを観戦した。昨年の夏に参加したセッションの第4回だ。今回は諸事情により演奏には参加せず、観戦オンリーだったりだが、それでも十分楽しめた。イーグルスって、自分で演るより人の演奏を聴いてる方が楽しいかも(笑)

セッションそのものは、演奏も歌もグレードが高く、素晴らしいものだった。大好きなイーグルスの曲を生き生きとブレイする皆さんを見ていて、ふと思い出したのが、この『コモン・スレッド~ソングス・オブ・イーグルス』だ。イークルスのコピー(カバー)ではあるのだが、やはりオリジナルとは印象が異なり、新たな発見がある、という点で共通している。

この『コモン・スレッド』だが、参加しているのはカントリー畑のミュージシャンたちであり、選曲もいかにもそれっぽい。「ホテル・カリフォルニア」「呪われた夜」「魔女のささやき」といった、シリアスというか雰囲気暗い曲がないのである。個人的には、イーグルスはカントリー系の曲が好きなので、明るく軽やかでほのぼのとした曲で占められたこのアルバム、曲目を見ただけでもそそらるものがあった。

で、実際に聴いてみると、これがまた実に良いのである。前述したけど、アレンジもほとんど原曲のままだし、細かいフレージングの違いはあれど、ほんとコピーみたいなものだ。しかし、オリジナルをそのままコピーしているようでも、何か雰囲気が違う。洗練された雰囲気を感じる本家と比べ、どこか荒っぽい感じがするが、本家よりずっと明るく穏やかな印象を受ける。イーグルスの場合、「テイク・イット・イージー」の対極に「ホテル・カリフォルニア」があり、どちらもイーグルスに他ならないのだが、後者の持つ“重さ”が前者に乗り移ってしまい、結果として、どの曲もミョーにシリアスに聴こえてしまう、というのが特に後期に感じられたが、この『コモン・スレッド』で聴ける「テイク・イット・イージー」には、そういうシリアスさはない。これこそイーグルスの本質なのだ、と主張しているかのようだ。オリジナルでは、グレン・フライがリードボーカルを担当していた曲が多いのも、何やら象徴的だったりして(笑)

収められたイーグルス・カバーは、どれもカントリーやフォークの雰囲気が強い。カントリー系のアーティストばかりだから、当然といえば当然だが。また、前述したように、なんとなく荒っぽい感じがするのだが、それはドラムの音が前面に出ている事にもよるのだろう。本家は、ドラムは抑え気味だったから、このアルバムのように、ドラムを強調すると聴きなれた曲も印象が変わる。その点でも、新鮮に聴けた。大好きな曲ばかりだし(笑)。今でも、よく聴いてる。

参加アーティストの中で、当時名前を知ってたのは、ヴィンス・ギルとジョン・アンダーソン(もちろん、イエスの人ではない)とタニヤ・タッカー(ハロー・ミスター・サンシャイン!)くらいだったけど、そんな事は気にならずに聴けた。女性が歌うイーグルス・ナンバーもいいものだ。一番気に入ったのは、トリーシャ・イヤーウッドによる「ニュー・キッド・イン・タウン」で、後に彼女のアルバムも買ってしまったくらい(笑)。なかなか美人で、90年代のリンダ・ロンシュタット、なんていわれていたような(笑)

この『コモン・スレッド』はベストセラーとなり、それがきっかけとなって、イーグルス再結成の話が持ち上がった、というのは有名な話だけど、イーグルスのカントリーテイストが強く打ち出されているだけに、アメリカ人がイーグルスに何を求めていたのか、なんて事まで、そこはかとなく想像できてしまう好盤である。90年代前半は、やたらと大物アーティストのトリビュート・アルバムが発売されたけど、その中でも代表的な一枚と言っていいと思う。

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想い出のアルバム-INTUITION

2009年12月05日 14時02分29秒 | 想い出のアルバムシリーズ

Tnt

インテュイション/TNT(1989)

1.ア・ネイション・フリー
2.コート・ビトウィーン・ザ・タイガー
3.トゥナイト・アイム・フォーリング
4.エンド・オブ・ザ・ライン
5.インテュイション
6.フォーエバー・シャイン・オン
7.ラーン・トゥー・ラブ
8.オーディナリー・ラバー
9.テイク・ミー・ダウン(フォールン・エンジェル)
10.ウィスダム

就職した時、同期入社にメタラーがいた。彼はBURRN!の熱心な読者であり、そっち方面の知識は豊富だった(笑) “様式美”とか“拡散美”とかいう言葉を知ったのも、メタリカやメガデスの名前を聞いたのも、全て彼を通じてだった。ま、丁度いい機会でもあり、今まで聴いた事なかったHR/HM系を、あれこれと聴かせて貰ったが、そんな中で気に入ったのがTNTだった。

TNTと言っても知らない人も多いだろう。ノルウェーのバンドで、1983年にデビューしたそうな。僕が例のメタラーから最初に聴かせて貰ったのは、1984年の2nd『ナイツ・オブ・ニュー・サンダー』だった。実にオーソドックスなスタイルのハードロックで、1曲目の「セブン・シーズ」やラストのタイトル曲にも顕著な、メロディアスな曲調とドラマチックな展開もツボだった。テンションの高い曲が並ぶA面と比べ、B面になると気の抜けたような曲が続くのもご愛敬で(笑)、良くも悪くもB級の香りがするのもよかった。後追いだったけど、僕にとってTNTは注目のバンドとなったのである。

続く3rd『テル・ノー・テイルズ』(1987年)で、TNTはポップな作風に路線変更する。アメリカ進出を視野に入れていたのだろう。元々曲作りに長けたバンドだったこともあり、前作にあった重厚さは消え、スピード感に溢れたキャッチーな曲が並ぶアルバムとなった。とはいえ、すっかりアメリカンになってしまった訳ではなく、どことなく北欧のバンドらしい叙情性を感じさせたりもして、そこがまた良かった。よく聴いてたなぁ。

そして、1989年に発表されたのが、この『インテュイション』である。前作でのポップな方向性をさらに推し進めた本作は、見事に構築されたサウンドも併せ、実に完成度が高い。TNTの代表作と言ってもいいのではないか。アメリカをターゲットにしたメロディックなハードロック路線は、本作でひとつの到達点に達した。

この頃、日本ではTNTは結構人気あったと思う。1989年の8月に彼らは初来日公演を行っており、実は僕も見に行ったのだが(笑)、渋谷公会堂はほぼ満員だった。PVもちょいちょい見かけたし。

収録曲は、どれも粒よりだが、僕にとって忘れる事の出来ない名曲が「トゥナイト・アイム・フォーリング」である。キャッチーでありながら、そこはかとなく哀愁を漂わせ、これでもかと琴線に触れてくるメロディは秀逸の一言。心の中に眠っていたものを呼び覚まし、聴く度に切なくなってくる叙情性、もうたまらんのである(笑) 青春のメロディと言ってもいいのではなかろうか。10代の頃、この曲を聴いて洋楽に目覚めた人もいると思うが、その人たちにとっては、耳にするたび、昔を思い出して感傷に浸ってしまうような曲であるに違いない。僕ですら、今でも「トゥナイト・アイム・フォーリング」を聴くと、1989年の夏をやや感傷的に思い出してしまうくらいなんだから、その時の僕より、ずっと若く感受性も豊かな年代の人たちが、感傷的にならない訳がない。丁度、僕が「ボヘミアン・ラプソディ」を聴くたびに感傷的になるのと同じように。しかも、バラードではないのが、またいいのだ(笑)

多分、TNTでは、このアルバムを一番よく聴いたと思う。当時のハードロック系には珍しく、バラード系が少なく、アルバム全体が適度な疾走感に溢れていて、車の中で聴くには最適だった。やや固いとはいえ、ハイトーンのボーカルも爽やかだったし(笑)。産業系に近い感触もあった。同じ北欧のヨーロッパほど、ベタな売れ筋ではないけど(笑)

しかし、残念ながら、この後TNTは失速し、数年後に解散してしまう。僕は『インテュイション』以後のTNTのアルバムを聴いてないので、何とも言えないのだが、やはりアメリカで売れなかったのが影響したらしい。惜しいなぁ。いくらメロディアスでポップと言っても、下世話でないハードロックなんて、やはりアメリカでウケないのだろうか。確かに、破綻がなく、キレイにまとまり過ぎ、という感じもしなくはない。ただ、センスもテクもあると思うけど、ソロになると突如ブッ飛んだフレーズを繰り出すギターは、相当破綻してるんじゃないかと(笑)

ま、そんな訳で、最近ふと思い立って、この『インテュイション』をBOOK OFFで買ったのである。コーナーが作られるほど、TNTのCDはたくさん並んでいた。中古屋にたくさん並んでいる、という事は、昔売れたという事だ。やっぱり、それなりに人気あったんだな。彼らは、解散と再結成を繰り返しながら、今も現役だという話だ。興味があったら聴いてみて(笑)

とにかく、「トゥナイト・アイム・フォーリング」は名曲なのである。いや、他の曲もいいけどね。タイトル曲とか「フォーエバー・シャイン・オン」とか「テイク・ミー・ダウン」とか。同感という人が一体どれくらいいるのか分からないけど(笑)

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想い出のアルバム-HOME IS WHERE THE HEART IS

2009年05月24日 12時27分41秒 | 想い出のアルバムシリーズ

Davidcassidy

青春の館/デビッド・キャシディ(1976)

1.ぼくは燃えている
2.これが恋でなかったら
3.ジャニュアリー
4.フール・イン・ラブ
5.トゥモロー
6.青春は悲しみ
7.恋のかくれんぼ
8.心のさびしさ
9.グッバイ・ブルース
10.ベッド・タイム

一応、これを読んでいる若い人たち(笑)のために説明させて頂くと、デビッド・キャシディは70年代初頭、人気テレビシリーズ『パートリッジ・ファミリー』に出演してアイドルとして大人気だった人である。『パートリッジ・ファミリー』出演中から、ソロ歌手としても活躍していた。やはりアイドルとして、70年代後半に人気を博したショーン・キャシディは実の弟である。ちなみに、この『パートリッジ・ファミリー』、日本でも放送されており、僕もよく見ていた記憶があるのだが、内容はほとんど覚えていない(笑)

『パートリッジ・ファミリー』終了後、デビッドはRCAとレコーディング契約を結び、1975年から76年にかけて、3枚のアルバムを発表する。今回紹介する『青春の館』は、その3枚のうちの2枚目だ。ちなみに、RCAとの契約は、金は出すけど口は出さない、プロモーションの為のツアー等はやらなくていい、等デビッドにとっては実においしい内容であったらしい。

という訳で、デビッドはブルース・ジョンストンを共同プロデューサーに迎え、好き放題(笑)にアルバム制作に取りかかったのであるが、実際発表されたアルバムは、実にグレードの高いポップ・アルバムだった。最初のアルバムにジョンストン作の『歌の贈り物』が収録されているのも、ポイント高い。この曲、翌1976年バリー・マニロウが歌って全米No.1となり、グラミー賞(ソング・オブ・ザ・イヤー)まで獲った名曲であるが、それより前にデビッドがヒットさせていたのだ。バリー・マニロウは、デビッドのバージョンを聴いて、この曲を取り上げたというのは、その筋では結構有名な話。

この『青春の館』は、ブルース・ジョンストンとタッグを組んでの2作目で、これまた素晴らしい出来栄えである。なんたって曲が良い。デビッドのオリジナルでは、一曲目の「僕は燃えている」でしょうね、やっぱり。アップテンポの、血湧き肉踊る名曲である。イントロのアコギのカッテイングから歌になだれ込んでいくあたりで、既にこの曲のとりこになってしまう。♪あもんぱや、と一緒に歌ったもんです(笑) シングルになった「トゥモロー」は、なんとポール・マッカートニーの曲だ。『ワイルド・ライフ』に収録されているそうだが、残念ながら僕は本家のバージョンは聴いた事ない^^; が、デビッドが力強く歌う「トゥモロー」実に素晴らしい。分かりやすく格調高いメロディも、途中で雰囲気の変わる構成も、いかにもポール・マッカートニーという感じで、こんなに良い曲なのに、何故世間に知られてないのか、当時から不思議だったくらい(笑)。

他にも良い曲目白押しで、当時FMで小出しにかかるのを、一所懸命録音していたのを思い出す(笑)。あの頃、日本ではデビッド・キャシディはかなり人気あり、FMでよくかかってたし、『ポップス・ベスト10』の常連でもあった。カーペンターズやベイ・シティ・ローラーズと1位争いをしてたのだ。今となっては、とても信じられないが^^; ほんと、この頃『青春の館』欲しかったです。買えなかったけど(笑) 当時の僕にとって、デビッド・キャシディは、クイーン、キッス、スイートあたりと全く同列だった。

当時、ミュージック・ライフをはじめとする音楽誌では、“アーティストとアイドルの境界線はどこか?”なんて特集をよくやってた記憶がある。そういう特集で、必ず俎上に乗せられるのが、クイーンとデビッド・キャシディだった。両者とも、当時の人気は音楽性よりルックス先行であったのは否定出来ない所で、そこを捉えてアーティストではない、と断定する評論家もいたし、見た目に惑わされてはいけない、中味で評価するなら彼らは立派なアーティストだ、と主張する人もいた。ルックスが良いとアーティストとしては認められないのなら、当の本人からすると、じゃどうすりゃいいんだ、ってな所だろうね。認められるために顔を潰すわけにもいかないし(笑)

ただ、この当時、デビッド・キャシディが単なるアイドル歌手から脱皮して、本格的なミュージシャンとしての評価を得ようとしていたのは事実だと思う。ブルース・ジョンストンと組んだのも、ウィリー・ウィークス、ラス・カンケルといった一流セッションマンを呼んだのも、全てはグレードの高いレコードを作る為だ。その成果が、『青春の館』を含むRCAでのアルバムたちなのだが、グレードの高いレコードは作ったものの、日本とイギリス以外では売れなかったらしく、彼はミュージシャンとしての正当な評価を受けることは出来なかった。ま、たとえアメリカで売れたとしても、アメリカ人は“天は二物を与えず”という格言を頭から信じ込んでいる国民なので(笑)、正当な評価を受ける事が出来たかどうかは疑わしい。

僕としては、当時はともかく、今となっては、デビッド・キャシディがアイドルだろうとなんだろうと、どうでもいい。ただ、彼が素晴らしい作品を残したのは事実なのに、後の世代に知られる事もなく、長い年月が過ぎてしまったのが非常に残念である。実際、『青春の館』をはじめとするRCA時代のアルバムは、単体では21世紀になるまでCD化されなかった。LPですら、その後再発された、という話も聞いてない。1996年に、RCAでの3枚のアルバムからセレクトした『When I'm A Rock'n'Roll Star : The David Cassidy Collection』という編集盤が出たので、かろうじてそこで聴けただけだ。でも、この編集盤は貴重だったなぁ(笑) 『青春の館』からは6曲収録されており、個人的にはずせない「僕は燃えている」「トゥモロー」が聴けるのは嬉しかったけど、「恋のかくれんぼ」とかは未収録だったし、やはりアルバムとしてちゃんと聴きたい、とずっと思っていた。

しかし、ついにその願いが叶うときが来た(笑) 今年になって、RCA時代の3枚がCD化されたのだ。しかも、3枚のうち2枚(『青春の館』と次作の『恋の大通り』)は、世界初CD化だそうで、正に“ついに”という言葉がふさわしい(笑) リマスターではなさそうだし、ボーナストラックもないが、それでもCD化されて、今またデビッド・キャシディのアルバムを聴く事が出来るのだ。長生きはするものである(爆)

とまぁ、手放しで喜ぶべきなのだが、ちと問題がある。それは...

 

 

 

 

 

紙ジャケなんだよね...(-_-#)

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