日々の覚書

MFCオーナーのブログ

たとえあなたが去って行っても

2023年06月25日 22時12分19秒 | 与太話

先日、とあるテレビ番組で、良い睡眠・正しい睡眠を専門家が検証し、スタジオにいるタレントたちにレクチャーする、というのをなんとなく見ていたのだが、出演していたとあるお笑い芸人が、「本人がよく眠れている、と言ってるのに、それは間違っているとか言うのは、単なる言いがかりではないのか」と発言していた。正にその通りと思う。そこにいた専門家の一人は、「よく寝れたと思っていても、昼間眠気がさしたり、車を運転していて眠気を感じる、という事があるのなら、それは睡眠が良くないからだ」と言っていたが、では、正しい睡眠であれば、絶対に昼間眠気を感じる事はないのか。昼間電車やバスで、年齢問わず、座って居眠りしている乗客を常に見かけるが、その人たちは全て睡眠が良くないのか。最近、昼寝の効用というのが見直されていて、作業効率をアップさせる為、毎日30分から1時間ほど全社員に昼寝の時間を設けている企業もある、と聞いたが、それは全社員が悪い睡眠という前提なのか。良い睡眠の人は、昼寝なんか出来ないから却って迷惑なのか。

言いがかりだと発言したお笑い芸人は、それ以上ツッコまなかったので、発展する事はなかったが、実際、特にテレビで、専門家と称する人たちが、常識の嘘を指摘する、みたいなノリで、要するに、他人(この場合、スタジオにいるタレント)のやってる事を全否定する、という企画が多く、僕は見る度に辟易している。お前ら素人は俺たち専門家の言う通りにしていれば、万事うまくいくのだ、文句言うな、という感じですな。明らかに体調不良とかを訴える人に対してならともかく、少なくとも自分では不具合を感じていない人に対してまで、お前が気づいていないだけでそれは間違っている、と言うのは、本当におせっかいというか言いがかりだ。素人が気づいていない問題に言及する優れた専門家、というイメージを作り上げて商売したいだけだろう、って気がする。何かあっても、どうせ責任は取らないくせにね。

似たような話という何というか、最近、60歳過ぎたらこういう事は止めましょう、その方が幸せになれますよ、という本というか雑誌を読んだ。ま、実際還暦なもんで(笑)そういうのって色々気になるのだ。で、読んでみると、この本の作者(というか編者)が言いたいことは、年なんだからストレスを感じる事は止めて、のんびりと余生を過ごしましょうよ、ということかと思われる。ま、それは分からなくもない。ただ、そういうコンセプトを意識しつつ読んでいくと、ちょっとヘンだなと感じる事も出てくる。

この本では、人間関係・健康・家族・財産・生活等々の項目に於いて、ストレス感じるから止めた方がいい、ということを列挙し解説していく。中には、うむなるほど、というのもあるが、読んでいくにつれ、この人は単なる面倒くさがり屋なのではないのか、すぼらで手抜きな性格なのではないか、人付き合いが苦手な偏屈な人ってだけではないの、なんて感じるのが続々と出てくる。祝ったり偲んだりする気持ちがあれば、結婚式や葬式に行く必要ないし墓参りもしません、とか、洗い物とか面倒だから料理はしません、とか、同じ理由で朝食なんていらない、とか、疲れるから掃除なんてしなくていい、年寄りの家なんて汚れないし、とか、風呂も浸かるだけでいい、体や髪を洗うのは数ヶ月に一回でいい、とか、誰かの為に何かしようなどと考えるな、とか、やや疑問を感じるのも多い。ま、人それぞれなんで、否定するつもりは毛頭ないのだが。

健康に気を遣うのはストレス溜まるからやめとけ、というのは、なんとなく理解出来るかな(笑) ただ、だから無理に禁酒・禁煙はしなくてもいいのだ、というとこまで行くとどうかな、と思ったりもする。確かに、禁酒・禁煙を強いられるのはイヤなんだけど。↑のように、健康寿命の為に○○しましょう、と専門家が押しつけてくるのに対抗してるような感じなんだろうか(笑) 腐れ縁の人間関係は絶つべき、というのも分かるけど、大抵の人は60歳ともなると、付き合いの長い友人なんて、数は限られてると思う。そういう人たちを切ってしまったら、僕なんて友人がいなくなってしまうので、絶対イヤだけど、そういう人間関係ですら面倒な人はいるのだろうね。掃除や料理もやめよう、なんてのを見ると、本当は家事が嫌いなのかな、という気もする。

お気づきのように、この本は女性目線で書かれている。主婦の立場に立ってみると、ここにある60歳過ぎたら止めた方がいいこと、というのにも納得がいく。年取ったら夫はいないもの、という前提みたいだし(笑) ま、こういうのは、あくまでも参考程度にしておけばいい、と思うのだが、100%影響されてしまう人もいるのだろうね。この本にある事を全部実践しようとすると、周囲とかなり軋轢を生むと思う。↑のテレビ番組の話もだけど、まず自分の考えをしっかりと持った上で、他人の意見を聞いてみる、という姿勢が大事だ。啓蒙されてるだけではダメだよ。今更だけど(笑)

で、ここでいきなり、最近買ったCDから(なんなんだ)

DA・DI・DA/松任谷由実

ブログネタにしたが、先月ユーミンのコンサートを見て以来、ちょっとユーミン・モードである(笑) 僕が一番ユーミンを聴いていたのは80年代なのだが、よくよく考えてみると、この時期のアルバムは2枚しか持っていない。当時、レコードは買わず、レンタル等で借りてきて録音して聴く、というのが主流だったもんで^^; で、当時のアルバムを色々入手して聴いてみよう、ってことで手始めに買ったのが、この『DA・DI・DA』である。1985年発表。

個人的には、一曲目の「もう愛は始まらない」が、とにかく好きだった。当時のプロモーションCMなどでは、この曲がフューチャーされていたのではなかったかな? 今聴いてもカッコいい。アレンジがとにかくいいね。ドラマティックな展開もいいし、クールな歌詞もいい。続く、打って変わって微笑ましいムードの「2人のストリート」も割と好きな曲。ベスト盤には欠かせない人気曲「シンデレラ・エキスプレス」「青春のリグレット」に続いて登場するラストの「たとえあなたが去って行っても」も、これまた感動的な名曲である。力強い歌詞が頼もしい。さすがユーミン。他の80年代のアルバムと比較すると、やや地味目かもしれないが、曲もアレンジも演奏もクォリティ高い傑作だ。

この頃(『DA・DI・DA』から『Delight Slight Light KISS』あたりまで)のユーミンって、非常に当時の気分とシンクロしてるような気がする。といっても、当時の世相とかいう意味ではなく、あくまでも僕個人の気分という意味なんだけどね(笑) あの頃はいわゆるバブルの時代で、世間は好景気に浮かれていたのだろうが、この当時僕は20代半ば、就職して2~3年の若造であり、バブルも何も分からず、ただひたすら仕事に励んでいたというより、早く仕事を覚えて一人前になろうとバタバタしていた、という感じ。失敗もしたし、落ち込んだ事も多い。ただ、どんな事があっても、悲観する事もなく、焦る事もなく、自覚はなかったけど前向きに過ごしていたような気がする。何故、前向きになれたのかと言うと、おそらくいつかきっと良い事がある、と思っていたからではないだろうか。今思うと恥ずかしくて顔も上げられないが(爆)、若さ故なのか、あの頃は自覚はしてないものの、漠然と未来は明るいような気がしていたような。もちろん根拠はないけど、いつかは良くなる、と。意識はしてないけど漠然とそういう気持ちがあったから、落ち込んでも何しても、暗くなることもなく過ごしていたのだろう。若いって、きっとそういうものなのだ(笑) 実際、30歳になる頃には現実が見えてきて、そんな気分ではなくなっていた気がする。

そんな若かった頃の気分に、この頃のユーミンがぴったりハマるのである。若かったなぁ、あの頃は(爆)

続いて、

Fuse/Everything But The Girl

今年に入ってから、また聴き始めたエブリシング・バット・ザ・ガール(EBTG)であるが、久々に新作が出たので買ってみた。なんと!!24年振りらしい。この間、ベン・ワットとトレイシー・ソーンの2人には、色々な事があったと思うが、この新作では、全くその長いブランクを感じさせない。というか、久々の新作というより逆に、24年前の作品です、と言われても違和感ない内容だ。古臭いとかいうのではなく。

24年振りという事で、現代のEBTGはどんなサウンドを提示するのか、興味津々だったが、聴いてみると、特に大きな変化はないような気がする。90年代半ば頃から取り入れ始めたエレクトリック風のバックトラックは今回も継続しているし、ストイックな音作りも変わらない。トレイシー・ソーンの歌も年齢を重ねた雰囲気こそあるが、元々明るく華やかな声質の人ではないので、こちらもあまり違和感ない。包み込むような雰囲気は相変わらずだし、EBTGらしいメロディラインも健在。つまり、特に文句はないのだが、反面、EBTGだけに、あまりの変化の無さが、ちょっと物足りない。ベン・ワットは、活動休止中に、ディープ・サウスと呼ばれるダンス系の世界で活動していたらしいが、そういうエッセンスも少しでいいから、加えて欲しかったな、と思ったりするのであります。

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球史に名を刻むエースたち

2023年06月24日 11時51分48秒 | 時事・社会ネタ

ご存知の方も多いと思うが、元広島東洋カープのエース、北別府学氏が亡くなった。享年65歳。白血病で闘病中だったらしい。まだ若いのに残念だ。謹んでご冥福をお祈り致します。

前にも書いたが、僕が最も熱心にプロ野球を見ていたのが80年代で、この時期は広島の黄金期だったと言ってもいい。実際、1980年から89年の10シーズンで、リーグ優勝3回、日本一には2回輝いている。3回なら大した事ないと思うかもしれないが(パ・リーグだと80年代は西武が6回優勝してるし)、あの常勝ジャイアンツですら、同じ10シーズンでリーグ優勝4回・日本一2回である。ほとんど変わらん。セ・リーグでは、80年代は広島と巨人の2強時代だったと言っても大げさではなかろう。その広島の黄金期を支えたのが北別府だった。

北別府学。1975年のドラフト1位で広島入団。ルーキーの年にプロ初勝利をマーク、1978年のシーズンから11年連続2桁勝利を記録、1982年に20勝、1986年に18勝で最多勝利投手となり、1986年には広島が優勝してMVPにも輝いた。実働19シーズン、毎年勝ち星を記録して通算213勝、文句なしに広島いや球界を代表するエースだった。200勝を達成した時は、最後の200勝投手なんて言われてたっけ。正に記録にも記憶にも残る、素晴らしいピッチャーだったと思う。

中日ファンだった僕からすると、北別府はほんと憎たらしいピッチャーだった。80年代の中日は、毎年のように広島に負け越しており、1984年に広島と優勝争いをしてた時も、広島に勝てなくて優勝出来なかったくらいで、とにかく広島を苦手としていて、そんな広島を象徴するのが北別府だったのだ。マジ中日戦で北別府が打たれた記憶が全然ない。他の試合で見てても、打たれても大崩れせず、大量失点とかまず考えられないピッチャーだった。バッタバッタと三振の山を築くタイプのピッチャーが好みだった当時の僕としては、絶妙のコントロールで勝負する北別府のスタイルはあまり好きではなく、けど打てないので、余計に憎たらしいピッチャーだったのである。今となっては懐かしい。若かったよな、何もかも(意味不明)

押しも押されもせぬ広島のエースだった北別府だが、日本シリーズで活躍した印象が薄い。1984年の日本シリーズは山根投手の方が目立ってた記憶があるし、セ・リーグのMVPになった1986年のシリーズですら、大野とか金石の方が印象に残ってたりする。1991年のシリーズでは、満を持して第3選に先発したが、好投むなしく西武・秋山のソロ・ホームラン一発で負け投手になっていた。大エースだったけど、日本シリーズには縁がなかったのだな。そういう人、案外多いけど。

地方球団ゆえか、実績もあり、実は結構男前であるにもかかわらず、北別府はやや地味な存在であったのは否めない。メディアに積極的に登場していた様子もない。ローカル放送ではそうでもなかったのだろうけど。ここいらは、広島も中日も似たようなもんだな。ただ、北別府学が球史に名を残した偉大なプロ野球選手であった事は、紛れもない事実である。

ところで、偶然にも同じ日に、元中日ドラゴンズの杉下茂氏の訃報も伝えられた。享年97歳。今では、その名を知らない人も多いかもしれないが、かつて中日のエースだった人だ。ただ、前述の北別府とは30歳ほど年齢が違う事からも察せられるように、かなり前の人である。が、ある意味、北別府以上の実績を残した選手と言えるかも。謹んでご冥福をお祈り致します。

杉下茂。1949年に中日ドラゴンズに入団し、一年目のシーズンは8勝に終わるも、翌年からは6年連続で20勝以上を記録(つーか、この6シーズンだけで168勝!)、中日での10シーズンで通算211勝を挙げ、この数字は後に山本昌に破られるまで、50年近くも球団最多記録だった。その後、1959年と1960年の2シーズンは監督兼選手として中日に在籍したが選手としては記録なし、1961年に大毎(現在のロッテ...かな。笑)へ投手コーチとして移籍して、現役復帰して4勝をマークし、生涯通算215勝とした。数字だけなら北別府とほぼ同じ。

杉下と言えば、なんと言っても1954年の中日の初優勝である。この年、杉下は32勝12敗防御率1.39という圧倒的な成績を挙げて投手部門のタイトルを総なめにし、中日の優勝に貢献してMVPを獲得した。その勢いを日本シリーズでも持続し、西鉄ライオンズ相手に7試合中5試合に登板して4試合で完投、3勝1敗の成績で中日を初の日本一に導きシリーズMVPとなった。

現役引退後は、阪神や中日の監督となったが、あまりいい成績は残せなかったようだ。その後、野球解説などやりつつ、1985年に野球殿堂入りしている。僕が中日愛(笑)に目覚めたのは、1974年の中日20年振りの優勝を経験してからだが、その時点で20年前の優勝時のエースが杉下だった訳で、申し訳ないが、当時は名前すら知らないし、もちろんプレーだって見た事はない。思い起こせば1982年、この年中日はリーグ優勝し、日本シリーズで西武と対戦したが、この時のシリーズ第4戦を西武球場まで見に行った事がある。その際購入したパンフレットに、過去の日本シリーズの歴史が第1回から詳しく掲載されていて、それを見て杉下という人は凄いピッチャーだったのだ、と遅まきながらようやく理解した。もっとも、そのパンフレットを見て知ったのだが、1950年代のプロ野球のピッチャーって、凄い人がたくさんいて、稲尾や杉浦は別格だけど、決して杉下だけが凄かった訳ではない。凄い時代だったなぁ、と1982年当時も思ったくらいで、今の感覚だとイメージ出来ないかも。ま、野球自体が違ってたというのもあるけどね。どっちがいいかはともかく。

杉下は、”フォークボールの神様"と言われていたが、実はフォークは1試合完投しても数球しか投げてなかった、とか、学生の頃から野球やってて、それなら肩も強いだろう、と徴兵されてから手榴弾遠投大会みたいなのに指名されて出場したものの、実は野球やってたけど弱肩で、そんな事言えないので、隠れて一所懸命練習してたら肩が強くなった、とか、なかなかに昔の人らしいエピソードの持ち主でもある。

北別府と杉下、正に新旧の大エースの訃報が同時に入ってきたのは、きっと何か意味があるのに違いない。あの頃とは、プロ野球も随分変わってしまった。そして、あの頃を象徴していた名選手たちが次々といなくなっていくのは、本当に寂しいものだ。仕方ないのは十分分かってるけど。

余談だが、ここ何年もプロ野球を以前ほど見てないので、当然、各チームの選手たちも知らない人が多い。世代交代しているので当たり前なのだが、反面、監督は皆知ってる人で現役の姿を見ている人たちばかり。そういうのを見ていると、監督は若返ってる感じはしない。皆さん高齢という感じでもないけどね。調べてみると、僕より年上は2人だけで、あとは60年代生まれが5人、70年代生まれが5人となっている。一番若い人で1977年生まれなので現在46歳。もう少し若い監督がいてもいいのでは、と思ったりする。あの星野仙一だって、初めて中日監督に就任した時は39歳だった。そろそろ80年代生まれの監督が登場してもいいのでは。ま、僕がプロ野球をよく見ていた時期の監督たちも、考えてみれば、当時の自分の父親と同世代と思われる人が多かったけどね^^; それと、昔と比べると、選手寿命が長くなってるような気もするので、指導者が現役引退後の仕事とするなら、若い監督は誕生しにくくなってる、というのはあるかも。

北別府学氏と杉下茂氏、ともにプロ野球の歴史に大きな足跡を残した大投手である。安らかにお眠り下さい。

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MFC presents 500 Favorite Albums Of All Time 280-261

2023年06月17日 17時41分15秒 | 私的歴代最高のアルバム500選

MFCオーナーの私的歴代最高のアルバム500選
280位→261位

☆280位☆

Danger Money/UK (1979)
デンジャー・マネー/UK
トリオになったUKの2nd。プログレ・キーボード・トリオと言えばELPだが、UKは同じトリオでもELPよりキャッチーで洗練され華麗ですらある。それは「ナッシング・トゥー・ルーズ」や「ジ・オンリー・シング・シー・ニーズ」あたりに顕著だ。テクニシャンで様々なスタイルに適応出来るテリー・ボジオの存在は大きい。そして「ランデブー6:02」は超名曲である。

☆279位☆

Rod Stewart Greatest Hits/Rod Stewart (1979)
ロッド・スチュワート・グレイテスト・ヒッツ/ロッド・スチュワート
フェイセズ解散後、ロッドはヒット連発で押しも押されもせぬスーパースターとなった。その時代のヒット曲を集めたアルバムである。悪かろうはずがない。マーキュリー時代の名曲「マギー・メイ」から誰でも知ってる大ヒット「アイム・セクシー」に至るまで、全く文句なしの選曲だが、「キリング・オブ・ジョージー」や「もう話したくない」が収録されているのも嬉しい。

☆278位☆

Venus And Mars/Paul McCartney & Wings (1975)
ビーナス・アンド・マース/ポール・マッカートニー&ウィングス
この頃ポールは絶好調だった。新生ウィングスを率いての初アルバムで、とにかく冒頭の「ビーナス・アンド・マース~ロックショー」からして圧巻。「磁石屋とチタン男」「幸せのアンサー」「ワインカラーの少女」やジミー・マカロック作の「メディスン・ジャー」など佳曲が続き、そしてポール入魂の名曲「あの娘におせっかい」に至る終盤まで、とにかく飽きさせない。

☆277位☆

Queen/Queen (1973)
戦慄の王女/クイーン
クイーンの記念すべきデビュー・アルバムは、グラムの香り漂うドラマティックなハード・ロック・アルバムである。ツェッペリン等の影響はあるだろうが、独特のギター・サウンドをはじめとして、既にその個性が確立されているのが凄い。やはり並の新人ではなかった。この頃のフレディは、中性的な感じの、やや線の細い声だが、本作でしか聴けない声でもある。

☆276位☆

Mark, Don & Mel 1969-71/Grand Funk Railroad (1972)
グランド・ファンク・ゴールデン・ディスク/グランド・ファンク・レイルロード
個人的には、グランド・ファンクへの扉は「孤独の叫び」のシングル盤と本作によって開かれた。タイトル通り3人組時代のベスト盤で、代表曲はほとんど収録され、入門編としては最適。「フットストンピン・ミュージック」「孤独の叫び」「ハートブレイカー」等々、今でも胸を熱くするキャッチーな名曲たち。グランド・ファンクは永遠である。

☆275位☆

The Best Of Linsey Buckingham/Linsey Buckingham (2018)
(日本未発売)
フリートウッド・マックの最重要人物であるリンジィ・バッキンガムのソロ作品のベスト盤。悪かろうはずがない。どの曲もキャッチーで聴かせ所も十分、とにかく退屈したり飽きたりする事はない。さすが才人である。ただ、この人イコールマックでもあり、どの曲もマックみたいに聞こえてしまうのがやや残念。ドラムもマックと同じミック・フリートウッドだったりするし。

☆274位☆

Cheek To Cheek/Tony Bennett & Lady GaGa (2014)
チーク・トゥー・チーク/トニー・ベネット&レディ・ガガ
この顔合わせからは一瞬想像出来なかったが、本格的にスイングしている。ひ孫みたいなレディ・ガガと渡り合うトニー・ベネットも凄いが、ガガも凄い。火花を散らしつつも和気藹々としたムードで、スタンダードを現代に蘇生させている。普通にジャズ・ボーカルのアルバムとして高い水準の作品だ。とにかく素晴らしい。スイングしなけりゃ意味ないよ。

☆273位☆

Hits/Boz Scaggs (2006)
ヒッツ/ボズ・スキャッグス
1980年のベスト盤の新装版。2曲減らして7曲増やし、トータル15曲収録。個人的には、「ロウダウン」「ジョジョ」「ミス・サン」がボズの3大名曲と思ってるので、この3曲が収録されていれば文句なし。他の有名曲やシングル曲も網羅しているので、入門者向けとしても最適。世間ではボズ=オシャレなAORだが、意外といなたい所も楽しんで欲しい。

☆272位☆

The Battle For Everything/Five For Fghting (2004)
バトル・フォー・エブリシング/ファイブ・フォー・ファイティング
ジョン・オンドラジクのソロ・プロジェクトであるファイブ・フォー・ファイティングの3枚目のアルバム。全体的にシンガー・ソングライター的な作風ではあるものの、内省的には感じられず聴きやすい。ピアノを基調としたサウンドにドラマティックなストリングスが重なる所はエルトン・ジョンを彷彿とさせる。静かな怒りを歌っているらしいが、一般にもアピールするものはあると思う。

☆271位☆

Be Not Nobody/Vanessa Carlton (2002)
ビー・ノット・ノーバディ/バネッサ・カールトン
名曲「サウザンド・マイルス」を引っさげて颯爽と登場したバネッサ・カールトンは、一躍注目の存在となった。このデビュー・アルバムも、ピアノのテクニックや自作曲の良さはもちろんのこと、既に自身の方向性をしっかりと認識しているかのような佇まいが頼もしい。艶っぽい声にリリカルなピアノという、彼女の持ち味を十二分に堪能出来る一枚。

☆270位☆

The Very Best Of Jethro Tull/Jethro Tull (2001)
ベリー・ベスト・オブ・ジェスロ・タル/ジェスロ・タル
21世紀に入って新たに編集されたベスト盤。入門編としてもファンのコレクションとしても最適。ブルース、プログレ、トラッド、ハードロック等を自在に取り込むリーダーのイアン・アンダーソンに注目が集まるが、様々なスタイルに適応するギターのマーティン・バレも凄い。この人がいなければ、タルもこれだけの作品を生み出せなかったのでは。

☆269位☆

Bridge/Blues Traveler (2001)
(日本未発売)
元々、アメリカン・ロックのバンドとはいえ、メンバーの技術レベルの高さには定評があり、その高度なテクニックを生かしたインストパート重視の曲作りは相変わらずで、スリリングな演奏に引き込まれる。キーボードが加わったことで、よりインストが充実してきたような気がする。彼らも新しい局面を迎えたという事なのだろうか。とにかく、カッコいいの一言。

☆268位☆

This Is Where I Came In/Bee Gees (2001)
ディス・イズ・ホエア・アイ・ケイム・イン/ビージーズ
ビージーズの21世紀初アルバムは、新たな方向性を提示した重要作であるが、結果的にラスト・アルバムとなった。珠玉のメロディは相変わらずだが、AOR的作風からの脱皮を図っており、その成果は特にタイトル曲や「シー・キープス・オン・カミング」あたりで発揮されている。派手でもオシャレでもないが、重厚なかつシンプルな音作りも素晴らしい。

☆267位☆

Vavoom!/The Brian Setzer Oechestra (2000)
ヴァヴーム!/ブライアン・セッツァー・オーケストラ
ブライアン・セッツァーが大所帯バンドで追求するのは、ロカビリー、スイング・ジャズなど古き良きアメリカ音楽。いわゆるアメリカーナというジャンルか。グレン・ミラーなどでお馴染みのスイングの名曲カバーに、アメリカンな雰囲気たっぷりの自作曲を交え、ノスタルジックながらもダンサブルな楽しいアルバムに仕上げている。

☆266位☆

Chocolate Starfish And The Hot Dog Flavored Water/Limp Bizlit (2000)
チョコレート・スターフィッシュ・アンド・ザ・ホット・ドッグ・フレイバード・ウォーター/リンプ・ビズキット
初めて聴いた時の衝撃は相当なものだった。パンクでヘビメタでヒップホップでラウドな世界。これらの要素が無理なく混在し、明らかに新しいスタイルを提示している。当時話題だった『ミッション・インポシブル2』のテーマ曲を筆頭に、収録曲はひたすらカタルシス。これぞ、ティーン・エイジャー御用達であり、またロックはかくあるべき、とも思う。

☆265位☆

You Got It Coming/Jeff Beck (2000)
ユー・ガット・イット・カミング/ジェフ・ベック
ベックの復活第二弾。インスト中心のデジタル・ロック的作風に大きな変化はないが、ギターもバックの音もより研ぎ澄まされた印象。余計なものは排除され、ひたすらベックのギターが唸りを上げる。実に素晴らしい。シンプルなプレイなのに、ここまで聴く者を圧倒させられるのは、ジェフ・ベックだからこそ。やっぱりベックは凄い。

☆264位☆

The Last Days Of Disco -Original Soundtrack- (1998)
ラスト・デイズ・オブ・ディスコ/オリジナル・サウンドトラック盤
映画は日本未公開。ディスコが舞台なのかどうか分からないが、サントラ盤は往年のディスコ・ヒット満載で、オールド・ファンにはたまらない内容。目玉は1979年のアリシア・ブリッジス「I Love The Night Life」のオリジナルと、このサントラの為のカバーの両方が収録されていること。ほぼ20年振りにクローズ・アップされたのは喜ばしい。

☆263位☆

Slang/Def Leppard (1996)
スラング/デフ・レパード
ビビアン・キャンベル加入後の初アルバムは、それまでのキャッチーなハード・ロックからオルタナの影響が濃いソリッドなロックに路線変更し、賛否両論が渦巻く作品となったが、久々にブリテイッシュ・ロックらしい雰囲気で、クォリティは高い。ツェッペリン、シン・リジィといった偉大なる先駆者たちへのリスペクトが感じられるのもいいと思う。

☆262位☆

The Very Best Of Cream/Cream (1995)
ベリー・ベスト・オブ・クリーム/クリーム
長尺のブルース・ナンバーやソロの応酬ばかりがクリームではない、という事がよく分かるベスト盤。デビュー曲の「包装紙」「スイート・ワイン」「エニワン・フォー・テニス」といった風変わりなポップ・ナンバーが意外だが楽しめる。もちろん、「サンシャイン・ラブ」「ホワイト・ルーム」等の定番ヒットも漏れはない。「ストレンジ・ブリュー」「スーラバー」あたりも外せない。

☆261位☆

Talk/Yes (1994)
トーク/イエス
トレバー・ラビン体制のイエスとしてはラスト作。タイトでスリリングな演奏にジョン・アンダーソンのボーカル、というスタイルは変わらず、プログレ風組曲も収録され、80年代からの路線の集大成みたいな雰囲気。イエスの名前を使うのが勿体ないくらいの独特の世界を作り上げている。バンドのロゴも新しくなり、イエスは違う地平に進むかと思われた。

次回は、260位→241位です^^

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かくも長き空白

2023年06月13日 23時20分25秒 | あれこれレポート

あれから4年が過ぎてしまったのである。

 

大阪時代の盟友であったJunGreen氏が亡くなってから、いつのまにか4年が経っていた。早いものだ。ついこないだのような気がしていたけど、4年も過ぎていたとは...その間、一体何をしていたのだろう。

という訳で、コロナ禍も多少は収まり(まだ感染者は多いけど)、感染予防の考え方も変わってきた昨今、そろそろいいでしょう、とばかりに、JunGreenを偲ぶ会が行われる事になった。主催者はあのjazzさん、場所はやっぱり京都北山の旧BBA現be-sevenである。で、僕も参加してきた。やはり懐かしいしね。

4年前の11月、やはり北山のbe-sevenで、JunGreenを偲ぶ会が開かれた。あれから4年半振りの京都北山である。店に入っていくと、マスターはじめ懐かしい顔ばかりなんだけど、皆さん、あまり変わってなくて、それほど懐かしいという感じではなかった。ほんと、お元気そうで何より。この年になると、かつての仲間の無事を確認するだけでも嬉しかったりなんかする(爆)

かつては、ほぼ毎週末にはセッションに通ったbe-sevenである。当然セッションもあるのだが、僕の場合、コロナ禍のせいにする気は毛頭ないが、この3年間全くドラムセットに座っておらず、まともに演奏出来るかどうか疑わしいところだったので(笑)、一曲だけの参加にしてもらった。で、セットリストはというと、

We Will Rock You (Fast)
Spread Your Wings
Crazy Little Thing Called Love
Love Of My Life
'39
Bohemian Rhapsody
Tie Your Mother Down
We Will Rock You
We Are The Champions

かなり少なめ(笑)僕以外にもブランク長かった人がたくさんいたのだろうか(笑) ま、僕は一曲だけだったんだけど、本人は思ったより満足で、もっとやりたいな、なんて思ってしまった(爆) ま、それはまたの機会に。

この夜、be-sevenに集まったのは、30人弱くらいかな。言っちゃ悪いが、単にクイーン・セッションというだけでは、これほど集まらなかったと思うので、やはりJunGreenなのだろう。今さらながら、その人脈には恐れ入る。けど、店内は湿っぽい雰囲気はなく、みんな明るく賑やかで良かった。久々楽しい時間でした。

主催者のjazzさん、be-sevenのマスター、そして集まった皆さん、本当にお疲れさまでした&ありがとうございました。次は是非セッションやりたいな。クイーンでもビートルズでもフォリナーでもいいから(笑) やっぱbe-sevenではセッションしないと。

という訳で、これで終わりにするのも何なので、おまけ(笑)

京都の帰路、せっかくなんで名古屋に寄って、ヨコイであんスパ食べてきた^^

僕はピカタで妻はミラカン。さすが元祖ヨコイ、美味かったです。で、こんなのも買ってみた。

あんスパのパスタスナックとのこと。お味はどうなんだろう? まだ食べてないので(笑)

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MFC presents 500 Favorite Albums Of All Time 300-281

2023年06月05日 22時24分19秒 | 私的歴代最高のアルバム500選

MFCオーナーの私的歴代最高のアルバム500選
300位→281位

☆300位☆

Eat A Peach/The Allman Brothers Band (1972)
イート・ア・ピーチ/オールマン・ブラザーズ・バンド
レコーディング中にデュアン・オールマンが亡くなり、この2枚組アルバムはデュアン在籍時の録音とデュアン抜きの録音とで構成されているが、どちらも遜色はなく素晴らしい出来映えだ。デュアン抜きの曲では「時はもう無駄に出来ない」などでの、グレッグの作曲センスが冴えている。デュアン存命時の曲では「ワン・ウェイ・アウト」「トラブル・ノー・モア」のブルース・カバーが白眉。

☆299位☆

Friends/Elton John -Original Soundtrack- (1971)
フレンズ(オリジナル・サウンドトラック盤)/エルトン・ジョン
新進気鋭のロッカーがティーンエイジャーを題材にした青春映画のサントラを手がけるのは、当時のトレンドであっただろう。エルトン-バーニーの詩情溢れる曲たちは、見事なまでに映画にフィットしており、見ていなくても楽しめる。タイトル曲はエルトンのキャリアからすると地味だが、彼の代表的な名曲たちと比較しても遜色ない名曲である。

☆298位☆

Fire And Water/Free (1970)
ファイア・アンド・ウォーター/フリー
ヒット曲「オールライト・ナウ」を含むフリーの出世作であり代表作。「オールライト・ナウ」ばかりが目立つが、タイトル曲はじめ収録曲は佳曲揃い。ロジャース-フレイザーのソングライターコンビは絶好調だったようだ。20才そこそことは思えない、深みのあるブルース解釈も素晴らしい。特にポール・コゾフのギター・プレイは凄みだけでなく狂気すら感じさせる。

☆297位☆

Eli And The Thirteenth Confession/Layra Nyro (1969)
イーライと13番目の懺悔/ローラ・ニーロ
1stほどではないが、ポップな曲を披露する反面、情念を吐き出すようなエキセントリックな曲も多く、ローラが最も才気走っていた時期のアルバムと言えるのでは。一度聴いたら、聴く者を虜にせずにはおかない世界だが、一般受けは確かに難しいだろう。スリー・ドッグ・ナイトの「イーライがやってくる」のカバーが全米トップ10入りしたのが不思議なくらい。

☆296位☆

Hittin' The Note/The Allman Brothers Band (2003)
ヒッティン・ザ・ノート/オールマン・ブラザーズ・バンド
90年代初頭に復活したオールマンズが、ウォーレン・ヘインズとデレク・トラックスのギタリスト2人を擁して発表した21世紀のオールマンズの姿がここにある。どの曲も豪快で迫力満点、かつてと比べると、まるで重戦車のようだ。しかし、ブルース・フィーリングは忘れず、ジャムの精神も引き継がれている。相変わらず曲も良い。オールマンズは決して過去のバンドではなかった。

☆295位☆

The Very Best Of The 5th Dimension/The 5th Dimension (1999)
ベリー・ベスト・オブ・フィフス・ディメンション/フィフス・ディメンション
60年代から70年代にかけてヒット・チャートの常連、2曲の全米No.1ヒットを持つヒットメーカーだが、現在では忘れられてるかも。メンバー全員黒人とは思えない、サイケでポップでオシャレなサウンドが特徴のコーラス・グループ。ローラ・ニーロの曲を多く取り上げヒットさせたが、確かに本人のバージョンよりも洗練されたポップスに仕上げている。素晴らしい。

☆294位☆

Venus Isle/Eric Johnson (1996)
ヴィーナス・アイル/エリック・ジョンソン
エリック・ジョンソンの、ギタリストとして以上にソングライター、プロデューサーとしての才能が発揮されたアルバム。ドラマティックで華麗にアレンジされたアンサンブルが楽しめる。小粋なインスト「マンハッタン」も本作で聴ける。コンセプト・アルバムのような作りだが、収録曲それぞれも出来が良いので、曲単位で聴いてみるのも良い。

☆293位☆

Night And Day/Joe Jackson (1982)
ナイト・アンド・デイ/ジョー・ジャクソン
ジョー・ジャクソンのピアノ以外は、ベース、ドラム、パーカッションという編成で録音されたアルバム。跳ねるようなピアノにパーカッションが絡むサウンドは、ラテン風でもファカラティーナ風でもあり、人種のるつぼと言えるニューヨークを表現しているかのよう。「ステッピン・アウト」がヒットしたが、それ以外の曲もグレードが高く、聞き飽きないアルバムである。

☆292位☆

Exit Stage Left/Rush (1981)
ラッシュ・ライブ~神話大全/ラッシュ
ラッシュがプログレ・ハード・ロック・トリオであった時期の集大成ライブ盤。お馴染みの曲が並ぶセットリストは圧巻。とにかく超絶技巧を駆使した演奏は凄いの一言。加えて、ドラマティックであり一緒に口ずさんでしまう大衆性も素晴らしい。隙なく構築された完全無欠のライブ盤の名作である。邦題もそんなラッシュのイメージを実に上手く表現した名邦題と言える。

☆291位☆

Best Of England Dan & John Ford Coley/England Dan & John Ford Coley (1979)
ベスト・オブ・イングランド・ダン&ジョン・フォード・コリー/イングランド・ダン&ジョン・フォード・コリー
1976年のヒット「秋風の恋」は70年代を代表する名曲である。ただ、彼らはこの曲以外にも名曲を世に送り出している事を忘れてはならない。カントリーやフォークのテイストを感じさせるサウンドをバックに、「眠れぬ夜」「愛こそ証」といった曲もヒットさせている。「雨のうた」「涙の面影」といった曲で聴けるプログレ的展開も面白い。

☆290位☆

Led Zeppelin Ⅳ/Led Zeppelin (1971)
レッド・ツェッペリンⅣ/レッド・ツェッペリン
厳密には、このアルバムにタイトルはないが、一番有名なアルバムである。名曲揃い。「ブラック・ドッグ」「ロックンロール」「天国への階段」が並ぶA面も良いが、「ミスティ・マウンテン・ホップ」で始まり「レビー・ブレーク」で終わるB面を、ここでは敢えて推したい。この時点での彼らの新生面が聴けるのは、実はB面なのである。

☆289位☆

I Knew You When/Bob Seger (2017)
(日本未発売)
"This album is dedicated to the memory of Glenn Frey"とのクレジットが涙を誘う。ボブ・シガーにとって現時点での最新作。基本路線に変更はないが、曲の出来が良いせいか、歌も演奏も実に素晴らしく、ワンパターンでもいいから俺はこれで行く、みたいなブレというか迷いのない姿勢が感じられて感動的な一枚。

☆288位☆

Four/Blues Traveler (1994)
フォー/ブルース・トラベラー
"ハーモニカのバン・ヘイレン"の異名をとるジョン・ポッパーを中心とするアメリカン・バンド。カントリー風なのどかな曲も得意だが、ファンキーなサウンドも持ち味としている。ヒットした「ラン・アラウンド」や「フック」など実にオーソドックスなアメリカン・ロックだが、メンバーは皆テクニシャンで、インスト曲もカッコいい。バンド名の由来はブルース・ブラザーズらしい。

☆287位☆

River Of Dreams/Billy Joel (1993)
リバー・オブ・ドリームス/ビリー・ジョエル
本作以降、ビリー・ジョエルはオリジナル・アルバムを発表していないので最新作ということになるが、過去のイメージを変える事なく、ロック寄りの音楽性を打ち出した傑作である。「The Great Walls Of China」「Blonde Over Blue」「Famous Last Words」といった曲に、ロッカーとしてのビリーが姿が見える。曲も粒よりで、決して過去の名盤にも負けてない。

☆286位☆

ABBA Gold/ABBA (1992)
アバ・ゴールド/アバ
1992年、イレイジャーのアバ・カバーのヒットにより、突如アバが再注目され、本ベスト盤がベスト・セラーとなった。70年代に数多くの名曲を送り出し、やや人工的な香りのするボーカルやサウンドも独創的で、後のユーロ・ビートなどにも大きな影響を与えたのではなかろうか。正に時空を超えたエバー・グリーン、個人的には「ママ・ミア」「恋のウォータールー」がイチ推し。

☆285位☆

Giving You The Best That I Got/Anita Baker (1988)
ギビング・ユー・ザ・ベスト・ザット・アイ・ガット/アニタ・ベイカー
ヒットした前作と基本路線は変わらず、ゴージャスで洗練されたサウンドと、シルクのようなボーカルに酔いしれるアダルト・コンテンポラリーな世界。アニタ・ベイカーの声と歌の魅力もさることながら、それを最大限に生かす曲とサウンドのマッチングが最高。タイトル曲をはじめ、「Priceless」「Just Because」等々実に素晴らしい。同じように聞こえる人も多いと思うが。

☆284位☆

Anthology Of Bread/Bread (1985)
アンソロジー・オブ・ブレッド/ブレッド
ロックとは違うと思うが、かといってAORやアダルト・コンテンポラリーでもない。ブレッドは唯一無比である。洗練されたコード進行に繊細なメロディ、ソフィスティケイトされたサウンドで一時代を築いた。「イフ」や「愛の別れ道」が有名だが、他にも「二人の架け橋」「スイート・サレンダー」等名曲多し。個人的にはリアル・タイムで聴いた「愛のかけら」が印象深い。

☆283位☆

Knights Of The New Thunder/TNT (1984)
ナイツ・オブ・ザ・ニュー・サンダー/TNT
ノルウェーから登場したTNTの2nd。メロディアスでドラマティックなハード・ロックである。冒頭のタイトル曲からして、シンプルなリフが実にカッコいい。ボーカルの実力も申し分なく、ギタリストも有能である事が窺えるが、ソロではブッ飛んだフレーズを繰り出してくる。テンション高いA面に対し、B面になると気が抜けた曲が並ぶのも、B級っぽくてご愛嬌。

☆282位☆

Through The Fire/Hagar, Schon, Aaronson, Shrieve (1984)
炎の饗宴/ヘイガー、ショーン、アーロンソン、シュリーブ
サミー・ヘイガーとニール・ショーンを中心にしたプロジェクト。オーソドックスてギミックのない痛快なロック・アルバムで、ニール・ショーンも弾きまくっている。「青い影」の名カバー以外のオリジナルもグレード高い。前評判の割には売れなかったそうで、もし成功していたら、その後のバン・ヘイレンやジャーニーはどうなっていたのだろう?

☆281位☆

Pyromania/Def Leppard (1983)
炎のターゲット/デフ・レパード
正に出世作であるが、この時点では、キャッチーな作りではあるものの、ブリティッシュ・ロックらしい重厚さや陰影のようなものは残っていて、アメリカナイズされる一歩手前で踏みとどまっている感じ。それが本作を名盤たらしめている要因であろう。元々ハードロックとはいえグラム寄りの音楽性のバンドであり、それは「ロック!ロック!」や「フォトグラフ」といった曲に顕著である。

次回は、280位→261位です^^

コメント (2)
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