ひとり旅への憧憬

気ままに、憧れを自由に。
そしてあるがままに旅の思い出を書いてみたい。
愛する山、そしてちょっとだけサッカーも♪

やっぱり登りたい!:「月夜の晩に・・・」

2019年07月31日 23時32分44秒 | Weblog
時刻は18時を過ぎていた。
明日の朝は5時のスタート予定であり、できれば20時頃には就寝としたい。

「やばい、ちょっとのんびりし過ぎた。」
やや焦りもあったが、楽しみの夕食だけにできる限りは美味しく作りたい。
美味しく作ると言ってもこんな自分が作るものだけにたかが知れてはいる。
それに体力を使い疲れもあれば、どんなものでもそれなりに美味く感じてしまうものだ(笑)。


今夜のメニューは「冷凍肉飯(大盛りチャーハンの様なもの)」「レトルトビーフシチュー(2人前:コンビーフの肉増し)」「コンソメ&ブイヨンスープ」の三品。

まぁ10分もあれば出来てしまうものだが、肉飯を炒めている時の香りがたまらなかった!
換気をしているとはいえ、テント内に充満する食欲をそそる香り、そしてジュージューという音。
この時ばかりは腹の虫が鳴いていた。


はい、完成!
さっそくいただきます。 m(_ _)m

外はまだ小雨が降っていた。
雪の上で三人で食べたかったが、致し方あるまい。
今宵は独りで味わおう。

夕食と後片付けが済み、食後の珈琲を飲むために外へと出た。
日が暮れれば肌寒さはかなりのものだったが、幸い雨が上がり周囲の3000mを越える山を眺めながら飲んだ。


今のところ明日の天候はまずまずの様だが、やはりあのことだけが気がかりだった。
ザイテングラードの雪崩だ。

ここからでもデブリの跡がはっきりと目視できる。
しかもザイテングラードの両サイドにだ。
「どっちから攻めても同じかな・・・。」
一応今回はザイテンの北側(右手)から登攀をしようと決めていた。
つい先日30人を巻き込んだ大雪崩のあったコースだ。
一度大きな雪崩が起きたコースならしばらくは大人しくしてくれるだろうという推測だが果たして・・・。

20時過ぎにはシュラフに入った。
前日の睡眠不足と疲労からあっという間に眠りに入った覚えはある。
ところが、深夜に何故か目が覚めてしまった。
腕時計のライトをつけると12時24分だった。
「あと3時間は眠れるのになんでだ・・・もったいないな。」

ついでだったがフライシートを開け空を見上げた。
雲の合間から見える星が綺麗だった。
奥穂高岳の方角に月が見えた。
「ちょっと得したかも」
そう思えば目が覚めてしまったこともラッキーに感じた。


少し酒を飲んでもう一眠りしようかとも考えたが、酒だけはやめにした。
「アタック前日に酒を飲むと、翌日は雨(雪)が降る」という自分なりのジンクスがある。
「やっぱり飲むのはアタックが成功してからにするか」

ちょっと一人でにやけながらシートのジッパーを下ろした。

三年ぶりの雪の奥穂高岳。
今回は人を連れてのことだけに責任は重い。
よくよく考えてみればあれほど単独で挑んでいた数々の雪山や劔岳を、ここ数年は職場の若者を連れて登っている。
誘いもするが、連れて行って欲しいとお願いされることも多い。
快く承諾はするものの、それってある意味無責任ではないのかとも感じる。

「こんな俺に、人を連れて雪の3000mを登るだけの技術・知識・経験・体力があるのか・・・。劔岳に案内するような経験を積んでいるのか・・・。」
「おまえ、少し天狗になっていないか?」
そう自問することもある。

だぁー! 今は考えるのはやめよう。
早く寝なきゃ!



やっぱり登りたい!:「デブリを歩く」

2019年07月28日 23時38分09秒 | Weblog
登り始めてすぐ、雪面の状態が急変した。
「デブリ」である。

デブリとは、雪崩が起き流れ落ちた雪のかたまりが堆積した状況のことで、歩き難さはこの上ないものだ。
雪のかたまりが極端な凹凸となり不安定となるが、まだそれだけなら良い方で、いきなり「ズボッ!」と膝近くまで埋もれることも頻繁にある。
二年前にはそれが原因で膝を痛め撤退を余儀なくされた苦い思い出がある。


デブリの上を登って行くN君とKMさん。
ザックが重い分足取りも鈍くならざるを得ない感じだ。

しばらくはデブリが続いたが、やがて落ち着き幾分登りやすくはなった。
しかし今度は斜度が厳しくなってきた。
テン場まではまだ遠く、あと一時間程はかかるだろう。
「その先を右に曲がれば吊り尾根が見えてくると思うよ。ガスってなければ奥穂も見えるから。」
そう言って励ますが、現実はやはりつらい。
今日一番の頑張りどころが「今」である。

やがて右へと曲がると、吊り尾根が見えてきた。
いやが上にもテンションが上がる。
奥穂を指差しながら「明日はあのてっぺんだよ。」と言うと、歓び半分不安半分と言った表情のKMさん。
N君は「うぉーすっげー!」と歓喜の声。
対照的な二人ではあったが、本音を言えばリーダーとして連れて行く立場の自分はやや不安が大きかった。


涸沢ヒュッテがはっきりと目視できるポイントまで来た。
「もうすぐですね♪」と嬉しそうなKMさん。
彼女には申し訳なかったが「でもなぁ、ここからが遠いんだよ・・・。なかなか近づいてきたという実感が湧かないんだよ・・・。」
疲労感が増してしまうような返事だったが、事実この日も「まだかまだか」の愚痴をこぼしながらテン場を目指した自分だった。

本谷橋を出発して約2時間、やっとテン場へ到着した。
長かった・・・。
歳取ったなぁ・・・体力が落ちたなぁと、嫌でも実感した。

先ずは設営ポイントを各自で決めるが、ここは自分の出番だと思い、できるだけ設営が楽そうな場所を選んであげた。
自分はまぁ何とでもなるから、二人を優先的した。
受付を済ませ、設営開始。
とは言え、雪山でのテント設営が初めての二人にとってはいつもの手順とは行かない。
いくら跡地を利用するといっても「ならし」は必要だ。
自分が担いできたスコップでより丁寧に雪面をならしてから竹ペグをダウン。
ダウンの仕方も夏山とは大違いであり、幾つかやって見せてから各自に任せた。
自分の設営が遅れてしまったがそんなことはどうでもよい。
ここで三日間過ごすことになるわけだし、時間はかかっても丁寧にやるべきだ。

「さぁて、ゆっくり珈琲でも飲もうか♪」
夕食の前にちょっとだけくつろぐことも大切。
お湯を沸かしみんなで珈琲ブレイクとした。

直後、どうやら雨がポツリポツリと降り始めた。
夕食は各自で作るが、予定では一箇所に集まり作って食べることになっていた。
急遽各自がテントの中で作ることにした。
おしゃべりをしながら楽しいひとときを楽しみにしていたが、雨には勝てない。
明日の予定を確認し、それぞれのテントへと戻った。

さすがに腹が減った。
今夜のメニューは冷凍食品とレトルトを使った簡単メニューだが、冷凍食品を利用できるのも今回が最後になるだろう。
雪山とはいえ、春が終われば一気に気温も上がり保存にも限界が生じる。
野菜もそうは利用できなくなる。
登山では季節によってメニューが大きく変わってしまうのは常だ。

今年の夏山は何を作ろうかな。
今から楽しみだ。

やっぱり登りたい!:「残雪の多さ」

2019年07月23日 00時33分24秒 | Weblog
橋を渡ってすぐのことだった。
目の前にでかい猿が一匹なにやら口に入れてむしゃむしゃ。
思わず一枚撮ったが、雪崩への不安を和ませてくれる出会いが嬉しかった。


とにかくでかい猿。(笑)

徐々にルート上に雪が目立ち始めたが、まだアイゼンは不要。
予定ではこの先の「本谷橋」で装着する。

二年前の丁度この時期だった。
単独で奥穂高を目指していたが、残雪を踏み抜いてしまい古傷の左膝を痛めた。
半月板損傷で4度メスを入れた膝であり、この時はかなりの痛みだった。
しばらくは雪をレジ袋に詰め込み患部を冷やしたが、再スタートを試みるも痛みが激しくその場で登頂を断念した。
足を引きずるようにして何とか横尾山荘までもどり、そのまま上高地までと考えた。
しかしこの痛みで足を引きずりながらだと何時間かかってしまうか分からないと判断。
予定にはなかったが横尾山荘に一泊し、翌日7時間程掛けて上高地まで戻った。
(「どのあたりだったかな。本谷橋のちょっと手前だったと思うけど・・・。」)
そんなことを思い出しながら歩き続けた。


汗ばむ程になってきたけど頑張るKMさん。
このか細い体だけに、60リットルのザックが80リットルくらいに大きく見える。(笑)


さすが若さのN君、足取りが軽い。(羨ましい)

しばらくして「屏風岩」の真正面まで来た。

ほぼ垂直の岩壁に近いこともあり表面の雪はなくなっていたが、下部にはまだたっぷりと残っていた。
「こりゃ奥穂の雪も期待できるぞ。でも雪崩がなぁ・・・」
どうしても「雪崩」の二文字が頭から離れない。

一息つき一服していると「ザァー」という音に気付いた。
「ひょっとしてあの音か・・・」と思い音のする方向を見てみると、やはり屏風岩から流れ落ちている滝の音だった。
正確に言えば雪解け水が滝となって流れ落ちているだけなのだが、この時期しか見ることのできない光景にちょっとだけ感動した。


赤い○が滝となっている箇所。
かなりの量で落ちていた。
GW明けの時期には何度も通っているが、雪解け水が滝となっている光景は過去に二度しか見ていない。
他の二人にとっては初めて見る期間限定の滝、「へぇー積もったんですね」と感心しきりの様子。
この場所からでは分からない積雪量が、あの岩のてっぺんにはあるのだろう。

本谷橋まで時間的にもうすぐというポイントで、北穂高岳の東面が見えてきた。


いよいよ本格的雪山が近づいてきたことへの感動と不安が混沌としている様子が伺える二人だった。
内心はしゃいでいるのは自分だけだろう。

一時間ちょっとで本谷橋に着いた。

ここで昼食を食べると同時にアイゼンを装着する。


川全体はまだ雪の下であるが、部分的には見えていた。
するとKMさんが「えっ、この雪の上を歩くんですか? 落ちたらまずいですよね。」
真剣な眼差しだったが「そうねぇ、雪が割れて落ちたら流れて行くところまで行くしかないだろうねぇ。」
と自分も真剣な表情で答えた。
(「うっ! まずい。冗談が通じていない。。。」)

「はは、大丈夫だよ。たぶんね♪」
と付け加えたが、こんな時はどう言ってあげれば良かったのか。いまでも少し反省している。

腹も満たし、アイゼンも装着。
いざ、涸沢へ向けて出発。



やっぱり登りたい!:「桜はまだかいな」

2019年07月18日 23時25分00秒 | Weblog
最初の休憩ポイントである「明神館」まで、約50分だった。
朝食をまだ食べていないこともあり空腹感はあったが、次の徳澤まで頑張ることにした。
理由は簡単だ。
今日のこの好天、どうせならお日様の光を浴びながら食べた方が気持ちが良いだろうということ。
空腹ではあったが、早く食べたい思いもありやや急ぎ足で徳沢へ向かった。


木々の合間からの木漏れ日が美しい。
ザックは重いが、この美しさが僅かでもその重さを軽減してくれている。(ような気がする)

そしてこのコースでの楽しみの一つ。
「ニリンソウ」だ。
この時期、若干のズレはあるが間違いなく群生となって目を楽しませてくれる。

さっそく幾つか見つけることができたが、残念ながら今年はやや時期尚早かも知れない。

ピンクに見えるのは花びらの裏側であり、まだ完全に咲きそろってはいなかった。


足元にニリンソウを見つけては写真を撮っているKMさん。
剱に登ったパワーウーマンとはいえ、やっぱり乙女だった。(失礼)

画像では殆ど葉しか分からないが、結構咲きそろっている所もあった。

なんだかんだでニリンソウに癒されながら徳澤へ近づいてきた。
その証拠がこれだ。


山桜。

徳澤園のすぐ手前にある桜の樹木で、自分ににとってはこの桜が一つの指標のような役割をしてくれている。
「まだ蕾か・・・。ちょっと残念だけど、明後日ここを通る時にはどうなっているかな・・・」
そんな楽しみ方も登山ならではのものかも知れない。

建物の外でベンチに座りながら朝食を食べた。
気持ちが良い・・・しかし暑い。
雨に降られ寒い思いをしながら食べるよりは遥かにましだが、スタートして2時間、しかもこれだけの重量を背負ってとなると汗もかき始めた。

次は横尾へ向けての出発だ。
腹もまぁ満たしたし足取りも軽い。


梓川沿いの樹林帯を歩く。

この道を何度歩いたことだろうか・・・。
平坦な道ではあるが、涸沢をベースとするなら必ず往復この道を歩くことになる。
涸沢へ向かう時は、いつも同じような思いになる。
「ザックが重い。体がまだ慣れていない」
「明日のアタックの天気はどうかな・・・」
「事故なく、怪我なく登れるだろうか。いや、そうでなきゃならない。」

そしてもう一つ、いつもいつも思うこと・・・。
「俺は、帰りはどんな気持ちでここを歩いているんだろう」

充実感や達成感で一杯なのか、それとも敗北感を感じているのか・・・。
大好きな徳澤園のソフトクリームをどんな気持ちで食べているのか・・・。
アタックのことよりも、下山時の復路でどんな気持ちでここを歩いているのかという、数日後の自分自身を想像しながら涸沢へと向かう。
そう、いつもだ。

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残雪が現れた。
壁になっれいる分、例年よりも多いかも知れない。


徐々にだが、涸沢に近づいてきたという実感が湧いてくる。

戯れに登ろうとするが、前爪なしではどうすることもできない。
するとN君がこんな事を聞いてきた。
「奥穂の壁ってこれくらい(斜度が)あるんですか?」
「その年によって違うから何とも言えないけど、ポイントによってはこれくらいあっても不思議じゃないと思う。」
その時のN君の驚いた顔が印象的だった。
雪壁を初めてトライする時、実際には70°程度の壁であっても、それが完璧な垂直の壁に見えてしまうことはよくあることだ。
N君の不安はよく分かる。

予定よりもやや遅れてはいるが横尾に到着。
さすがにGWほどの登山者はいなかったが、何人かがベンチで休んでいた。


二人にはここで休んでもらったが、自分はそうもしてはいられなかった。
一応はリーダーだし、やらねばならないことがあった。

涸沢方面から下山してきであろうと思える登山者から情報収集をした。
これから先のルート状況、涸沢の積雪、奥穂へ登った人であればザイテングラードや雪壁の状態。
そして、何よりも最新の「雪崩情報」が欲しかった。

嫌な情報を得た。
大小の雪崩が頻繁に起きているようだ。
自分たちが登るルートはもちろん、北穂の南壁では大きな雪崩で数人が巻き込まれたばかりらしい。

事前の下調べで分かってはいたことだが、やはり現地の直前の情報には叶わない。
天候が良いことは決して悪いことではない。
だが、それにより起こりうるリスクもある。
明日のアタックはかなりリスキーな登攀になるかも知れない。
おそらくザイテングラードでは、デブリ(雪崩の跡)の上を登ることになるだろう。

今はまだこのことは話さない方がいいと考えた。
言わなければならないことだが、テントの設営が終わり、アタックへの最終確認の時に話そうと決めた。
その時大切なことは「決して大袈裟には言わないこと」だ。
事実は事実として伝えるが、不安を煽ることだけはしてはならない。


吊り橋を渡り「本谷橋」へ向けて出発。
しばらくは雪崩のことが頭から離れなかった。

やっぱり登りたい!:「行くぞ! 奥穂高岳」

2019年07月15日 23時29分45秒 | Weblog
積雪量の少ない雪山に登っても仕方がない。(今期は雪が少なかったから)
でもやっぱり雪山に登りたい。
せめてシーズンが終わる前に一度くらいは本格的雪山に登りたい。
どこがいい・・・やっぱり穂高でしょう!

職場の仲間と相談し、WG直後の奥穂高岳へ登ることを決めた。
すると若手のN君が「是非一緒に登らせてください。経験を積みたいんです。」と言ってきた。
何と殊勝な心構えだことか。
もちろんGOサインだ。

2年前の夏に一緒に劔岳に登ったKMさんと3人で、仕事が終わった日の夜に一路上高地へ向け出発した。
沢渡駐車場に着いたのがAM3時過ぎ。
仮眠は2時間程度しかできないが、眠らないよりはましだろう。


早朝の沢渡バスターミナル。
登山者の姿はまばらだった。

6時発のバスに乗り約30分、上高地バスターミナルに到着。
さすがにこの時期の上高地の早朝はまだ肌寒く、ジャケットを脱ぐことをためらった。

先ずは登山届けを提出。
ハイドレーションに水を補給し軽くストレッチをしていざ出発。
春とはいえ完全雪山装備(テント泊2泊)の大型ザックは肩にずっしりとその重みが伝わる。
(「やばいな。こんな重装備久しぶりだし、涸沢まで体がもつかな・・・」)
若干の心配はあったが、まぁ今日厳しいのは最後の2時間だし、本当に辛いのは明日のアタック開始直後だ。

すぐに河童橋に着き、早速定番の一枚を撮った。


すこぶるいい天気に心が躍る。
明日登る奥穂高岳もバッチリ目視できる。
「明日はあのてっぺんだよ。」と言うと、N君が「僕、大丈夫ですかねぇ・・・今更ながら不安になります。」
その気持ちは分かる。
しかし、試練を乗り越えなければ得られない、見えてこないものが山にはある。
な~んて偉そうなことは言わなかったが、「大丈夫! 頑張りは必要だけど、それでも登りたいという思いと、少しでも楽しむ気持ちとがあるんだったら登れるから。」
とだけ言った。


本格的雪山初挑戦のKMさん。
相変わらずスレンダーな体がかえって心配だ。


こちらも3000m級の雪山初挑戦のN君。
若さ=体力。唯それだけで羨ましい。


眠い。ザックが重い。腹減った(朝食がまだ)。


三人揃って目指すはあの山のてっぺん!

河童橋を出発する前に、もう一度奥穂高岳を撮った。

赤い○が奥穂高岳。
標高3190mの完全な雪山だ。

雪の奥穂高岳は今回で4度目になるが、奥穂山荘から先の雪の状態は毎回違っていると言っても過言ではない。
積雪量はもちろんだが、固さやアイスバーン、そして斜度までが残雪量によっても違ってくる。
事前の情報や下調べは念入りにしたが、果たして今回は如何に・・・。


河童橋を過ぎてすぐの小さな橋。
この橋から見る川面が好きだ。
今日のように日が差していれば、川面に太陽の光が反射し見事に光彩陸離している。
ふと心が和むささやかな瞬間だ。

先ずは最初の休憩地点である「明神館」を目指そう。

七年ぶりに・・・「まさかの山ガール(笑)」

2019年07月12日 23時28分20秒 | Weblog
やや風があったものの寒さを感じる程ではなく、のんびりとお昼ご飯を食べた。
屋外(フィールド)で女房と二人でお弁当を食べるだなんて何年ぶりのことだろうか。
思わず笑ってしまいそうになる程のことにも思えた。

今日は時間は有り余る程にある。
山なみをゆっくりと見てから駐車場へ戻ることにした。

正面からも撮ったのだが、後ろ姿で一枚。


ここでちょっとした思いつきがあった。
女房にポーズをとらせてみよう!
だがうちのかみさんはそのような事が大の苦手ときている。
照れもあろうが、あまり乗り気ではないのが常だ。
それは分かっているが、まぁ言うだけ言ってみよう。

「はい、そのまま深呼吸して」


自分としてはこれでもなかなかの一枚が撮れたと思っている。
そして「へぇ~ポーズとってくれたよ(笑)」
声には出さなかったが思わず笑ってしまいそうにもなった。

「じゃぁそろそろ行こうか。」
駐車場へ向けて歩き出した。

(「どうする、ついでにもう一枚撮ってみたいけど・・・。これ以上は無理だろうなぁ。」)
だめもとで言ってみた。
「そこで歩きのポーズ!」


これには笑ってしまった。
「へぇー、どうしたの今日は。やけにしおらしいじゃない(笑)」
「どう、良く撮れてる?」
デジカメのディスプレイを見ながら「まるで山ガールじゃないの(笑)」と一言。

それ以上の返事はなかったが、写真を撮る時に一つ一つの注文に応じたことなどなかっただけに新鮮な感じがした。

駐車場の売店でソフトクリームを食べた。
食べながら「北アルプスにも一緒に行きたいね」
「行ってみたいけど、遠くから山を見るだけかなぁ」

登山は多かれ少なかれ辛い思いをする。
感じ方は人それぞれだが、できるものなら劔岳のてっぺんへ連れて行ってあげたいと考えたこともある。
間違いなくヘリで行くしかないだろう(笑)。

七年ぶりに・・・「緩やかな登りなのだが・・・」

2019年07月06日 23時32分36秒 | Weblog
象の鼻展望台までは登りが続く。
登りとは言っても緩やかであり、どうってことはないのだが・・・。

通常コースタイムは約20分程度であり将にお気楽ハイキングだ。
しかし女房にとってはそこそこきついようであり、極めてゆっくり、そしてときおり息を整えての登りとなった。


振り返る度に、下を向き頑張っている女房がいた。
心配はしてはいないが、「ハァハァ」という息づかいが聞こえてくる。

(自分がブログをやっていることを女房は知ってはいるが、タイトルも何も知らない。だからこのブログを女房が見ることは一切ない。それ故に書くのだが)
何故かこの時、女房が可愛く見えた。
緩斜面の緩やかな登りとはいえ、ひたすらな姿を見た。
それは、か弱い一人の女性の姿に見えた。
手を差し出そうかとも思えたが、恥ずかしさもありそれはやめた。

約30分程かけ登り切ると指標があった。


「ほら、あと100mだよ。」
「え~っ、まだ100mもあるの~」
「2~3分もあれば着くと思えば気が楽だろう(笑)」

展望台からは日光連山が一望できた。
「うわぁーすごい!」
何度も言っていたので「北アルプスに行けばもっとすごい山脈が見られるよ」と言った。
「・・・無理」
予想通りの返事だった。


足尾方面から日光白根山。


男体山、女峰山方面。

しばし風景を愛でからお昼を食べることにした。
今日はお手製のおにぎりといろいろなおかず。
そしてカップスープ。


久しぶりにのんびりした昼食が食べられそうだ。

七月、そして夏の歌

2019年07月05日 23時24分41秒 | Weblog
大学時代に好きだった歌の一つに甲斐バンドの「七月の便り」という曲がある。
歌詞もメロディーも好きで、今でも時々ギターを取り出してきては弾いている。

そしてもう一曲。
曲名も歌手名(グループ)も知らない歌がある。
大学一年の夏、寮の4年生の部屋から流れていた歌で「いい曲だなぁ」と何気なく聞き入っていた曲だ。
カセットテープにダビングをさせていただき、自室で聞いていた。

今でも曲名も何も知らない。
あの時のカセットテープは何処かへ行ってしまったが、何となく甘酸っぱい感じの思い出だけが残っている。

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あれから一年 また夏がやってきた
わたしが夢見る 子供になれる季節

はだしで戯れ 時の経つのも忘れ
青い海に心も揺らしてみたくなる

何も纏わずに息を切らせて 白い砂の上を走る
風も優しく 灼けたこの肌を慰める



あれから一年 また夏がやってきた
わたしが夢見る 子供になれる季節

暑い夏に抱かれて 真昼の夢いつまでも
まだ知らない世界を 手を広げて待っている

膨らむ夢 弾けて
広い空の向こうまで

いまあなたに抱かれて
今度遠くへ行けそう・・・

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歌詞は一部不確定だが、確かこんな感じのだった。

七月、一年で一番好きな季節がやってきた。


七年ぶりに・・・「アカヤシオツツジ」

2019年07月02日 23時28分29秒 | Weblog
五段の滝から井戸湿原へ向けて歩いた。
そして横根山の下山時に見えたアカヤシオツツジが咲く一帯へと近づいた。


画像でははっきりとは伝えられず残念だが、ピンク色ではない「桃色」の花が咲き乱れていた。


女房はこのアカヤシオツツジを初めて見たらしくやたらと感動していた。
本音を言えば、山ツツジの時期が早かっただけに喜んでもらえて良かったと思った。


しばし見とれて休憩を取ったが、ついさっきも五段の滝で休んだばかりでもあり「さぁ行くよ」と言って再び歩く。
すると今度は井戸湿原のお出ましだ。
そして足元には不明瞭ながらも「コバイケイソウ」が顔を出していた。


やはりコバイケイソウで間違いないだろう。
この独特な葉と全体の姿で確証が持てた。
「へぇーこんな湿地帯で、しかもこんな低地で・・・」
このコバイケイソウは、毎年登っている剣岳へ向かう途中の立山周辺でよく見かける。
標高は2500m以上はあるため、そのような高地でなければ見ることはできないと思い込んでしまっていた。

井戸湿原へと出た。


何となく尾瀬湿原を思い出させるが、規模は極めて小さく、この木道も距離にして100m程しかない。

この後の目的地である「象の鼻展望台」へ行くにはこの木道を通る必要はないのだが、せっかくなので往復してみることにした。


のんびり歩いても10分足らずのものだったが、初夏の頃にはどのような植物が育っているのか気になる。

さて、ここから先の展望台まではひたすら登りとなる。
傾斜度は大したことはないのだが約30分近く登り続けることになる。
お~い、奥さん! 頑張ってね~♪