2023年の夏山は、期待感に溢れ心躍る山行であった。
昨年の夏の劔岳は腰痛により断念し、秋のリベンジは天候不良で再び断念せざるを得なかった。
とてつもない悔しさと淋しさを覚えた夏だった。
あれから一年、また夏がやってきた。
「二年ぶりの劔かぁ・・・ワクワク感しかないなぁ・・・」
思わずそんな独り言を呟いてしまうほどに楽しみであった。
二年前の秋に劔岳の山頂祠に奉納してきた記念のプレートが何故か無くなってしまっており、「それならばもう一度奉納するまでだ。」
と、勝手に決めて計画を練った。
「○○さん、今年も(劔に)登るんですか?」
職場の女性(Uさん)から尋ねられたのが今年の春だった。
「無理にとは言いませんが、できればご一緒させていただきたいのですが・・・」
やや遠慮がちな依頼ではあったが、断る理由など無い。
「是非一緒に登りましょう!」
「バリエーションルートでもいいですか!」と、半ば冗談で確認してみたが「絶対に無理です」との返事。
ならばタテヨコルートで決定だ。
「タテヨコ」とは、別山尾根ルート上にある難所、「カニのタテバイ」「カニのヨコバイ」のことだ。
準備は順調に進んだのだが、一つだけ全く進んでいないものがあった。
事前の体力持久力の向上だ。
本番前に軽くでも良いから何処かの山に登り、少しでも身体を山仕様に仕上げておかねばならないことは、北アルプスを目指すのであればごく当たり前のこと。
それが全くできていなかった。
理由の一つはどうしても日程が取れなかったこと。
そしてこの酷暑続きの日々のせいでもあった。
「こんな暑さで登ったら、かえって身体を壊してしまいかねない。あまりに危険だ。」
そう思える毎日だった。
結果として事前には何処にも登らず、ぶっつけ本番の劔岳アタックとなってしまった。
7月26日、仕事を終え先ずは近くの温泉で汗を流した。
夕食は外食で済ませ、職場のUさんと合流した。
20時、地元を出発し長野県扇沢を目指した。
実は今回の山行において、もう一人職場の若手ホープである男性(T君)も一緒に登ることになっている。
唯残念なことに、勤務の都合上一緒に登れるのはアプローチの初日だけ。(立山縦走)
二日目のアタック日は、夜明け前に単独でスタートし、劔の下山途中でランデヴーすることになっている。
そして彼はその日の内に戻り、翌日は出勤という超ハードスケジュールとなっている。
自分には絶対にできないことだ。(若さとは唯々羨ましい)
深夜に扇沢駐車場に着き、すぐに仮眠(車中泊)。
翌朝は5時30分の起床だったのだが、朝が早過ぎて全く腹が空いていない。
まぁ今日はアプローチだけだし、朝食は室堂に着いてからでも問題はないだろう。
無理には食べずに珈琲だけとした。
駐車場ではT君とも合流し、三人揃って扇沢を出発した。
見事なまでの紺碧の空。
まさにこれぞ夏空であろうか・・・。
眠気も吹き飛ぶ空の碧に胸が高鳴る。
(「やっとだ。やっとまた劔に登ることができる。」)
体力に不安はあったのだが、何とかできるという自信もあった。
それは決して驕りではなく、経験から生じた自信だ。
ここからケーブルカーやロプウェイなどを乗り継いで室堂までは約1時間半。
金銭的にはこの区間の交通費の出費が痛い。
が、しかしそうしなければスタートラインにすら辿り着くことはできない。
ザックの中に収納してある「奉納板」の重さを感じながら黒部ダムを目指した。
ハイ、定番スポットで一枚!
室堂ターミナルにはほぼ9時に到着した。
登山届けを提出し、「立山玉殿の湧水」で水を汲み軽くストレッチ。
今回は立山を縦走してから劔沢へと向かうルートとした。
遠くには3000m級の「雄山(おやま)」が目視できた。
天候はまずまずだ。
室堂ターミナルを出発し、いざ雄山へ。
バックに見えるのはこれから縦走する登山ルートと別山。
のんびり安全登山で行こう!
昨年の夏の劔岳は腰痛により断念し、秋のリベンジは天候不良で再び断念せざるを得なかった。
とてつもない悔しさと淋しさを覚えた夏だった。
あれから一年、また夏がやってきた。
「二年ぶりの劔かぁ・・・ワクワク感しかないなぁ・・・」
思わずそんな独り言を呟いてしまうほどに楽しみであった。
二年前の秋に劔岳の山頂祠に奉納してきた記念のプレートが何故か無くなってしまっており、「それならばもう一度奉納するまでだ。」
と、勝手に決めて計画を練った。
「○○さん、今年も(劔に)登るんですか?」
職場の女性(Uさん)から尋ねられたのが今年の春だった。
「無理にとは言いませんが、できればご一緒させていただきたいのですが・・・」
やや遠慮がちな依頼ではあったが、断る理由など無い。
「是非一緒に登りましょう!」
「バリエーションルートでもいいですか!」と、半ば冗談で確認してみたが「絶対に無理です」との返事。
ならばタテヨコルートで決定だ。
「タテヨコ」とは、別山尾根ルート上にある難所、「カニのタテバイ」「カニのヨコバイ」のことだ。
準備は順調に進んだのだが、一つだけ全く進んでいないものがあった。
事前の体力持久力の向上だ。
本番前に軽くでも良いから何処かの山に登り、少しでも身体を山仕様に仕上げておかねばならないことは、北アルプスを目指すのであればごく当たり前のこと。
それが全くできていなかった。
理由の一つはどうしても日程が取れなかったこと。
そしてこの酷暑続きの日々のせいでもあった。
「こんな暑さで登ったら、かえって身体を壊してしまいかねない。あまりに危険だ。」
そう思える毎日だった。
結果として事前には何処にも登らず、ぶっつけ本番の劔岳アタックとなってしまった。
7月26日、仕事を終え先ずは近くの温泉で汗を流した。
夕食は外食で済ませ、職場のUさんと合流した。
20時、地元を出発し長野県扇沢を目指した。
実は今回の山行において、もう一人職場の若手ホープである男性(T君)も一緒に登ることになっている。
唯残念なことに、勤務の都合上一緒に登れるのはアプローチの初日だけ。(立山縦走)
二日目のアタック日は、夜明け前に単独でスタートし、劔の下山途中でランデヴーすることになっている。
そして彼はその日の内に戻り、翌日は出勤という超ハードスケジュールとなっている。
自分には絶対にできないことだ。(若さとは唯々羨ましい)
深夜に扇沢駐車場に着き、すぐに仮眠(車中泊)。
翌朝は5時30分の起床だったのだが、朝が早過ぎて全く腹が空いていない。
まぁ今日はアプローチだけだし、朝食は室堂に着いてからでも問題はないだろう。
無理には食べずに珈琲だけとした。
駐車場ではT君とも合流し、三人揃って扇沢を出発した。
見事なまでの紺碧の空。
まさにこれぞ夏空であろうか・・・。
眠気も吹き飛ぶ空の碧に胸が高鳴る。
(「やっとだ。やっとまた劔に登ることができる。」)
体力に不安はあったのだが、何とかできるという自信もあった。
それは決して驕りではなく、経験から生じた自信だ。
ここからケーブルカーやロプウェイなどを乗り継いで室堂までは約1時間半。
金銭的にはこの区間の交通費の出費が痛い。
が、しかしそうしなければスタートラインにすら辿り着くことはできない。
ザックの中に収納してある「奉納板」の重さを感じながら黒部ダムを目指した。
ハイ、定番スポットで一枚!
室堂ターミナルにはほぼ9時に到着した。
登山届けを提出し、「立山玉殿の湧水」で水を汲み軽くストレッチ。
今回は立山を縦走してから劔沢へと向かうルートとした。
遠くには3000m級の「雄山(おやま)」が目視できた。
天候はまずまずだ。
室堂ターミナルを出発し、いざ雄山へ。
バックに見えるのはこれから縦走する登山ルートと別山。
のんびり安全登山で行こう!