ひとり旅への憧憬

気ままに、憧れを自由に。
そしてあるがままに旅の思い出を書いてみたい。
愛する山、そしてちょっとだけサッカーも♪

北八ヶ岳 「見えない! ここはどこ?」

2022年04月30日 21時36分33秒 | Weblog
にゅう山頂を後にし、次の目的地である「中山展望台」へと向かうことにした。
先ずはその途中にある「にゅう分岐点」を目指す。
天候は文句なしのほぼピーカン。
大汗をかくこともなく、程良い外気温を感じながら少しずつ南下し、少しずつ標高を上げる。

樹林帯の中を緩やかに登って行くルート。
しばし歩いても樹林帯の中・・・。
ほどなくしても樹林帯の中・・・。
それなりに来たなぁ・・・と思ってもまだ樹林帯の中。
ルートは正しいのだが、周囲の景色に大きな変化は無し。


スタート時よりは間違いなく日差しは差し込んでは来ているが、現在地に至るまでず~~っと樹林帯であることに違いはない。
期待していた岩場については、今歩いているルートは左側が急な崖となっているので、事前に地図で調べた限りでは正直岩場を少し期待していた。
確かに岩場・ガレ場の記号にはなっているが、実際には崖っぷちを歩くのではなくやや内側の樹林帯の中を歩いている。(安全面を考慮すればごく当たり前の登山道)
行けども登れども同じような景色。
途中からため息が漏れそうになってきた。


分岐点近くに来てもこんな登山道。
一本道であるのだからルートを間違うことはあり得ない・・・が、まるで「リングワンダリング」状態に陥ってしまったかのような錯覚を覚えた。
「まさか・・・」ではあるが、そのまさかを感じさせる程に変化の殆ど無い樹林帯だ。

周囲には登山者は誰もいないこともあり、思わず愚痴が出た。
「眺望が利かない・・・飽きるなぁ。」
そして休憩をしたいわけでもないのに岩に腰を掛け一服する。
煙を吐きながらまたぼそっと一言。
「勘弁して欲しい。俺、延々続く樹林帯ルートってのが一番苦手だなぁ・・・」
自分で選んで決めたルートであるのだが、少し悔やまれるルートを選択してしまった様な気がした。
まぁ今更愚痴っても何の解決にもならないわけで、再び歩き始めるしか無かった。

でもってやっとのこと分岐点に到着。


やや周囲の状況が違ってきた。
樹木の高さが低くなってきていた。
すると後方から朝少しだけご一緒させていただいた方が追いついてきた。
「どうでしたかにゅうは?」と聞かれたので「見晴らしの利くいい山頂ですね。」と答えたのだが、それ以上は言うつもりはなかった。
樹林帯ルートの愚痴を言っても仕方あるまい。

その方とはここで別れた。
この先に中山展望台と呼ばれる見晴らしの良い場所がある。
画像検索した限りではなかなか良さそうな場所だ。
期待してるぞ!

北八ヶ岳 「紅葉盛り」 

2022年04月19日 22時30分26秒 | Weblog
にゅうの頂上は狭く、しかも凹凸のある岩が堆積したような感じで足元は不安定だった。
「ここにも立ち寄ったはずなんだけど・・・」
若かりし頃の記憶を辿るも、蘇ってくるものはなにもなかった。
しかし好天に恵まれ、ピーカンの碧空を仰ぎながらの休憩は贅沢そのものだった。

まず目に付いたのは富士山だった。
頂上から南東方面、遥か雲海の彼方にくっきりとその姿を望むことができた。


素直に美しいと思う。
が、登るつもりはないのが富士山。
既に三度登攀してはいるが、「もういいかな」というのが本音だ。
確かに標高は魅力的だが、あまりにも単調な登りで難易度も低い。
自分向きではないと思っている。
富士は見る山であって、登る山ではないかな・・・。

山頂には多くの登山者がいた。
どちらかというと家族連れと思われるグループが多かったのには驚いたが、それだけ登りやすい初心者向けの山という証だろう。


早朝通過してきた白駒池が見えた。
こうしてみると今が紅葉の盛りであることが伺える。
朱に染まった紅葉ではないが、緑色の中に黄色が多く入り交じった紅葉であり、これはこれでなかなか綺麗なものだとこんな自分でも感じることができた。


少し先に見えた双耳峰。
おそらくは天狗岳だと思い、地図で確認した。
山座同定もしてみた。
間違いない、天狗岳の双耳峰だ。
今日はあそこまでは足は伸ばさないが、これから目指す方角だけは同じだ。

休憩もそこそこににゅうを後にし、展望台方面へ向かうことにした。
・・・が、自分にとって苦手なものが、これでもかと待ち受けているとはこの時は思いもよらなかった(笑)。

今年も咲いてくれた

2022年04月18日 18時42分52秒 | Weblog
寒暖の差が大きい春となっているが、それでも確実に暖かい日々は続いている。
我が家の小さな花壇にも春の訪れがはっきりと見て取れる。
アイフェンオン、パンジー、デージー、なでしこ、ムスカリ、そしてチューリップ。
色とりどりのが咲き誇っている。


敷地入り口の角に植えた花。
今年は少しだけ彩りを加えてみた。
例年であればフェンスのプランターにはピンク系のパンジー、下の奥にはアイフェンオン、手前にオレンジのパンジーと決まっていた。
まだ冬の時期にホームセンターへ行った時に、偶然見かけたデージーの苗。
「おっ、可愛い♪」と柄にもない言葉を発しながら、幾つかを購入した。
何処に植えようかと考え、パンジーの間に丁度良いスペースがあったのでそこに決めた。
「赤」と言うよりは、やや濃いめのピンクの花びらが、オレンジのパンジーといいコラボかな・・・などと勝手に思っている。


一応メインの花壇。

去年までの反省から今年はブルー系のパンジーではなく、濃淡の違うパンジー(一部ビオラ)とした。
周囲のアイフェンオンの増殖が著しく、青系の花を植えてもそれほど目立ってくれないからというのがその理由。
濃淡の違うピンク系パンジーの間に黄色のパンジー。
それでもアイフェンオンの勢いは凄まじく、押され気味だろうか(笑)。

そして今年も咲いてくれたのが、娘が選んでくれたチューリップだ。
「これって毎年咲くみたいだよ。」と言って娘が選んだ三種類のチューリップ原種咲き。
「本当に今年も花をつけてくれるかな・・・」と冬の間は不安でもあったが、それらしい芽が出てくれた時は心から嬉しかった。
そして「今年も咲きそうだよ」と娘に画像と一緒にLINEした。


少し植えすぎてしまった為に花が混み合ってしまったが、まぁ素人なりに良く咲いてくれたと自己満足している。


アップの画像
青い○で囲んでいるのが娘が選んでくれたチューリップの原種咲き。

今日写真を撮り送ってみた。
「わぁ綺麗! ゴールデンウィークが楽しみ♪」と返事をくれた。
自分にとってはゴールデンウィークよりも、花よりも、久しぶりに娘に会えることが何よりも楽しみで嬉しい。

北八ヶ岳 「少しだけ不安に駆られるルート」

2022年04月12日 22時39分11秒 | Weblog
白駒湿原を過ぎると一本の紅葉樹木が目に入ってきた。
登山ルートではおなじみの「ナナカマド」である。


ナナカマドを見ると、どうしても劔岳へと向かう雷鳥坂入り口のナナカマドを思い出す。
自分が勝手に名付けた通称「ナナカマドカーブ」と呼ばれている曲がり角にあるもので、往路においてはこのポイントに来ると「いよいよ雷鳥坂だ」となり、復路では「やっと雷鳥坂が終わるなぁ」となる。
そんなことを思い出しながら先へと進んだ。

まだ斜度としてはごく緩やかなものであるが、じめじめとした岩苔が至る所にあり、できるだけそれらを避けながら進んだ。


映っているのは、白駒湿原で出会った方。
途中互いに追いつき追い越しながら「にゅう」を目指した。

緩い斜度となっているだけで、白駒池周辺の苔の森とあまり変わらぬ樹林帯の中を登る。
そしてこの登攀ルートは北斜面となっているため日は差してこない。
「変化がないなぁ・・・」と感じつつも唯登る。
すると「にゅうの森」という名のポイントへと着いた。
事前にルートの下調べをしたつもりであったが、この名の森があることは気付かなかった。


「にゅうの森」
因みに「にゅう」というのはもちろん山の名前である。
ちょっと不思議な名前だと思いその命名理由を調べてみると、稲を刈り取った後に円錐形に積み上げる「にう」を語源とするらしい。(諸説あり)

苔むす樹林帯の中をひたすら登るルート。
斜度は徐々に増してきてはいるが、風景は殆ど同じようにしか見えない。
ふと思ったことがある。
もし、今が夕方あたりの時刻で徐々に暗闇が増してきているとしたら・・・
たとえヘッドランプを利用したとしても、地図とコンパスと高度計、そしてGPSを用いたとしてもとても初心者向けのルートとは思えないし、ひょっとしてルートロストしてしまうかも知れないとさへ感じた。
そんな思いに駆られる程、あまりにも変化の少ない状況だった。


分岐点に着いた。
地図で現在地を確認する。
もちろんルートは間違ってはいないが、こんな状況がいったいいつまで続くのだろうか・・・。
高度計を見る。
「もうすぐなんだけどなぁ。そろそろ山頂が見えてきてもいいんだけどなぁ・・・」
今は標高を稼ぐしかない。

しばらくして顔を上げルートの先を見渡すと、明らかに今までと違う明るさに気付いた。
樹木の合間から見える空間の色が明るくなってきている。
稜線に近づいたかなと思った。
そしてルートもややフラット気味になってきているし、これはやっとかな・・・。


淡い期待感を持ちながら進んだ。
「どうか開けてきてほしい」と願いながら進むと急に視界が一気に開けた。
やっと山頂近くの稜線へと出ることができた。
と同時に、自分の予測が当たっていたことが嬉しかった。

にゅう山頂が見えた。
事前に調べた画像とちょっと違って見えたので、敢えて山頂から少し離れたポイントまで移動し振り返った。


にゅう山頂。
なんとなく穏和で柔和な名前の割にはごつい岩の固まりだ。

天候に恵まれたこともあり、景色は文句なし!
早く山頂へ行って一休みしたい。

北八ヶ岳 「何故かふと北八ヶ岳」

2022年04月10日 22時53分00秒 | Weblog
10月になり軽く一泊でどこかに登りに出かけようと決めていたが、場所は特定してはいなかった。
数年前に北八ヶ岳に行った時、登山ではなくごく軽いハイキングのようなもので「苔の樹海」を見に出かけたが、その時に機会があればこの周辺の低山を登りに来ようと思っていた。
「ちょうど良いタイミングかも知れない」
ふとそんなことを思い出し、北八ヶ岳にある「にゅう」そして「高見石」の低山ハイクに出かけた。

仕事を終えそのまま車で一路「麦草峠」駐車場へと向かった。
車中泊だったのでシュラフを持参したが、麦草峠そのものの標高は2000m。
♯3のシュラフで十分だったが、車から出ると一気に寒さに襲われた。

朝食はまだ食べる気にはなれなかった。
「もう少し歩いて腹が減ったら食べようか・・・」と駐車場をスタート。
平日とはいえこの辺りは観光目的で来る人たちも多く、早朝の割には駐車場は混んでいた。


先ずは白駒池を目指す。
池の対岸方面に行かねばならないので、右回りでも左回りでもどちらのコースを取っても良いが、やはり久しぶりに苔の樹海を見たいと思い、左回りとした。


「もののけの森」取って付けたような名称だが、それなりに来た者に感動を与えてくれる。
懐かしさを感じながら先を急いだ。
そう言えば前回は台風一過の時だっただけに木道は湿っていて、慎重に歩いたつもりでも何度か尻餅をついてしまったなぁ(笑)。
今日は大丈夫だろう。(たぶん)


苔の森を歩く。
少しひんやりとした空気が体を包んでいるのがわかる。
それは日中でも僅かにしか日の差すことのない空間を歩いているからだろう。
そして独特の匂いもしている。
苔の匂いなのだろうか・・・それはわからないが、あまり日の差すことのない独特な森の匂いだ。

右手に白駒池が見えてきた。
地図で現在地を確認する。
対岸の分岐点までもうすぐだ。


紅葉している樹木の数はそれほどでもなかったが、それがかえって目立っていることとなり目を引いた。
そしてしばらく歩くと、思わず立ち止まってしまう程の美しい風景と出会った。


風はごく微風で、みなもは鏡面となっている。
休憩にはまだ早過ぎるが、まぁ今日は時間に余裕があるルートだしここでのんびりとすることにした。
こんな時に語彙があれば、この情景を上手く表現できるんだろうなぁとしみじみ感じた。
自分のボキャブラリーの無さが悔しい。

程なくして対岸の分岐点へと着いた。
ここから左へと向かい「にゅう」山頂を目指す。
標高差は250m程だろうか、まぁ大したことはないのでゆっくりと登ることにした。


滑りやすい苔岩のルート。
急登攀ではないが、スリップには要注意だろう。

前回はこの先にある白駒湿原まで登った。
今日はその先を登る。
20代の若かりし頃に間違いなく通ったはずのルートだが、全く記憶にない。
初めて通るルートと言っても良いだけに新鮮な期待感があった。


白駒湿原。
ここで自分より年配と思われる登山者と出会った。
この方とはこの後「にゅう分岐点」と呼ばれるポイントまで何度か会うことになった。
地元の方で、何度もこのコースを歩いているそうだ。
自分の知らないこの辺りの自然界のことを教えていただいた。

今日は好天、風も微風。
大汗をかくこともないだろうし、絶好の登山日和となってくれそうだ。

劔岳 奉納 「この程度ではまだまだ・・・」

2022年04月09日 20時18分58秒 | Weblog
今回は、バリエーションルートとは言ってもごく入り口に入ったに過ぎない。
もちろん軽視している訳ではないが、ルートファインディングのミスは殆ど無いと言っても良いだろう。
帰路においては何度か立ち止まり、ちょっと見上げて判断し問題なく進むことができた。


昼食を食べたポイントからすぐの場所。
見下ろしている画像だが、見上げた場合と見下ろした場合とでは、同じ場所でもルートファインディングの難易度に違いが出てくる事がある。
画像で見る限りだが、どのルートを選んだのかまでは覚えていないが一応3ルート程見当が付く。


お恥ずかしい限りだが、今となってはどのルートで戻ったのか覚えていない。
この後の画像で判断すれば右ルートで戻ったことになっている。


3ルート予測できるが、どのルートだっかなぁ・・・(笑)


ここまで来れば山頂が見えているはずだから、問題は無い。
**********************************

北方稜線ルートは、2017年に小窓雪渓(氷河)からロング縦走した。
あの時はガスが濃く、小窓雪渓と小窓の王との間で何度か道迷いをし恐い思いをした記憶がある。
やっとの思いで小窓の王の基部へと辿り着き、悪名高き「池ノ谷ガリー」や「池ノ谷乗越」を経て「長治郎の頭」まで来たものの、頭からコルへと下るルートがなかなか見つからず、そこでも難儀した。
それだけにあの時の北方稜線縦走は満足感や充実感、そして達成感などを感じることはなく、無事戻ってくることができたという安心感のみだった。
それと比べれば、今回は一般ルートとさほど違いはないだろう。

今年の夏、5年ぶりに小窓雪渓(氷河)からの北方稜線縦走に再度挑みたいと考えている。
もう一度ルートの下調べをし直し、少しでも不安の無い状態で臨みたい。
ただし、天候が悪い時は素直に諦める。
それだけ視界不良となればルートロストし易いということだ。
もちろんGPSは持ってはいるが、できることなら使用したくはない。
地図とコンパスと、自分の下調べをした予備知識、そして大したことはないが今までの経験を基に縦走し、あの時感じることができなかった達成感、充実感を味わいたい。