ひとり旅への憧憬

気ままに、憧れを自由に。
そしてあるがままに旅の思い出を書いてみたい。
愛する山、そしてちょっとだけサッカーも♪

七年ぶりに・・・「五段の滝」

2019年06月22日 00時30分16秒 | Weblog
さっきの植物が何であるのか疑問を持ったまま歩き続けた。
足元ばかりを見ながら進んだが、ふと顔を上げると前方にピンク色に染まった樹木のかたまりが目に入った。


画像ではよく分からないが、画像の左上あたりにピンク色の花が見える。

「えっ、あれはアカヤシオツツジか?」
真っ先に思い浮かんだのがアカヤシオツツジだったが、時期的にまだ少し早いとも思った。
しかし標高的には咲いていても不思議ではない。

もう少し近づけばはっきりと分かるだろうと思い先を急いだ。


間違いない、アカヤシオツツジだ。
「へぇー、こんなところに咲いているなんて知らなかった。」
事前に下調べはしたつもりであったが、このことだけは分からなかった。
なんかすごく得した気分になった。


コースのすぐ横にも咲いていたが、この樹木に限ってはまだつぼみの方が多かった。
ピンク色というよりは、日本古来の「桃色」と言った方が正しいかも知れない優しい色だ。

ほどなくして「五段の滝」方向を示す指標があった。


名前の通り「五段」になっている滝らしいが、高さは数メートル程度のものらしい。
それでも井戸湿原をぐるっと巡るためには寄っていくだけの意味はあるだろう。


五段全体を写真に収めることが難しかったが「なんだこの程度か・・・」とも感じてしまうささやかなものだった。
まぁ一休みするにはもってこいのポイントでもあるし良しとしよう(笑)。


滝を見るために恐る恐る近づく女房さん。

ここから再び井戸湿原へと戻り、ランチタイムを予定している「象の鼻公園」へと向かう。
今日一番の登り区間だ。

七年ぶりに・・・「何の植物?」

2019年06月16日 21時35分27秒 | Weblog
横根山山頂からは僅かに日光連山を見ることができた。


まだかなりの雪を纏っていることから「日光白根山」であることがわかる。
ピーカンとまでは行かないまでも、空の青さと雪山とのコラボレーションはやはり美しい。

ここで一服をし「井戸湿原」へと向かうことにした。
いったん山を下り途中にある休憩ポイントを過ぎればすぐに井戸湿原のはずだ。


木道を下る。
さすがにここまで来ればウィンドブレーカーは不要のようで、シャツ一枚となった女房。
「暑くなって来たろう」と聞いたが、それよりも背負っているザックに不満があるらしい。
「やっぱり街仕様のリュックはダメだと思う。すぐに落ちそうになるし背中のクッションは無いし、使い勝手も悪いって感じ・・・」
「そりゃそうだよ。アウトドア活動のことなんか一切想定されていないし、カジュアル仕様を使う事自体今日は無理があるってこと。」
「ハイキング程度だから大丈夫だと思ったんだけどなぁ・・・」

事前の準備段階において、自分がもっと気を遣ってあげなければならなかったという反省もある。
しかし、これでアウトドア(登山やハイキング)用品が如何に優れているかが分かってくれれば儲けものだ(笑)。

後日、日帰り様の25リットル軽量ザックを購入した。
「デザイン重視はダメ! カラーは好きでもいいから機能性優先で選ばないとまた同じことになるから。」
そうアドバイスをし、自分が薦めたザックを購入させた。
結果は◎♪

内心(「だから言ったろう。俺のアドバイスに間違いはないんだから」)、してやったりである。


さて、指標ではなく地図を頼りに下りて行くと人の声が聞こえ始めた。
おそらくは休憩ポイントだろうと推測できた。


画像に写っている以外にもベンチがあり、そのすべてがハイカーで埋まっていた。
思っていたより人の多さに驚いたが、それだけ誰でも訪れることができるコースなのだろう。

休憩ポイントを通過し、「五段の滝」方面へと向かった。
井戸湿原沿いのコースを歩くことになるのだが、その途中で気になる(目立つ)植物を目にした。
「あれは何なの?」と女房に聞かれたが即答できなかった。
もっと生長して、花が咲くとか何か目立った特徴があれば分かるかも知れないのだが、これだけでは無理だ。


湿原の中でもあり、ひょっとして水芭蕉かも・・・と思ったのだが、まだ開いていないとは言え葉の形が違いすぎる(気がする)。

「何だろうねぇ。これじゃ分からない。花が咲いていれば写真に撮っておいて後で調べることもできるけど、これじゃなぁ・・・」

すると、また同植物と思えるものが。


さっきのよりも成長はしており、水芭蕉ではないことに確信が持てた。
よくよく見てみれば・・・。
「ん? これってコバイケイソウかも。」
葉の形状や筋がどう見てもコバイケイソウだった。
だが確証がない。
何故ならここの標高はたった1200~1300m程度であり、こんな低地にコバイケイソウが咲くだなんてあり得ないと思っているからだ。
まぁ自分が勝手にそう思いこんでいるだけであり、実際の分布ではあり得るのかも知れないが・・・。

高山植物に関しての知識はたかが知れているし、自宅に戻ってから調べてみることにした。

七年ぶりに・・・世間は10連休

2019年06月11日 22時07分25秒 | Weblog
今年のGWは最大で10連休とか・・・。
残念ながら仕事の都合上そううまくは行かず、2連休が二度、そして単発での休みがあっただけ。
まぁそれは仕方がないことであるが、GW明けに奥穂高岳に登る予定があり三日間家を空けなければならない。
何としてもシーズン最後の雪山のためにも「今の内に少しは点数を稼いでおかねば・・・」という焦りがあった。

連休はひたすら家の中のクリーニングに励んだ。
浴室内の大掃除から始まり、フローリング、廊下、階段のワックスがけ、キッチン周りのすべての清掃をこなした。
「まっ、これくらいやっておけば堂々と行けるな(笑)」
しかし、せめて一日くらいは女房とどこかへ出かけたい・・・、ではなく、どこかへ連れて行かねば仕上げにはならないだろう。

つい先日、知人からお手軽ハイキングコースがあると聞いた。
ネットで調べてみれば「なるほど、ここなら超お手軽コースだ。女房でも問題ないだろう。」と即決し誘ってみた。
女房も快諾してくれ、二人で出かけることになった。

目指すは鹿沼から日光にかけてのハイキングで、「横根山」という1373mの低山を中心にその周辺を巡るコース。
高低差は100mにも満たない。
時期としては「つつじ」が見頃であるが、こればかりは毎年多少はずれる。

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5月3日、天候は曇り時々晴れ。
まずまずの登山・・・ではなく、ハイキング日和となった。

考えてもみれば女房と山に出かけるのは七年ぶりになろうか・・・。
教員を早期退職した年の夏に尾瀬へ行ったきりになる。
「そうか、もうそんなになるのか」
しみじみと時の流れのはやさを感じながらハンドルを握った。

宇都宮を過ぎ鹿沼市内を抜けて「古峯神社」を目指し標高を上げた。
標高とは些か大袈裟ではあるが、ほぼ奥日光と同じ高さまで車で行き、「前日光ハイランドロッジ」で駐車。
実を言えば「前日光」という言葉はほとんど聞いたことがない。
同じ栃木県ではあるものの、「???」というくらい聞いたことはなかった。

事前の下調べ通り、ここを基点として横根山を目指した。


ハイランドロッジに設置してあった案内図で、実際に歩いたのが赤い線のルート。

予定より30分の遅れのスタートとなったが、今日は3時間程度のハイキングでもあり慌てることはない。


牧場内の砂利道をのんびりと歩く。
風は穏やかで気持ちが良い。
女房は少し寒いと言っていたが、10分も歩けば体は温まってくるはずだから大丈夫だろう。

振り返れば日光の山々が見渡せる絶好のロケーションだった。


左が2486mの男体山で、60回以上は登っている。

「わぁー素敵♪」という女房の歓声。
「だろう、今度登ってみようか。」
「無理!」
予想通りの返事だった。

地図は不要とも思ったが、簡易の物を作製し持参した。
横根山分岐点に着き「さっ、登るよ」と言うと「えっ、登るの?」というまさかの返事。
「だって山だよ、登るのは当然。大丈夫、10分程度の登りだからすぐだよ。」


分岐点の指標。

このルートが階段状になっていた。
階段(段差)のある登りは正直言って好きではない。
特に男体山は、スタート直後がいきなりの階段であり、しかも段差が大きい。
山に慣れているとは言え嫌いなものは嫌いである。


「マイペースでゆっくり登ろう。」と、後方から声を掛けた。
途中で追い越すものの、かなりのローペース。
それでも息を整えさせるため、二度程立ち止まっては一息入れた。

振り返りながら女房の様子を見る。
「七年ぶりか・・・。」
お互い歳を取ったと感じた。

ほどなくして横根山山頂に着いた。
樹林帯の中に僅かに広くなっているスペースがあり、休憩所の小屋があるだけ。
残念ながら殆ど周囲の風景を愛でることはできず、僅かに日光の山脈(やまなみ)が覗いている。


ここから「井戸湿原」へと下山。
湿原と言っても小さなものだが、やはり初めて訪れる場所は楽しい。
何かしらの花が咲いていてくれていることを期待している。



庵滝:帰路

2019年06月08日 22時37分29秒 | Weblog
庵滝の全体画像



やはりどうしても雲龍渓谷、そして雲龍瀑と比較してしまう。
しかし、今この場所には自分以外の人間は誰もいない。
それがかえって不思議にも感じられた。

アップで数枚撮ってみた。





滝の裏側からも一枚。

今日は必要ないと思いアイゼンは持ってこなかった。
せめて6本爪の軽アイゼンだけでもあればもう少し近づいて撮れるのだが、スノーシュー程度の爪ではどうすることもできない。
「しかたないか。怪我をするよりは・・・」と、素直に諦めた。

庵滝にいたのは時間にして30分程だったろうか。
それでも雪の上に座り、一人じっくりとその静けさの中にとけ込み見入った。

テン場跡へと戻りザックを背負い下山開始。
いや、今回に限って言えば下山というのは些か大袈裟かも知れない。
敢えて「帰路」としておこう。

途中これから滝を見に行く人たちとすれ違った。
挨拶を交わすが、みな自分の背負っているザックの大きさに驚いていた(笑)。



登山とまでは言えないレベルだったが、久々の単独雪中テント泊だった。
会話はすれ違う人たちのみ。
あとは時折ポツリと出る独り言。
そしてため息だけ。
黙々と歩き、少しだけ登ってテントの設営。
水を作り食事をし一服する。
たった一晩であったが、携帯も圏外のほぼ無音の世界。

たまにはこんなひとときも必要なのかな・・・。

庵滝:庵滝へ

2019年06月04日 21時04分35秒 | Weblog
寝過ごしてはしまったが、どうせ今日はのんびりと庵滝を見て帰るだけ。
「まっ、いいか」と思いながらテントから頭を出して天候の確認をした。
やや曇ってはいたが予報通りの天候であり、特に問題はなさそうだった。

さて、飯だ。
とは言ってもいつもの「なんちゃってお汁粉」。
FDのお汁粉にスライス餅を入れて食べるだけ。
だが、これで体が温まる。
それなりに量を食べれば腹持ちも良い。


テントの中に甘~い匂いが充満してきた。

食後に珈琲を飲み外で一服したが、滝へ出かける前にしておかなければならないことがある。
テントの撤収作業だ。
戻ってからでもいいのだが、どうせやらねばならないことであるなら、やる気のある「今」がいいだろう。

スコップでペグを掘り起こし、グランドシート、テント本体、そしてスノーフライシートの順で畳む。
今日は帰るだけだし、パッキングはそれほど丁寧にはやらなかった。

アタックザックに必要品のみを入れいざ、庵滝へ!


ここ(テン場)からなら30分もあれば滝へ到着するだろうという予測だった。

ややアップダウンはあったものの、スノーシュー程度でも十分だった。

「さて、地図だともうそろそろなのだが・・・」
いっこうに見える気配がなかった。
滝であればその背後は岩壁になっているはず。
と言うことは先に見えるあの突き当たりがそうなのだが・・・。


「ビンゴ!」
遠目ではあったが間違いなく氷瀑だ。

それにしてもなんとも可愛らしい氷瀑ではないか。
事前にネットで調べてはおいたが、実際にこの目で見ると雲龍渓谷(雲龍瀑)との規模の違いに驚いた。

少しずつ距離を縮めれば更に規模の小ささを実感するのだが、雲龍瀑とはまた違った何かを感じた。
静寂さだ。


先ず人がいない。
自分一人だけであり、スノーシュー独特の雪を踏み固めながらのすり足の音がない。
もちろん会話の声もない。
聞こえてくるのは僅かに流れ落ちている水流の音だけだった。

「いいねぇ・・・。いいねぇこの静けさ。」
声に出しては言わなかったが、厳冬期というごく限られた時期と、そして山奥深く殆ど人が訪れることのないこの場所。
その二つの条件が重なってできた静寂さだ。