ひとり旅への憧憬

気ままに、憧れを自由に。
そしてあるがままに旅の思い出を書いてみたい。
愛する山、そしてちょっとだけサッカーも♪

初めて親子で山へ「天気は今一つ・・・」

2020年10月31日 23時04分26秒 | Weblog
9月の劔岳・北方稜線、そして10月のジャンダルムとアップしたい記事はあるのだが、その前にどうしても記録として残しておきたい山行がある。
もう半年近くも前の山行になるのだが、娘と女房と三人で初めて出かけた登山がそれだ。
当日の天候は今一つだったが、自分にとって心に残る山行であり、北アルプスのような壮大な計画登山ではなくとも、初めて三人で出かけた山は何よりも思い出深いものだった。

5月の末、場所は那須岳(茶臼岳)。
しかし那須岳に登ったわけではなく、その周辺となる。
「てっぺんまで登る自信はないかも・・・」という二人の意見を尊重し、「じゃぁ那須岳の外周だったら大丈夫だと思うよ。」というアドバイスをし決定した。

早朝に自宅を出発し、一路那須岳ロープウェイ駅へ。
身支度を調えてロープウェイに乗る。
風はやや強く、山頂付近ともなればより寒さを感じるだろうと予測がついた。


風の強さによる寒さをまだ十分に分かっていない二人(笑)。
この先どうなることやら・・・。


ゴンドラリフトの窓から見た山頂方面。
やや空の色が暗いのは薄茶色のガラス窓のせいだが、もとより曇り空のせいでもある。

山頂駅に着き身支度を最終チェックした。
自分が靴ひもやスパッツ(ゲーター)の締め具合をチェック。
レイヤリングもチェックしたが、二人はどうしてものこの寒さから厚着をしてスタートしたいらしい。
「こんなに厚着したら10分も歩いたら大汗かくから。少し肌寒い程度がいいんだよ。」
と言っても首を縦に振らない。
まぁ何れ身をもって分かることなので好きにさせた。

準備運動開始。
「え~っ、そんなことするのぉ」と言われたが、怪我の予防対策の一つだからと言って半ば強制的にさせた。
周りの人の視線を気にしているようだったが、出発前の準備運動は必須である!
そして「山に来たら俺に従え!」
とは言わなかったが、今日ばかりは自分のアドバイスには従って欲しいのが本音だ。


緩やかだが早速の登りルート。
「ねぇどこまで登りなの?」
「たぶん10分か15分程度だよ」
「え~っ、そんなに続くの!」
もういちいち答えるのが面倒になりそうだった(笑)。


途中にある休憩用のベンチ。
(「本当はここで腰を下ろしたいんだろうなぁ・・・」)と思ったがまだスタートしたばかり。
それを無視しながら登り続ける。


振り返るとふたりともそれなりに辛そうだった。
「もう少し行くと分岐点だから、そこで一本(休憩)取ろう。」
それにしてもいくら何でもこの程度でこの有様、さてさてこの先が思いやられるなぁ。

分岐点で一息つき、先のルートを説明した。


「これからのルートが見えるだろう。次の分岐点はあの先だから。だいたい40分もあれば着くかな。」
「げっ、40分もあるの!」という娘の言葉。
「40分なんてあっという間だから。それに登りは殆どないよ。」とは言ったものの、やはり先が思いやられると再認識した。
これって小学生の遠足ルートなのだが、これできついと言われたら果たしてどこへ連れて行けばいいのか・・・。
まぁいい、今日は初めての親子登山。
すべて大目に見ましょう(笑)。

孤高のブナ「ローソク岩」

2020年10月17日 00時07分19秒 | Weblog
来た道を途中にある分岐点まで戻ってきた。
さて、ここからが道無き道を下って行くことになる。
「ローソク岩」のポイントはあくまでも地図上でしか分かっていない。
ルートらしきルートも無く、道迷いし易い状況となってくる。
地図で現在地点だけははっきりとしてることだけが助けであり、後は「おそらくはこのあたり」という予測を含めて進むしかない。


状況が見渡せる位置まで下りては来たが、果たしてこのまま・・・。
一応分かっている限りの情報で得たポイントにコンパスを合わせ下るも、将に藪漕ぎに近い状態となってきた。
「もし違っていたら・・・」という一抹の不安を抱いたまま下る。
「そろそろなんだけどなぁ・・・」と思いながら下る。
するとそれは唐突にその姿を現した。


思っていた以上にでかい。
見た目は一本のローソクと言うよりは、ドロドロに溶けて流れ落ちたロウが固まっている状態だろうか。
まぁそれでも一応の目的は果たすことができた。


人と比べるとその大きさが分かる。

さて、ここからまた分岐点まで戻らなければならない。
現在位置と分岐点とをコンパスで結び、できるだけ一直線で登って行く。
これまた藪漕ぎに近いもので、樹木の枝が引っかかって思うように登れなかった。
とりあえず最短距離で戻ることができたことが嬉しい。
「やっぱりコンパスって便利だね。使い方の一つや二つは知っておいて損はないなぁ。」
そうしみじみと思った。

後は踏み跡のしっかりと付いた道を戻るだけ。
途中アカヤシオツツジが見事に咲いており、和ませてくれた。


来る時は見落としてしまっていたような気がする。


この和風の「桃色」が好きだ。

いつかまた晴れた日に訪れたいと思ってはいたが、結局未だ二度目は無い。
来年の初夏にでも是非と考えている。

近況報告

2020年10月16日 02時05分58秒 | Weblog
今年の夏は長梅雨で、毎年7月下旬に出かけている劔岳は残念ながらテントの中で過ごしただけで登攀は諦めざるを得なかった。
しかしやっぱり悔しくて9月の中旬にリベンジとして登ってきた。
通常コースのタテバイ・ヨコバイだったが、頂上から少し足を伸ばして北方稜線上の「長治郎の頭」まで。

そしてつい先日は、奥穂高岳からジャンダルムまでの往復ルートを縦走してきた。
紅葉まっさかりの涸沢であったが、身の危険を感じる縦走コースだけに紅葉は二の次で、無事縦走を終えザイテングラードを下りてからじっくりと紅葉を味わった。

詳細は後日アップしたい。


劔岳頂上を越え、長治郎の頭手前辺りで一服中。


紅葉真っ盛りの涸沢。
テントを背負っての6時間は結構きつかった。


奥穂高岳を過ぎてジャンダルムへ。
「馬の背」の入り口付近。

孤高のブナ「再びのブナ」

2020年10月13日 18時44分56秒 | Weblog
いつ雨が降り出してもおかしくはない天候であり、そそくさと後片付けをし下山することにした。

再び同じルートを戻る。
今度は左手側が荒涼とした急斜面であり、時折現れる岩場を越えて孤高のブナへと向かった。

往路の時よりも僅かながらガスが切れているのが分かった。
「あとは降らないことを祈るだけだ・・・」
そう思いながら進むと、あのブナの木が見えてきた。


今度は晴れた時に是非訪れてみたい思いに駆られる。


やはりバックには青空が似合うと確証できた。


新緑の大地、そして一本の樹。
おたがいあまり似合わないなぁとどこか照れ笑いしそうにもなってくる。


せっかくなので思い思いのポーズで一枚。


ポーズが思いつかず、いつもの後ろ姿で一枚。

この後は分岐点まで戻りそのまま下山するのではなく、もう一箇所立ち寄ってみたいポイントがある。
通称「ローソク岩」と呼ばれているポイントで、ちょっと道迷いし易いところにあるようだ。
事前に調べてはきたが、樹林帯の中のバリエーションルートだけに十分気をつけなければならない。

孤高のブナ「波平ピークで飯」

2020年10月02日 23時35分17秒 | Weblog
中倉山周辺にはもう一つ、いつ誰が名付けたのか不明なポイントが存在する。
「波平ピーク」と呼ばれるポイントがそれだ。

はじめてその名を聞いた時には「?」だけがぐるぐると頭の中を駆けめぐり、いったいどんなところなのか分からなかった。
自宅に戻りPCで画像検索をしたところ、謎は一発で解決した。
と同時に笑いがこみ上げ思わず「なぁるほどね! それで波平か(笑)」
と、妙に納得した。

孤高のブナのポイントから歩いて30分程だったろうか、それらしきポイントが見えてきた。
もちろんこのポイントは誰かが意図的に作った物であることは明らかだが、なぜこのような物にしたのかは不明だ。
そして不思議なことにこのポイントが作られて以来、登山者の手に触れられることはあっても、壊されず、崩れず今に至っているということだ。
マナーと言われればそれまでだが、それにしてもよくこのままの形を維持してきたと感心した。

これがその「波平ピーク」だ。

もうおわかりだろう(笑)。
いまさら解説は不要だ。

さて、今日はここまでとし、かなり空腹でもあったので昼食とした。

今日のメニューはチルドの肉団子とカレーリゾット、そしていつものブイヨンスープ。
日帰り登山でもあったことから、保冷剤で肉団子を冷やしたまま登ってきた。
テント泊では絶対にやらないことである。
だって保冷剤とパックだけでも重量負担になるしね。


肉団子をお湯で温め、あとはFDのカレーリゾットにお湯を入れて待つだけ。
料理時間はしめて6分ほどで食べられる。


アルミホイールを敷いたフライパンにリゾットと肉団子を移し、では「いただきま~す♪」。

日帰り登山の場合、昼食の殆どはカップ麺だが、たまにはこんなささやかなリッチ感を味わうのもいいものだ。
フライパンにアルミホイールを敷いたのは、汚したくなかったから。
つまり帰宅後に洗う手間を省きたいだけのことなのだが、これはこれで後片付けが結構楽になる。
それに陸上自衛隊の隊員の方々の野戦食ではごく当たり前のことでもある。
彼等の場合、兵式飯ごうの中にビニール袋を入れているらしい。
今度やってみよう(笑)。

食後に珈琲を飲み、下山の準備をした。
そしてもう一枚だけパチリ。


十分笑わせてもらった波平ピークを後にし、ピストンで戻る。
もう一度孤高のブナを見て、そしてちょっとだけ寄り道をして下山予定。
だがそのちょっとだけの寄り道は、以外と大変な寄り道となってしまった。