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急ぎの仕事のBGMにするとはかどる

2010-04-27 23:27:47 | 音盤ノート
Jeff Mills "Mix-Up Vol.2" SME, 1996.

  エレクトロニカ、というか直球ど真ん中のミニマルテクノ作品。1995年、新宿時代のリキッドルームでのライブ録音である。他に石野卓球、ケン・イシイ、Derrick Mayなどを収録したSony Music EntertainmentによるDJミックスCDシリーズの一つであり、このアルバムは英国でも"Live At The Liquid Room Tokyo"(React, 1996)の名で発売されている。残念ながら国内盤と輸入盤ともに現在は新品では入手できない。

  このアルバムで見せるDJプレイは、後先のことを考えずに最初から全力疾走である。同じシリーズのDerrick Mayを聴くと、緩急をつけ全体の構成を良く練ってDJしていることがよくわかる。一方、Millsは最初からアクセル全開で、高速かつ硬質なリズムをベースに攻撃的に曲をひたすらつなげている。この頃はまだ、後年の"Exhibitionist" (Axis, 2004)で聴けるような複雑でなめらかな多彩な打楽器音も無く、骨格だけの四つ打ちバスドラムが鳴らされる中、インベーダー音──日本盤のオビには「宇宙人DJ現る!!」とある──が目まぐるしく通りすぎてゆく。荒々く激しい。聴いているとアドレナリンが大量放出されること請け合い。

  最初期の"Waveform Transmission"のシリーズ(Vol.1 1992; Vol.3 1994)よりも断然優れており、テクノを知るのに適した作品だが、廃盤なのはもったいない。
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