Bill Connors "Of Mist And Melting" ECM, 1978.
ジャズ。ビル・コナーズは米国LA出身のギタリストで、チック・コリア率いるReturn to Foreverに参加した("Hymn of the Seventh Galaxy" 1973.)後に、ECMで3枚のアルバムを残している。うち2枚はギターソロ作だが、本作品のみカルテットでの録音となっている。なお、2010年頃に新しいジャケットでCD化されていたがそれは廃盤のようで、2019年になって新たにオリジナル盤のジャケットを使い紙パッケージでCDの再発売がなされている。
内容としてコナーズの自作6曲を収録。メンバーはアコギを弾くコナーズのほか、Jan Garbarek(sax), Gary Peacock(bass), Jack DeJohnette(drums)という豪華すぎる顔ぶれ。しかし、バンドの演奏は冷え冷えとしたもので、コナーズのギターは奏でられるとエタノールのごとく熱を奪ってゆき、ガルバレクのサックスは氷を通して見る光のように白く輝く。ディジョネットのドラムは鋭くて緊張感を高めるものの、演奏を煽ったりはしない。ピーコックのベースは、透明感のある全体の演奏をどんよりと曇らせる。
というわけで楽しさや喜びとは無縁の、冷たい荒涼とした音楽である。カリフォルニア出身者とは思えない寒さである。ただ、Ralph Townerの"Solstice"に似すぎているという気もしなくもない。それが本作の限界でもあるが、良さでもある。
ジャズ。ビル・コナーズは米国LA出身のギタリストで、チック・コリア率いるReturn to Foreverに参加した("Hymn of the Seventh Galaxy" 1973.)後に、ECMで3枚のアルバムを残している。うち2枚はギターソロ作だが、本作品のみカルテットでの録音となっている。なお、2010年頃に新しいジャケットでCD化されていたがそれは廃盤のようで、2019年になって新たにオリジナル盤のジャケットを使い紙パッケージでCDの再発売がなされている。
内容としてコナーズの自作6曲を収録。メンバーはアコギを弾くコナーズのほか、Jan Garbarek(sax), Gary Peacock(bass), Jack DeJohnette(drums)という豪華すぎる顔ぶれ。しかし、バンドの演奏は冷え冷えとしたもので、コナーズのギターは奏でられるとエタノールのごとく熱を奪ってゆき、ガルバレクのサックスは氷を通して見る光のように白く輝く。ディジョネットのドラムは鋭くて緊張感を高めるものの、演奏を煽ったりはしない。ピーコックのベースは、透明感のある全体の演奏をどんよりと曇らせる。
というわけで楽しさや喜びとは無縁の、冷たい荒涼とした音楽である。カリフォルニア出身者とは思えない寒さである。ただ、Ralph Townerの"Solstice"に似すぎているという気もしなくもない。それが本作の限界でもあるが、良さでもある。