吉田則昭, 岡田章子編『雑誌メディアの文化史:変貌する戦後パラダイム』森話社, 2012.
10人の著者による商業雑誌の研究書だが、一般の人でも読める。取り上げられているのは以下の雑誌。前半は『週刊朝日』ほか総合週刊誌、『婦人公論』と『暮らしの手帖』などで、これらは1940年代~50年代の動向が主。『non・no』『anan』を筆頭とする女性誌については1970年代~00年代の変遷が扱われている。この他『popeye』の全盛期、台湾における日本情報誌、海外雑誌ビジネスについての各論がある。
総合週刊誌については、よく知っているというほどではないけれども、(中年男性ならば)なんとなく勘があるので、確認するように読む感じだった。一方、女性誌については未知の領域であるために面白く読めた。『婦人公論』と『暮らしの手帖』が、主婦の扱いを巡って一時期ライバル関係にあったとは知らなかった。また、1980—90年代の女性誌を、対象読者の年齢層や未婚・既婚か、働いているか主婦かで細かく分けて、系譜も含めて解説してくれているのは有難い。
なお、2017年に「増補版」も発行されていて、マガジンハウス論とニューミュージック・マガジン論が追加されているらしいが、未読である。読んでみて、「戦後」というのは1945年以降の「昭和」限定の話だという思いを強くした次第。本書を読むと、雑誌への高い需要もあって、出版社がニッチを突くことで新たな読者層を獲得できた幸福な時代だったことがわかる。
10人の著者による商業雑誌の研究書だが、一般の人でも読める。取り上げられているのは以下の雑誌。前半は『週刊朝日』ほか総合週刊誌、『婦人公論』と『暮らしの手帖』などで、これらは1940年代~50年代の動向が主。『non・no』『anan』を筆頭とする女性誌については1970年代~00年代の変遷が扱われている。この他『popeye』の全盛期、台湾における日本情報誌、海外雑誌ビジネスについての各論がある。
総合週刊誌については、よく知っているというほどではないけれども、(中年男性ならば)なんとなく勘があるので、確認するように読む感じだった。一方、女性誌については未知の領域であるために面白く読めた。『婦人公論』と『暮らしの手帖』が、主婦の扱いを巡って一時期ライバル関係にあったとは知らなかった。また、1980—90年代の女性誌を、対象読者の年齢層や未婚・既婚か、働いているか主婦かで細かく分けて、系譜も含めて解説してくれているのは有難い。
なお、2017年に「増補版」も発行されていて、マガジンハウス論とニューミュージック・マガジン論が追加されているらしいが、未読である。読んでみて、「戦後」というのは1945年以降の「昭和」限定の話だという思いを強くした次第。本書を読むと、雑誌への高い需要もあって、出版社がニッチを突くことで新たな読者層を獲得できた幸福な時代だったことがわかる。