第4050号 02.02.20(木)
招きて牀前に至らしめ、苦しむ所を問ひ、仍りて州縣の醫に敕(みことのり)して之を療せしむ。是を以て、將士、欣然として従ふを願はざるは莫し。『貞観政要』481
太宗はその兵士を招いて腰かけの前に来させ、苦痛のところを尋ね、州県の医者に命じて療治させた。それゆえ、諸将も士卒も、喜んで従軍したいと願わないものはなかった。481
【コメント】部下を統率する上官は、太宗の如く、日常の労苦をねぎらってやる良心と度量が欲しいものです。
そうすれば、その御心に応えて上官に仕えると思います。上と下との心の通じが、人の世を信頼あるとして良好ならしむると思います。
世の中、そういう親切が席捲すればいいと思うのですが、少なくとも「あおり運転」をする心の歪んだ人には出来ないでしょう。
それを可能とするのは、自分も援助を受ける側にいるのだと立場を置き換えてみたいものです。
話変って、2月末に荘内南洲会の皆様が鹿児島においでになる予定です。私は歩行困難で身体がフラフラしているのでご辞退したいと存じます。
皆様をお迎えした場でフラフラして歩行困難の姿を皆様におみせしたら、皆様がガッカリするだろうと思います。そういう状況でございますので、悪しからずご了承賜りたく存じます。
鹿児島日赤病院では手術を進めてくれたのですが、空手道指導が出来なくなるのではと、慮っている次第です。
歳を重ねると身体が自由にならないものだと痛切に感じています。今日は第二道場のおけいこ日です。私は坐して号令だけかけることにしています。
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◎今日のひと言「悪平等主義の流行」
責任や義務を忘れたローマの市民たちは、権利だけを主張しました。エゴの氾濫と悪平等主義が流行しました。そういう声に答えることは、経済的に見て、初めから不可能なことでした。
職員に働く意志がなく、またコストという考えが初めから欠けているからでした。「賃金は大幅に上げろ、物価は大幅に下げろ」「税金は大幅に減らせ、社会福祉は大幅に増やせ」と言っても、それに答えるための方法は、初めから存在していなかったのです。そうなればこれらの社会の経済は、スタッグフレーション(インフレーションと不況との共存)へ進む以外に方法がないのでした。
こうして、ローマ帝国の没落の原因が完全に整いました。働かないで賃上げだけを要求する市民、コストの考えを捨てて点数取りだけを考える左翼政治家、エゴと悪平等主義の氾濫、インフレーションあるいはスタッグフレーションなどが原因でした。
私が電電に入社当時がそういう状況でした。組合の委員長は、会社が潰れようが知ったこっちゃない、我々は勝ち取ればいいのだと言っていたものです。
ローマの没落同様、三公社も民営化の道を辿ったのでした。枕崎の周辺界隈で農業をしていた世の中の生業に無知な人たちは、組合幹部の独善的呼掛けに酔いしれたものでした。
職場では仕事は大概にしておりながら、我家では子供たちに、真面目に勉強しなさい、真面目に働きなさいというのですから、子供が真面に育つ筈がないの
このようにローマ帝国没落の経過とほとんど同じ経過を、滅びたすべての国や組織が辿っているのです。
話変って、国外脱出を図った元日産会長のゴーンの犯罪を暴く、予審手続きをフランス検察がするとのことです。この情報を見て、真面な組織の人々もいるのだな、と溜飲を下げました。
多額な金を自分の結婚式に使用した等々の好ましからぬ事象があるとして監視の目が厳しくなっているのです。span>
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『善の研究』第427回
先ず第一の場合について考えて見ると、内面的動機が私利私欲であって、ただ外面的事実において善目的に合うているとしても、決してそれが人格実現を目的とする善行といわれまい。我々は時にかかる行為をも賞讃することがあるであろう。しかしそは決しての点より見たのではなく、単に利益という点より見たのである。204
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招きて牀前に至らしめ、苦しむ所を問ひ、仍りて州縣の醫に敕(みことのり)して之を療せしむ。是を以て、將士、欣然として従ふを願はざるは莫し。『貞観政要』481
太宗はその兵士を招いて腰かけの前に来させ、苦痛のところを尋ね、州県の医者に命じて療治させた。それゆえ、諸将も士卒も、喜んで従軍したいと願わないものはなかった。481
【コメント】部下を統率する上官は、太宗の如く、日常の労苦をねぎらってやる良心と度量が欲しいものです。
そうすれば、その御心に応えて上官に仕えると思います。上と下との心の通じが、人の世を信頼あるとして良好ならしむると思います。
世の中、そういう親切が席捲すればいいと思うのですが、少なくとも「あおり運転」をする心の歪んだ人には出来ないでしょう。
それを可能とするのは、自分も援助を受ける側にいるのだと立場を置き換えてみたいものです。
話変って、2月末に荘内南洲会の皆様が鹿児島においでになる予定です。私は歩行困難で身体がフラフラしているのでご辞退したいと存じます。
皆様をお迎えした場でフラフラして歩行困難の姿を皆様におみせしたら、皆様がガッカリするだろうと思います。そういう状況でございますので、悪しからずご了承賜りたく存じます。
鹿児島日赤病院では手術を進めてくれたのですが、空手道指導が出来なくなるのではと、慮っている次第です。
歳を重ねると身体が自由にならないものだと痛切に感じています。今日は第二道場のおけいこ日です。私は坐して号令だけかけることにしています。
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◎今日のひと言「悪平等主義の流行」
責任や義務を忘れたローマの市民たちは、権利だけを主張しました。エゴの氾濫と悪平等主義が流行しました。そういう声に答えることは、経済的に見て、初めから不可能なことでした。
職員に働く意志がなく、またコストという考えが初めから欠けているからでした。「賃金は大幅に上げろ、物価は大幅に下げろ」「税金は大幅に減らせ、社会福祉は大幅に増やせ」と言っても、それに答えるための方法は、初めから存在していなかったのです。そうなればこれらの社会の経済は、スタッグフレーション(インフレーションと不況との共存)へ進む以外に方法がないのでした。
こうして、ローマ帝国の没落の原因が完全に整いました。働かないで賃上げだけを要求する市民、コストの考えを捨てて点数取りだけを考える左翼政治家、エゴと悪平等主義の氾濫、インフレーションあるいはスタッグフレーションなどが原因でした。
私が電電に入社当時がそういう状況でした。組合の委員長は、会社が潰れようが知ったこっちゃない、我々は勝ち取ればいいのだと言っていたものです。
ローマの没落同様、三公社も民営化の道を辿ったのでした。枕崎の周辺界隈で農業をしていた世の中の生業に無知な人たちは、組合幹部の独善的呼掛けに酔いしれたものでした。
職場では仕事は大概にしておりながら、我家では子供たちに、真面目に勉強しなさい、真面目に働きなさいというのですから、子供が真面に育つ筈がないの
このようにローマ帝国没落の経過とほとんど同じ経過を、滅びたすべての国や組織が辿っているのです。
話変って、国外脱出を図った元日産会長のゴーンの犯罪を暴く、予審手続きをフランス検察がするとのことです。この情報を見て、真面な組織の人々もいるのだな、と溜飲を下げました。
多額な金を自分の結婚式に使用した等々の好ましからぬ事象があるとして監視の目が厳しくなっているのです。span>
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『善の研究』第427回
先ず第一の場合について考えて見ると、内面的動機が私利私欲であって、ただ外面的事実において善目的に合うているとしても、決してそれが人格実現を目的とする善行といわれまい。我々は時にかかる行為をも賞讃することがあるであろう。しかしそは決しての点より見たのではなく、単に利益という点より見たのである。204
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