第3408号 30.04.30(月)
天下の事、大患は只是れ人の非笑するを畏るるのみ。車馬を養はず、麄(そ)を食し、悪しきを衣、貧賤に居れば、皆人の非笑するを恐る。當に生くべくんば則ち生き、當に死すべくんば則ち死し、今日の萬鐘は、明日之を棄て、今日富貴にして、明日飢餓するも、亦卹(うれ)へず、惟義の在る所のみなるを知らざるのみ。『近思録』406
世の中の事のなかで、ひどく気になるのは、人の嘲笑を恐れることである。車馬を持たず、粗末なものを食い、粗末な着物を着、貧賤な暮らしをすると、誰しも人に嘲笑されることを恐れる。彼らには,生くべきときは生き、死すべきときは死し、今日の高禄も明日は棄て、今日は富貴で明日は餓えても、心にかけず、ただ道のあるところに従っていく、といったことがわからない。
【コメント】「世の中の事の中で、ひどく気になるのは、人の嘲笑を恐れる」とありますが、その嘲笑する人々」は実害を加えたりはしないと思います。
ですから、誰が笑おうが、気にぜず日々の自分なりのノルマを着実にこなして行きたいものです。貧乏所帯で育った私は、貧乏のことは気にせず、とにかく働いて働いてを繰り返してきました。
笑ったりけなしたりする人は、いつの間にかあの世に逝ってしまうのです。私は空手道が好きで稽古をしていましたが、仕事を大概にして空手道をしていると誤解している後輩から文句を言われたことがありました。
ところがその文句男はあの世に逝ったと伺いました。そういう空手道気違いの私に、大根占局長の愛甲さんは、貴方みたいに死にもの狂いで仕事をした人を始めてみた、恐れいりましたと静坐をしてお辞儀をしてくれたのでした。
心の病を持つ人が世の中にはいますが、これは天の配剤だとみています。半世紀精神病院に通い続け、そのように思うようになりました。ですから、人に来る不幸は自分にも来るのです。
ただお隣の国の御殿様だけは信用してはならないと思います。叔父さんと兄さんを粛清する人間を信用してはなりません。
今先、十時にカナコチャンがご両親とやってきました。小学一年生になったそうです。空手の舞を御稽古したいということでした。やがて荘内にいきましょうネとお話しました。
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『不動心』(第266回)
冬に無花果を求めることの愚
「冬に無花果を探し求めるのは狂気の沙汰である。されば、子宝に恵まれる時期を過ぎてもなお子供をほしがるのもまた狂気の沙汰である。」(エピクテトスの言葉より)
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『言志録四』106
自ら欺かず
自ら欺かず。之れを天に事うと謂う。
〔訳文〕自分で自分をあざむかない。これを天に事うるというのだ。
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天下の事、大患は只是れ人の非笑するを畏るるのみ。車馬を養はず、麄(そ)を食し、悪しきを衣、貧賤に居れば、皆人の非笑するを恐る。當に生くべくんば則ち生き、當に死すべくんば則ち死し、今日の萬鐘は、明日之を棄て、今日富貴にして、明日飢餓するも、亦卹(うれ)へず、惟義の在る所のみなるを知らざるのみ。『近思録』406
世の中の事のなかで、ひどく気になるのは、人の嘲笑を恐れることである。車馬を持たず、粗末なものを食い、粗末な着物を着、貧賤な暮らしをすると、誰しも人に嘲笑されることを恐れる。彼らには,生くべきときは生き、死すべきときは死し、今日の高禄も明日は棄て、今日は富貴で明日は餓えても、心にかけず、ただ道のあるところに従っていく、といったことがわからない。
【コメント】「世の中の事の中で、ひどく気になるのは、人の嘲笑を恐れる」とありますが、その嘲笑する人々」は実害を加えたりはしないと思います。
ですから、誰が笑おうが、気にぜず日々の自分なりのノルマを着実にこなして行きたいものです。貧乏所帯で育った私は、貧乏のことは気にせず、とにかく働いて働いてを繰り返してきました。
笑ったりけなしたりする人は、いつの間にかあの世に逝ってしまうのです。私は空手道が好きで稽古をしていましたが、仕事を大概にして空手道をしていると誤解している後輩から文句を言われたことがありました。
ところがその文句男はあの世に逝ったと伺いました。そういう空手道気違いの私に、大根占局長の愛甲さんは、貴方みたいに死にもの狂いで仕事をした人を始めてみた、恐れいりましたと静坐をしてお辞儀をしてくれたのでした。
心の病を持つ人が世の中にはいますが、これは天の配剤だとみています。半世紀精神病院に通い続け、そのように思うようになりました。ですから、人に来る不幸は自分にも来るのです。
ただお隣の国の御殿様だけは信用してはならないと思います。叔父さんと兄さんを粛清する人間を信用してはなりません。
今先、十時にカナコチャンがご両親とやってきました。小学一年生になったそうです。空手の舞を御稽古したいということでした。やがて荘内にいきましょうネとお話しました。
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『不動心』(第266回)
冬に無花果を求めることの愚
「冬に無花果を探し求めるのは狂気の沙汰である。されば、子宝に恵まれる時期を過ぎてもなお子供をほしがるのもまた狂気の沙汰である。」(エピクテトスの言葉より)
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『言志録四』106
自ら欺かず
自ら欺かず。之れを天に事うと謂う。
〔訳文〕自分で自分をあざむかない。これを天に事うるというのだ。
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