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今、手放すことは

先週末、コストの練習曲4曲をユーチューブ用に録音しました。
2月にもコストの「4つの練習曲」を公開しましたが、これとは別物です。ソルやアグアド、コストなど、19世紀のギタリストの残した練習曲を4~5曲ずつ選んで組曲風にまとめ、コンサートで紹介するということを、私は折にふれてやってきました。
いえ、記録を調べたところ、この4曲については「折にふれてやっています」というのは間違いで、正しくは「何年も前にやりました」です。
この時代は、他の楽器同様、クラシックギターの音楽も土台ができた時代で、名もない練習曲の中にも優れたものがたくさん生まれています。特にこの4曲は、せっかく暗譜したのだからレパートリーに入れておこうと思っていたはずが、少し期間が空いただけですっかり忘れてしまい、見送るのがあたりまえになっていました。


録音時は譜面を見て弾きました。今朝試してみたら見ないで弾けました。今の状態を維持することは、心がければ可能です。心がけなければ簡単に忘れます。年齢を考えれば、これから先、どんどん指の機能は落ちます。こういう、技術的にやさしく、でも優れた価値をもった曲を、今やすやすと手放すことは、すなわち自分のギター人生が終わりに近いということなのかもしれません。

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