人生には上り坂と下り坂があるが、さらに「まさか」という坂がある。(どこかで聞いた誰かの言葉)
13回目の出場となった第19回日本山岳耐久レース・長谷川恒男カップ(通称:ハセツネ)。今年の覚醒したかのような走りに自信を得て、ハリマネには11時前に帰ってくる・・・と大言壮語。
が、しかし、結果は「走れメロス」。延々と待たせてしまうこととなったのだった、嗚呼。
15時間20分42秒・総合632位と初参加で記録した14時間42分57秒を大幅に打ち破る自己記録更新。悪いなりに突出したので自分的には許すけど、約40分のベスト更新をねらっていて、逆にワーストを約40分更新という皮肉な結果になってしまった。
11km付近でハイドレーションに穴が空き、中身ほとんど流れてしまうというアクシデント発生。ハイドレが破れたとか漏れたとかの話は聞いたことがあったけど、全て対岸の火事。あぁ、そりゃ大変だったね、気の毒だったねと思うばかりで、まさか自分の身に起こるなんてこれっぽっちも考えていなかったこと。起こるんだ「まさか」。
なんとかの遠吠えになってしまうけど、低心拍で安定し「今日は行ける」とリラックスした走りのまっただ中だっただけに、久し振りに自分の顔から血の気が引いたのがはっきりとわかった。ここから水無しはあり得ない。「リタイア?」いやこれは白昼夢だ。ここから気持ちを切り替えメイクドラマだ!と走り出したけど、まだまだ蒸し暑くて汗もたっぷりのさなか、やっぱり大ピンチを自覚。そして腹をくくり、とにかく完走ねらいに切り替える。
後方から追いついてくるランナーの方々、醍醐丸や浅間峠、大ダワ、日の出山で応援して下さった大勢の方々からたくさんの温かいお言葉と声援をいただき感謝感激でした。本来ならアクシデント発生から10km走った第1CP浅間峠でのリタイアが正解。なんだけど、往生際が大変悪いと評判のハリ天はどうしても「止める勇気」を持つことが出来ず、五日市を目指すことに。
月夜見の給水ポイントでの水のがぶ飲みを楽しみにしていたのに、枯れきった体は一気飲みを受け付けないばかりか、なんと水を飲んでも気持ちが悪いという最悪の展開。腹は減っていても固形物はもちろん、ジェルさえも受付拒否状態というもちろん初めての経験も。水一口ずつだって。
脱水症状の典型のうち、頭痛、吐き気、痙攣とのひたすら闘いを経て、何度も何度もうつむき地蔵になりながらゴールに辿り着いた次第。いろいろつらいレース体験は過去にたくさんあるけど、総合的には一番辛い時間だったかも、なのでした。
人生には上り坂と下り坂があるが、さらに「まさか」という坂が本当にあるのだった。
☆☆☆ハリマネ撮影のハリスポ一気公開!☆☆☆
こちらより→ http://30d.jp/hariten/4
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