井伊影男の植物観察

植物の生き方の不思議さ、彼らのたくましさ、したたかさに触れる。しかし、観察者が井伊加減男だからなあ。

手稲山で出会った花たち

2011年07月29日 | 日記
この時期、手稲山一番の見所はヤナギランだが、勿論それ以外にも見られる花がある。



カワラボウフウです。セリ科カワラボウフウ属。
シシウド属に近い種だが、高山植物図鑑にも載るくらいで、山地の岩場などで多く見かける。低山帯に現れることもあって、生育環境の違いによって大きく姿を変える。葉ガ人参に似ていて「ヤマニンジン」の別名もある。
「ボウフウ」は「防風」で、中国に生薬として使われるものがあって、ハマボウフウやイブキボウフウなどがその代用となるが、カワラボウフウにはそんな薬効はないようである。



ヤマブキショウマです。バラ科ヤマブキショウマ属。
「ショウマ」と名のつく植物、「新北海道の花」に9種が紹介されているが、その内5種は変種・品種にあたるもので、基本種で札幌周辺で見られるのは、「ルイヨウ」「トリアシ」「サラシナ」に加えて「ヤマブキ」の4種である。
「ルイヨウ」と「サラシナ」は何れもキンポウゲ科で、花期は「ルイヨウ」が一番早く、「サラシナ」が一番遅い。
中間にくるのが、バラ科の「ヤマブキ」とユキノシタ科の「トリアシ」で花期は「ヤマブキ」の方が若干早い。この2種、花穂は似ているが、葉を見れば「ヤマブキ」の方が鋸歯も揃っていて、側脈も羽状に揃っていることで容易に見分けつく。要するに山吹に葉が似ているということだ。
雌雄異株で雌花では雄しべが退化している。葯が活性化した雄株の花穂は白っぽく見えるが、雄しべを持たない雌株は花が地味である。



ハナニガナです。キク科ニガナ属。
「ニガナ」は「苦菜」で、茎や葉を切ると苦い乳液が出ることによる。タンポポ属同様舌状花のみの花序だが小花の数がぐっと少ない。基準種の「ニガナ」の場合は普通5個、変種扱いの「ハナニガナ」では8~11個となる。
「シロバナニガナ」という白花もあってこれも1変種である。
茎葉が基部で茎を抱くのも特徴の一つとされる。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 手稲山を代表する花ヤナギラン | トップ | 在来タンポポを駆逐するとし... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

日記」カテゴリの最新記事