井伊影男の植物観察

植物の生き方の不思議さ、彼らのたくましさ、したたかさに触れる。しかし、観察者が井伊加減男だからなあ。

カバノキ属の果穂・ストロビラ

2010年09月02日 | 日記
山火事の跡とか、伐採地や台風による風倒木地などに真っ先に進入しくる樹木、所謂パイオニア・ツリーの代表はシラカンバです。ダケカンバも同様ですが、標高のより高いところを選びます。
カバノキ属は、翼のついた翼果を風に乗せて運ぶ「風散布」です。
棒状になった果穂はストロビラとも呼ばれ、この中に沢山の翼果が重なって詰まっています。



シラカンバの果穂、ストロビラです。
カバノキ科共通の特徴として、雄花は尾状花序を作って下垂します。
雌花序は種によって様子が少し違い、シラカンバの場合は上向きにつきます。
上向きについた雌花序は、受粉して成熟していくにつれ、果穂となって下垂していきます。



ウダイカンバの果穂、ストロビラです。
ウダイカンバの雌花序はシラカンバとは違って、最初から下垂しています。
シラカンバとの違いがもう一つ、シラカンバの雌花序が1本ずつであるのに対して、ウダイカンバの雌花序は3~4本がまとまってつきます。



ダケカンバの果穂、ストロビラです
ダケカンバの雌花序はシラカンバと同様上向きにつきます。
シラカンバと違うのは、受粉して成熟しても下垂することなく上向きのままである点です。
それと、シラカンバやウダイカンバの果穂・ストロビラは、熟すとばらけて翼果を飛ばしますが、ダケカンバの果穂はばらけにくく、かなり遅くまで枝につけたままになります。松などと同じように、ストロビラを開き気味にして翼果を飛ばすのでしょう。
雌花序とストロビラの関係、シラカンバは上向きから下垂へ、ウダイカンバは下垂で下垂のまま、ダケカンバは上向きで上向きのまま、ということになります。
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