浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

蝉の、その短い生命のように

2017-07-25 07:01:04 | その他
 今朝も蝉の大合唱である。時に小鳥のさえずりも聞こえるが、蝉の大合唱にかき消されている。蝉の必死さも、しかし当然だろう。土の中での生活を終えた蝉は、残された短い生命をひたすら生きようとしてるのだから。

 さて昨日はオリンピックの報道があった。あと3年だそうだ。

 しかし日本の猛暑、この気候でオリンピックはできるのだろうか。東京招致に狂っていた政治家やアスリートの気が知れない。私は、彼らの個人的な欲望のもとに招致がなされたと考えている。決して社会のためではない。政治家は、オリンピック開催に伴って競技場の建設などにより大金が動く。その動きの中で、政治家もその一部を懐に入れることができる。アスリートも、長時間の練習をしてきたから、大きな大会で良い結果を残したいと考えるのだろう。

 だが、新競技場の建設に伴い、住居を追い立てられた人びとがいる、オリンピックのあと赤字を垂れ流し続ける不要な施設に多額の税金が投入される、もう住民無視の無駄遣いとしかいいようがない。

 いつものことだが、建設に携わるゼネコンに、いつも大金が投じられるのだ。ゼネコン関係者は、選挙ともなると保守系(自民党を中心とした政治屋たち)の選挙運動を支える。儲けさせてくれる政治屋への恩返しである。こうした構図は、戦前から続いている。

 安倍政権のもとで白日の下にさらされた、政治が特定の者や集団に利益をもたらす仕組み。その構図は、これも戦前からのものである。だが、これほど明々白々に明らかになったことはないのではないか。日本の政治は、いつも特定の集団への利益誘導に貫かれてきた。税制だって、いつも大企業優遇であったし、今もそれが続く。

 安倍政権では、政治や財政を、みずからの友人たちの利益となるように駆使することが、国民の眼前で繰り広げられたのである。「公正」さなんかなんのそのという姿勢である。

 こうした政治の私物化が眼前で行われているのだが、ひょっとしたら日本社会はそれほどまでに病み、すでに断末魔に至っているのではないかと思ってしまう。まったく不健全である。

 少子化が進んでいるが、その原因は低賃金や長時間労働だけが原因なのではなく、もっと広い意味で、若者たちは日本の未来を見通すことができなくなっているのではないか、と思う。ある種の「絶望」である。

 今日も猛暑が続くという。この猛暑にも、だんだん耐えられなくなってきている。熱中症で人々が倒れる。地球環境も含めて、未来が明るくなるという気がしない。

 蝉は、その短い生命を燃やし尽くすように、全身で泣き叫ぶ。今の日本は、泣き叫ぶことはしないが、静かに絶望しているのではないだろうか。
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