柿の色

2017年12月13日
僕の寄り道――柿の色

子どものころ色の名前はクレヨン、クレパス、不透明水彩絵の具に書かれた名前しか知らなかった。それらは「やまぶきいろ」とか「だいだいいろ」とか、暮らしの中で連想できる平易な言葉で書かれていた。

学校でポスターカラーを使うようになって、しゃれた色名がいろいろあることを知ったが、社会人になると色との付き合いも仕事となり、インクメーカーの色見本番号や、プロセスインクの掛け合わせパーセンテージを使うようになり、色名を口にする機会が減った。

介護用品メーカーの仕事をしていたらサックスブルーという色名が登場したが聞いたことがない。のちになって調べたらドイツザクセン地方の藍染にちなむ色名がザクセン青で、どうやらそれを薄めた色を指していたのだった。子どもの頃、女の子のピンク色に対して男の子に水色のパジャマが用意されていたが、ちょうどあんな色で、ジュビロ磐田のチームカラーがサックスブルーだという。

なかなか覚えられなかった色にカーキ(Khaki)があり土埃(つちぼこり)を意味する。最初にカーキで食べ物の柿を連想してしまったのが原因らしく、思い浮かべるカーキは柿の画像に張り付いて間違ったままだ。ベージュと聞いて人が指し示す色にばらつきがあるように、カーキを検索するとネット上にはさまざまな人それぞれのカーキ色がある。

毎年新潟と北海道の友人そして妻の義姉に静岡の極早生温州ミカンを送っているが今年は気ぜわしさにとりまぎれて送り忘れた。いっぽう貰い物は例年リンゴが多いけれど今年は柿を何度もいただいた。

夕食の準備ができるのを待つ間に柿をむいておくと食卓が華やぐ。テーブルの真ん中に柿の色があると心に明かりが灯るようだと好評なので、貰い物を食べ終えてしまったあとも柿を買って帰り、毎日ひとつずつむいて明かりを灯している。


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