西園寺由利の長唄って何だ!

長唄を知識として楽しんでもらいたい。
軽いエッセイを綴ります。

時代のテンポ

2021-08-25 | よもやま話 (c)yuri saionji
今荻江の「山姥」を仕込んでいます。

荻江というのは長唄より後に発生した座敷音楽です。
富士田吉治と同じ時代に活躍した荻江露友が
芝居の世界に見切りをつけて吉原に逃避し、創案した音楽です。

座敷音楽ということで次第に地唄風になっていくのですが、
まあテンポがゆっくりなんです。
派手というか、賑やかなフレーズもなく、地味な曲調、
今の感覚で言えば、退屈であくびが出そうな曲です。
でもしみじみいいのですよ。

これは座敷という演奏場所にもよるのでしょうが、
やはり明和・天明(1764~1789)という時代のテンポなんでしょうね。

寝ながらこんなことを考えています。
コメント
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