120-「蓬莱」(1836・天保7年)
中国に伝説の山、蓬莱山がある。
はるか東の海上にある霊山で、
そこには不老不死の仙人が住んでいるとか。
「新曲浦島」で、坪内逍遥が、
『それ、渤海の東
幾億万里に際涯(そこひ)も知らぬ
壑(たに)在るを』
と詠んだのは海底にある、伝説の巨大な溝、”ききょ”だが、
そのあたりに蓬莱山はあるのだろう。
蓬莱山を縁起物の置物にしたのが、蓬莱の島台。
そこには、鶴亀・尉と姥などが住む。
吉原好きの杵屋六三郎(4世)は、
蓬莱山の仙人を、遊女に見立ててこの曲を作った。
『萩の白露
起き伏しつらき
色と香の
繁りて深き床の内
今朝の別れに
袖濡らす
しょんがえ』
●遊女というのは寝ても覚めてもつらいもの、
客とどっぷり愛しあっても、
朝が来れば涙の別れが待っているのだから。
やれやれ…
これは深川の色町で流行っていた小歌。
〓 〓 〓
tea breaku・海中百景
photo by 和尚
中国に伝説の山、蓬莱山がある。
はるか東の海上にある霊山で、
そこには不老不死の仙人が住んでいるとか。
「新曲浦島」で、坪内逍遥が、
『それ、渤海の東
幾億万里に際涯(そこひ)も知らぬ
壑(たに)在るを』
と詠んだのは海底にある、伝説の巨大な溝、”ききょ”だが、
そのあたりに蓬莱山はあるのだろう。
蓬莱山を縁起物の置物にしたのが、蓬莱の島台。
そこには、鶴亀・尉と姥などが住む。
吉原好きの杵屋六三郎(4世)は、
蓬莱山の仙人を、遊女に見立ててこの曲を作った。
『萩の白露
起き伏しつらき
色と香の
繁りて深き床の内
今朝の別れに
袖濡らす
しょんがえ』
●遊女というのは寝ても覚めてもつらいもの、
客とどっぷり愛しあっても、
朝が来れば涙の別れが待っているのだから。
やれやれ…
これは深川の色町で流行っていた小歌。
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tea breaku・海中百景
photo by 和尚