とめどもないことをつらつらと

日々の雑感などを書いて行こうと思います。
草稿に近く、人に読まれる事を前提としていません。
引用OKす。

社会人類史の考察と自分の現況の比較

2017-10-28 22:52:39 | 雑感
サラリーマンとは現代の奴隷である。

そういう文言は聞いたことがあるようなないような、いずれにしてもそういう皮肉が通底するくらいには、現代、特に現代日本とは社会が疲弊している。

ジェリー・トナーの「奴隷のしつけ方」を読んでいるが、最初は一次資料には全く使えないという認識くらいではいたのだが、しかし著者がいくつかの資料を元に合成した話を、分かりやすい形で当時のローマ時代の話として紹介している手法のこの書籍は、当時社会を知るために大変親切な書籍であると思うようになった。

この本を読むに当って思ったのは、やはり「サラリーマンとは現代の奴隷である」と言うことなのである。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

さて、当時のローマの市民と奴隷の違いは何か、と言うと、それは自己所有権の有無の差であると言わざるを得ない。
市民にはあらゆる自由が認められているが、奴隷には自由が認められていない。
具体的に言えば、行動の自由、階級格差による認識によっての制限、命令遂行の義務、労働の義務などがある。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

人間は矛盾する存在である、とはよく言われる話である。
ではどの辺りが矛盾しているのだろうか。
争いごとが好きな割には、平和を希求し、自己が誰にも仕えたくないと思うと同時に他者を従えさせようとしている。
理性を重んずる割には本能のくびきから逃れられず、正義を自認する割には暴力の行使を止めることができていない。

人間の認識的には、自らを「清く、正しく、美しく」と自認する傾向にある。
そういう命令コードが、我々人類のDNAにそう書かれているのであろうから、私達もそうしたなりに生きていきましょう、と言う具合だ。

ただ、私から補足するとそれだけではないように思える。
人間には自然とそう思うようにできているようなDNAが、生命の命令プログラムとして書かれているだろうことは認めるが、その一方で、それとは反する命令プログラムが、前述のプログラムとは別に、かつ、同時進行で書かれているのが問題なのだ。

とあるプログラム群があったとしよう。そのプログラムは自己複製をして、どんどん母数が巨大になっていくが、自己複製するたびに「揺れ」が生じる。そのプログラムの出来合いの良し悪しに差が生じていくのだ。こうしてあらゆる判断尺度の数直線に序列が生じていく。

あるAと言うプログラムは処理が速いが、こちらのBと言うプログラムは遅い、あるいは処理の負荷がコスト的に高い、安い、あるいはプログラムの量自体が大きい、小さい、あるいは・・・あるいは・・・
その全てのプログラムには、そうした揺れが生じているが、しかし共通して書かれている命令もある。
「集団化した時に、序列のトップに立つことを希求せよ」である。

しかしここで矛盾が生じる。そのプログラム群自体の全ての個体が、自らに書かれている命令を実行できるわけではない。
プログラムには良し悪しがあって、下位プログラムは、序列のトップに立つことができない。
よって、自らの序列トップに立てない理由を何らかの形で合理化、あるいは別の尺度でのトップを目指すことによってそれを満たそうとする。

「俺は足が遅いが絵がうまいからそっちでトップに立とう」だとか「二番手でもOK」だとか「世界でオンリーワンであればいい」だとかそういう方向だ。

あるいは、そのプログラムには自らの複製後に、自身が衰弱して自滅するプログラムも組み込まれているが、それと同時に永遠に生きていたいという欲求もある、と言う矛盾した状態も内包している。

この矛盾した心理を妥結し、体系化したのが宗教である。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

奴隷の話に戻ろう。

人間は誰しも奴隷になどなりたくはない。しかし社会集団化した場合、良し悪しの序列から、その格差を生み出すのは人間社会の常であり、帰結すべき本能行動であった。

そこで「俺らはサラリーマンだから」などという具合に、自分の矛盾した心理状態に妥結を試み、大衆の社会文化思想と課している。
しかしこれは欺瞞である。その本質は、下位層における被搾取形態であって、度合いが異なるだけの奴隷と何ら本質的に変わりはない。
サラリーマンとはなんぞやと問うと、自らの人生を犠牲にして資本搾取されている存在であり、本来の人間が理想論としてとりうるべき形態でないことに人間社会は気づくべきなのである。

コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 頭の中での映像加工は一般的... | トップ | 20歳の自分と50歳の自分は果... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

雑感」カテゴリの最新記事