「マシュマロ・テスト」という書籍の中で、倫理にもとる、という表現があって、「ああ、なんか悪いことやった人を非難したいんだな」くらいに思ってスルーしそうになった。
しかし、「○○にもとる」という表現がされても、今の今まできちんとその意味の定義を調べたことが無かった。
ので、メモとして、ここに記載しておく。
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もとる【悖る/戻る】の意味 - 国語辞書 - goo辞書
http://dictionary.goo.ne.jp/jn/219690/meaning/m0u/
もと・る【×悖る/▽戻る】
[動ラ五(四)]
1 道理にそむく。反する。「人の道に―・る」
2 ねじり曲がる。ゆがむ。また、ゆがめる。
「故 (ことさら) に己が口を―・りて」〈霊異記・中〉
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ということで、「もとる」自体が動詞、「に」は助詞で、「○○」には人間社会の守られるべき基本的な倫理規範の語句が入り、それが破られた時に、その状態を起こした当人を批難する意味で使うようだ。
この「倫理規範の語句」であるが、若干その選定が難しい。
用例:
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信義にもとるの同義語 - 類語辞典(シソーラス)
http://thesaurus.weblio.jp/content/%E4%BF%A1%E7%BE%A9%E3%81%AB%E3%82%82%E3%81%A8%E3%82%8B
・信義にもとる
・道義にもとる
・正義にもとる
>
この他、「マシュマロ・テスト」では、倫理にもとる、という表現があったので、「人間社会の守られるべき基本的な倫理規範」というのはやはり正しい。
もう少し細かくいうと、この傾向を見ると、「○○」に入るのは、
・伝統的社会から生成される倫理規範
・人間が生来持つべき文化的倫理規範
に通じているように思われる。
なので、次の語句は使用例として不自然になる。
・コンプライアンスにもとる
→伝統社会の道徳倫理から生成されているわけではなく、近代社会での契約上のモラルであるから批難の意として若干弱い。
・ルールにもとる
→ルールは、倫理規範と別方向で意味する「判定の為の定規」として使用される。生来の文化的な人間が持つべき倫理規範とは同一でないので、使用としてはNG。
・愛社精神にもとる
→何かあったらリストラするくせに、何都合良いこと言っとんねん。
使ってもいいが、社員のしらけもセットという雰囲気になる。
つまり、「○○にもとる」を言う場合、その言葉の裏には批難対象者の自制を促す、倫理的な行動基準の一般解が無ければならない。
・おもてなし精神にもとる
→こっちが親切でやっているのに、そのアラを探すとかありえない。
次のは若干自然か。
その人が履行しているべき社会的信条、理念や倫理を、あなた自身が履行していませんよ、どうなっているんですか? と言う形で使用する。
・スポーツマンシップにもとる。
・職人気質にもとる。
・人としての精神にもとる。
・人間愛にもとる。
・家族愛にもとる。
・パトリオットにもとる。(日本で愛国精神と言うのはNGに近い・・・)
・動物愛護精神にもとる。(但し、それは人間社会の歴史を見る限りずっと通底していた訳ではなく、一般通念としては絶対的に使用できないようなので、使用を限定的にすべき。)
・仲間意識にもとる。
・騎士道精神にもとる。
・武士道にもとる。
・フェア精神にもとる。
・道徳にもとる。
という感じか。
しかし、「○○にもとる」という表現がされても、今の今まできちんとその意味の定義を調べたことが無かった。
ので、メモとして、ここに記載しておく。
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もとる【悖る/戻る】の意味 - 国語辞書 - goo辞書
http://dictionary.goo.ne.jp/jn/219690/meaning/m0u/
もと・る【×悖る/▽戻る】
[動ラ五(四)]
1 道理にそむく。反する。「人の道に―・る」
2 ねじり曲がる。ゆがむ。また、ゆがめる。
「故 (ことさら) に己が口を―・りて」〈霊異記・中〉
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ということで、「もとる」自体が動詞、「に」は助詞で、「○○」には人間社会の守られるべき基本的な倫理規範の語句が入り、それが破られた時に、その状態を起こした当人を批難する意味で使うようだ。
この「倫理規範の語句」であるが、若干その選定が難しい。
用例:
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信義にもとるの同義語 - 類語辞典(シソーラス)
http://thesaurus.weblio.jp/content/%E4%BF%A1%E7%BE%A9%E3%81%AB%E3%82%82%E3%81%A8%E3%82%8B
・信義にもとる
・道義にもとる
・正義にもとる
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この他、「マシュマロ・テスト」では、倫理にもとる、という表現があったので、「人間社会の守られるべき基本的な倫理規範」というのはやはり正しい。
もう少し細かくいうと、この傾向を見ると、「○○」に入るのは、
・伝統的社会から生成される倫理規範
・人間が生来持つべき文化的倫理規範
に通じているように思われる。
なので、次の語句は使用例として不自然になる。
・コンプライアンスにもとる
→伝統社会の道徳倫理から生成されているわけではなく、近代社会での契約上のモラルであるから批難の意として若干弱い。
・ルールにもとる
→ルールは、倫理規範と別方向で意味する「判定の為の定規」として使用される。生来の文化的な人間が持つべき倫理規範とは同一でないので、使用としてはNG。
・愛社精神にもとる
→何かあったらリストラするくせに、何都合良いこと言っとんねん。
使ってもいいが、社員のしらけもセットという雰囲気になる。
つまり、「○○にもとる」を言う場合、その言葉の裏には批難対象者の自制を促す、倫理的な行動基準の一般解が無ければならない。
・おもてなし精神にもとる
→こっちが親切でやっているのに、そのアラを探すとかありえない。
次のは若干自然か。
その人が履行しているべき社会的信条、理念や倫理を、あなた自身が履行していませんよ、どうなっているんですか? と言う形で使用する。
・スポーツマンシップにもとる。
・職人気質にもとる。
・人としての精神にもとる。
・人間愛にもとる。
・家族愛にもとる。
・パトリオットにもとる。(日本で愛国精神と言うのはNGに近い・・・)
・動物愛護精神にもとる。(但し、それは人間社会の歴史を見る限りずっと通底していた訳ではなく、一般通念としては絶対的に使用できないようなので、使用を限定的にすべき。)
・仲間意識にもとる。
・騎士道精神にもとる。
・武士道にもとる。
・フェア精神にもとる。
・道徳にもとる。
という感じか。