カームラサンの奥之院興廃記

好きな音楽のこと、惹かれる短歌のことなどを、気の向くままに綴っていきます。

短歌メモから。

2011-11-08 11:22:30 | Weblog

9首。

まひるまは煙の見ゆる部屋硝子 ベッドは既に片付けられて

まひるまの明かるき硝子に映りたる煙に見ゆるはひとの影なり

星硝子店から“木星(ジュピター)”のかけらが届きたり女神がやはらかく笑まふる朝に

休日のヨハネス・ブラームス右足の親指かそかに動かしたるのみ

本当はオペラも書きてみたかりきと徹とヨハネスは公園にしみじみ

〈姿〉とふ字に「かたち」と仮名を振りながらその夜も星は流れてゆかむ

〈姿〉とふ文字に「かたち」と仮名振りつつその夜星は流れてゆけり

星硝子店の木星かけら届きたるその朝冬が戸口に立てり

沈黙の果てなる野辺の石くれにそつと右手を重ね合ひたり

コメント
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