「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

            野田総理の失礼な”大局”発言

2012-01-07 08:25:55 | Weblog
野田総理が先日、都内のホテルで催され経済三団体との新年のお祝いパーティで”野党の皆さんには2012年には、より一層政局より大局に立っての決断をお願いしたい”と挨拶したという。野田総理が囲碁や将棋を打たれるかどうか承知していないが、僕から見れば、総理の発言は、あまり大局に立ってのものとは思えない。

民主党は昨年暮れ、やっとのことでまとめ上げた「社会保障と税との一本化」を昨日正式に決定し、この協議に応じるよう来週野党に呼び掛ける。しかし、新聞報道によると、自民党も公明党もこれに応じないといっている。野田総理は”不退転”で、これに臨むようだが、自公両政党が”はい。わかりました”とこれに応じるわけはない。また、これに応じたらおかしい。

野田総理の”大局”発言は、考えてみると随分野党を侮辱したものだ、政治家たるもの誰も政局だけで国政に携わっているわけではない。総理の発言真意はしらないが、昨年、参院で問責決議を受けた山岡消費相と一川防衛相を総理が続投させている問題で、野党が国会審議に応じないとしていることかもしれない。野党にしてみれば当然なことで、政局と簡単にいう問題ではない。

野田総理は、別の新年互礼会で”(野党)は政権公約に書いていないものをやるのはけしからん、といっているが、これでは何もできない。国民は大局に立っての議論を渇望している”と挨拶したという。しかし、どうだろうか。国民は震災後の復興を第一に考えて、民主党の政策を是認してきているが、谷ツ場ダムで象徴されるマニフェスト違反の続出に、この党の統治能力に疑問を感じている。野田総理の気持ちは理解できるが、不退転で政治を進めるのなら、まず大局にたって、ここは国会を解散し、改めて国民に信を問うのが筋である。