「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

マラッカ海峡のウナギ料理

2014-07-30 05:45:40 | Weblog
昨日は土曜の丑の日。テレビをつけると、どこも丑の日のウナギの蒲焼きの話ばかり。子供時代、食糧難で蒲焼きなど食べられなかったせいか、僕はあまりウナギにはこだわりがない。それに、年金生活者では一クシ何千円もするものなど食べられない。また、やせ我慢かもしれないが、老人にはスタミナ食は身体にあまり良くない。減塩、野菜中心のいつもながらの食事にした。

日本種のウナギが乱獲のためか将来絶滅の危機にあるという国際機関の勧告を受け、日本の業者の中には海外のウナギに目をつけている。昨日もテレビでミャンマー産の天然ウナギの番組をやっていた。それによると、ミャンマー産ウナギは質がよく、安いからか最近中国が大量に輸入し始めたという。中国料理では、昔からウナギを使っており、今に始まった事ではないと思うのだがー。それとも日本式の蒲焼きがブームになってきたのであろうかー。

17年前、僕はインドネシアのメダン(スマトラ島)の大学S学長(故人)宅に4か月寄宿したことがあるが、日本通のS氏がわざわざ僕のためにウナギ(ikan belut)料理を作ってくれた。メダンは、マルコポーロが世界一美味というマラッカ海峡に近く魚の宝庫である。しかし、普通現地の人はウナギは食べない。形がグロテスクなためなのだろうか。しかし、S氏はかって研修先の豊橋技術大学でご馳走になった浜松の蒲焼きの味が忘れられず、わざわざ、僕のために市場から買ってきて料理してくれた。

味はせっかくマルコポーロご推奨のマラッカ海峡産であってもお世辞にも美味しいとはいえなかった。日本産に比べて皮が固く、S氏が苦労して現地の醤油を使ってタレを作ってくれたのだが、蒲焼きの味ではない。僕にとっては毎朝、S家のお手伝いさんが焼いてくれる鯵に似た大衆魚(Ikan Gumpung)の方が美味であった。やはり、現地産を現地でたべるからこそ美味しいのである。