「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

       後期高齢者のセンチメンタル旅行

2008-11-13 06:08:14 | Weblog
46年前、羽田空港で撮った写真が残っている。僕が新聞社の移動特派員としてカ
イロへ出発した時のものだ。空港ロビーで撮った写真には、幼稚園児だった長女と
ヨチヨチ歩きの長男と共に亡き両親の姿もある。今夕、僕は同じ羽田空港から老妻
一人の見送りを受けて関西空港経由で中東のドバイへ向かう。

半世紀近くの時の流れだ。あの当時は外国旅行はまだ珍しいこともあったが、空港
まで家族はむろん、勤め先の上司、同僚それに旧友までかけつけ見送ってくれた。
そのころは、国内の転勤時になると、東京駅などのプラットフォームでは"万歳万歳”
の声が聞かれ、転勤者を見送った。まだ新幹線のない時代だ。

昭和37年11月、僕らの乗ったUAR(アラブ連合)=当時エジプトとシリアが合邦してい
た=の新型ジェット機、コメット(座席数98)は南まわりでカイロまで20時間以上は、
かかった。羽田から香港、バンコク、ボンベイ(ムンバイ)アスマラ(当時エチオピア)、
バーレ-ンと各地で給油しての長旅だった。今夕関西空港から乗るエミレーツ航空の
エアーバス(座席数489)はドバイまで直行で12時間で行ける。

46年ぶりのドバイ再訪、万感の思いをこめての後期高齢者のセンチメンタル旅行だ。
同行のKカメラマンと二人合わせての合計年齢は155歳である。改めて僕らは長寿と
二人を招待してくれたドバイ首長一族のホスピタリティに感謝する。