都市徘徊blog

徒然まちあるき日記

ブリキヤ國嶋

2007-06-12 | 文京区  

 いま思えば、もう少しいろいろ撮っておけばよかった。

ブリキヤ國嶋
所在地:文京区根津2-14-15
構造・階数:木2
解体年:1997〜2000(平成9〜12)
Photo 1995.5.14

 茨城県職員東京宿泊所のすぐそばにあった木造二階建て。この一枚しか写真を撮っていなかったので、もう一度見に行こうと思っている内に、いつのまにか無くなってしまった。周辺も含めてもう少し引いた全景があると良かったのだが、なくなったものは撮りようがない。

 お仕事でもあるブリキで飾られた看板建築だと思っていたが、改めてよく見てみると、どうも看板建築ではなかったようだ。一階の庇部分はブリキで覆われ、その上に金属製のベランダがあって、この部分は洋風。でも二階の軒部分は出桁造りで、トタン葺きの傾斜屋根が見えている。通り側の全面に洋風の壁面を貼り付けたいわゆる看板建築ではない。どちらかというと、一部を洋風にアレンジした出桁造り家屋という方が良いのだろう。

 真っ赤な軒と黄色の文字、水色の手摺という結構派手な取り合わせがとにかく印象的だ。中央に付いてるのはむき出しの小さな蛍光灯。夕方になるとそこだけ灯りが点いていたのだろうか。左側に付いてる「ナショナル雨どい」の看板も今更ながら気になる。

 ネットで調べた限りでは、いつ頃の建物なのか、またいつ頃まで在ったかなどは不明、というか建物自体の情報がほとんど無い。根津近辺に住んでいた人にとっては馴染みのある建物だったと思うのだが、デジカメが普及し、HPやBlogで古い建物が個人によって紹介されるようになった頃には、既に無くなっていたのかもしれない。


2022.8.14 追記
 住宅地図等で調べたところ、戦後の火災保険特殊地図(1953年)では「島田ブリキ」とされていた。その後、1973(昭和48)年の住宅地図では「国嶋ブリキ」となっており、1997(平成9)の住宅地図までは同名で掲載されている。ただ、2001(平成13)には駐車場になっているので、1997〜2000年の間に解体されたものと思われる。

国嶋ブリキ店、他/根津2丁目 - ぼくの近代建築コレクション

Tokyo Lost Architecture  
#失われた建物 文京区  #商業系  #出桁造り 
ブログ内タグ一覧

コメント (3)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 清正公前の木造住宅 | トップ | 日比谷交差点 »
最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
どこだったのか? (Minera)
2007-06-12 15:24:07
魚善さんの真正面にあったのかもしれません。
私自身この近辺ですが、どうも記憶がないのです~。
今その付近は確かに更地ですね。

そうそう、森田電機店ですが、ちゃんと営業しているようです。電機備品などが建物内に並んでいました!
恐るべし森田電機店!
返信する
今駐車場 (neon)
2007-06-13 14:30:36
私もこの近所ですが、越してきた4年前にはもうありませんでした。現在魚善さんの駐車場になっているところです。向かいの「らぐす」という小さなお店(最近お店を作った)のおばちゃんに聞いたら、「文字が反対から書いてあったからねえ、よく写真に撮ってる人がいたよ」とのこと。ああ私も見たかった。。。
返信する
いつ頃まであったのかなぁ。 (asabata)
2007-06-13 15:55:22
場所だけは分かってるのですが、
建設年と解体年が今のところやはりわかりません。
今春見た時には、そこだけがスッポリと駐車場でした。
てもとに1997年の住宅地図があって、
これには国島ブリキ店としてまだ記載されているので、
少なくともこの頃まではあったようです。
といっても、もう10年前ですが。
写真に撮っていた人はやはり結構いたのですね~。
そういう方が、どこかに関連情報を発表して下さると良いのだけれど。
返信する

コメントを投稿