おっさんひとり犬いっぴき

家族がふえてノンキな暮らし

「ひきこもり」という日本語

2024-05-08 11:42:06 | 日記
 ちょっと前のニュース記事で、九州大学の研究チームが、日本人のひきこもりは健常者と異なる特徴的なパターンを示すことが血液検査でわかり、それがひきこもりの重症度と関係することが示されたと発表したとあった。

 難しいことはわからないが、ひきこもり状態にある42 人と健常者41 人の血液を採取し、成分の比較を行ってみると、特にひきこもり男性の血液では、アルギニンの値が低く、アルギニン分解酵素とオルニチンの値が高くなっていたという。アルギニンだのオルニチンだのが、人間の体や行動にどう影響するのかは理解できないが、ひきこもりの人の血液成分と健常者の血液成分にはっきりとした違いがあったということは、少なくともひきこもりがただ単に「甘えている」とか「人間的に弱い」とかいった精神論では片付けられないということである。

 血液成分に違いがあるということから、そのパターンをAI に学習させたところ、AI は血液成分の情報のみで採血した人間がひきこもりであるか、またひきこもりである場合の重症度を高い精度で予測できるようになった。なぜそうなるのかといった原因はまだわかっていないようだが、アルギニンの低下とひきこもりに関連があるとすれば、サプリメントなどでアルギニンを補給すれば、ひきこもりの症状が良くなる可能性があるということになる。

 ひきこもりと言えば、若い人の症状だと考えがちだが、現在は定年退職した後の高齢者にひきこもりが多くいるらしい。となると、生活の変化がアルギニンの低下を起こすのだろうか。あるいは食生活に問題があるのだろうか。

 世界はどうなのだろうと思っていたら、「ひきこもり」という英語はないため、イギリスのオックスフォード辞書では「hikikomori」と表記されているという。ということは、海外にはひきこもりに相当する言葉がないということになる。

 こうなると、ひきこもりは日本人特有の症状だということになるが、なぜ日本人ばかりひきこもりになってしまうのだろうか。食生活なのか、生活パターンなのか、あるいは人間関係なのか。そこをはっきりさせなければ、いくら政府がひきこもり対策を実施しても効果はないだろう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする