最初からレニー・ゼルヴィガー目当てで借りた1本。なんというかちょっと自分にとっても不思議な存在となった。純粋に「好き」という気持ちはないんだけど、なぜか見てみたいという欲求にかられる。
原題が「ONE TRUE THING」ひとつの真実。「母の眠り」という邦題はどうでしょう。だめですね。
ニューヨークでジャーナリストとして多忙な日々を送るエレンは、母ケイトが病に倒れたと知らされ、キャリアを捨てて帰郷した。自分とは異なり平凡な人生を過ごしてきた母を見下していたエレンではあったが、やがて彼女は母の真の強さを理解するようになる…。
というのが、Amazonの紹介。紹介するサイトによって「母の真の強さ」だったり「家族の絆」だったり「人間の尊厳」だったりメインテーマの捉えられ方が変化する。
私には「親が病気すると家族は大変」「アメリカの家族は行事が多くて大変」「ホームパーティは必ず気まずくなる」「アメリカの末期医療は家でする」ですね。全体としては星4つ半。実はかなりよかった。メリル・ストリープとウィリアム・ハートがパーフェクトに思える演技を見せて、一瞬も退屈させるところがない。こんな二人に挟まれて演技をするのは、ゼルヴィガーも大変だろうがまったく見劣りなし。はじけるシーンは2回くらいで、後はそれなり抑えた演技なんだけど情感はビシビシ伝わる。
コールドマウンテンを見た後で、田中邦衛か竹中直人かゼルヴィガーかと、少し食傷ぎみのコメントを書いた記憶がありますが、それと比べるとこっちの方がずっといいですね。でもアカデミー賞はコールドマウンテンでしたが。
もっと一気に泣かせる脚本も書けそうな題材なんだけど、そう簡単に号泣させてはくれないので、逆に後半はいきそうでいけないもどかしさの中、ウルウル目で映画を見ることになりました。