Zapf 2004-2011

2000年代の暮らし。自転車・ゴルフ・Yセツ・城・リコーダー....
今に続くいろんなことが芽吹いた季節

印刷立会いへのお返事

2004年09月11日 | Diary
ペンネーム「だみ」さんからは「印刷立会い」についての質問ですね。聞きたいことは遠慮せずに聞いて下さい。
印刷立会いの目的については、妻の説明でほぼいいと思います。印刷する時には「色校」と呼ばれる試し刷りをしたものが見本としてあるのですが、様々な理由からそれと完全に同じ色で本番も印刷をすることは難しいのです。どこかで妥協が必要になる世界なのですが、その妥協点を印刷オペレーターまかせにできない場合は先週のようにデザイナーや編集者が印刷現場に行って、妥協点を見極めます。印刷オペレーターは生産効率の向上を目指して、早めに色を確定しますので妥協点がデザイナーより早いのです。

印刷するときには「用紙の予備枚数」というのがあります。10,000枚の4色の印刷だと5%くらい、つまり500枚くらいは色を確定するまでの間の調整用の紙で、これはゴミになります。印刷立会いであーだこーだ色の話をしている間はこの予備枚数の中で行われます。一度、色が決まると後はその色で10,000枚刷りますが、この間はデザイナーはすることがありません。次の印刷が始まるまで待ち時間になります。けっこう時間のロスが多い無駄なお仕事ですよね。よほど仕事に愛情と責任感がないと、2日も3日も印刷会社に通ったりできません。今回の秋山さんはエラかった。
もちろん現場からすると、OKが出るまでの時間が長いので、正直嫌がられます。私もめんどくさい。でも、印刷しているところを見ないで、後で本が出来てから文句を言われるよりはマシだと思っています。ちなみに立会いをする仕事は、私の場合で年に3-5冊くらい。ごくごく一部のことです。

では、次の質問をどうぞ。







仕事率へのお返事

2004年09月11日 | Diary
みなさんは勤務時間の中のどれくらいの時間に「仕事」をしているでしょうか。ずっと仕事ですか?

私は一日9時間会社にいたとすると、本当に直接「会社のお仕事」をしているのは、平均すれば一日6‐7時間がいいとこではないかと思います。2-3時間は仕事でないことをしています。blogを書いたり、仕事に関係ない調べごとをしていたり、オークションを見ていたり、雑誌を眺めたり、煙草を吸ったりとかそんな時間がけっこうあります。

だから普段の日の仕事率は60-70%と言ったところです。
木曜日は、これだけの内容の仕事を他の人がやったとしたら間違いなく12時間以上はかかるよなーと思われる仕事を昼休みも使って9時間で終わらせたので仕事率114%だと思いました。数字はテキトーです。

印刷会社の管理職でない営業の仕事というのは、まずは自分が受け持っている担当品目が無理のないスケジュールで品質的に問題のない状態で納入するための「舵取り」をすること。それと顧客と円満で信頼のある関係を築いて、次のお仕事をもらいやすい環境を作ること。この2点です。
この2つが満足している限り、営業は時間的にはけっこう自由度が高いです。直接生産にかかわる現場の人は、労働時間と生産量がほぼ比例するので勤務時間中はずっとお仕事をしなければなりません。

「舵取り」というのは、ぶっちゃけて言うと、「限られた時間を印刷会社と出版社で適宜分配すること」だと思います。どちらも時間が足りないことがほとんどなので、力関係によっては、出版社側の時間が多大になりすぎて印刷会社が生産にかけられる時間が足りなくなり、それを補うために現場が残業しなければならなくなります。入稿が極端に遅い場合とかがそうですね。
逆に営業の舵取りがしっかりしすぎると、今度は編集者が厳しい労働環境におかれてタイヘンになります。現場は楽になりますが、あまり度を越すと出版社との関係が悪化します。ちょっとシムシティみたいなバランス感覚が必要になります。

入社5年くらいは、力も知識もなくて奴隷状態でしたが20年も同じ仕事をしているので、だいぶ上手になりました。


燃えよ剣

2004年09月11日 | book
416317950X.09.MZZZZZZZ

今週は北へ西へと普段より移動が多かったので、少し長い本があっという間に(と言っても丸1週間かかりましたが)読めました。「燃えよ剣」。新撰組ファンのバイブルみたいな本ですね。私は今、大河ドラマを見ていますが、それ以前の新撰組の知識と言うと手塚治虫と壬生義士伝だけですから、ほとんど何も知りませんでした。

「燃えよ剣」を読んで、土方歳三という人物についてだいぶ理解が深まりました。新撰組というと京都で話はおしまいですが、土方歳三にとっては、人生の一部分にしか過ぎないのですね。短い人生の重要な一部分ではありますが、新撰組は彼の生きる目的、簡単に言い切ると「喧嘩して勝つ」ということでしょうか。その目的のための道具でしかなかったのだと思います。カッコいいじゃんと思いました。女子中学生みたいな感想ですまんが。