武蔵國日記(むさしのくににっき)

土佐日記にあやかって、「女もすなる日記といふものを、中年男もしてみむとてするなり」

清濁 その2

2007-09-03 06:05:27 | 人間観察
海外旅行話の続き。

今回に限らず海外に出掛けていていつも思うことは、日本ほど生真面目に信号を守る国は無いということ。
信号無視を勧めるつもりは無いけれど、
トルシエさんに「教えられた戦術を頑に守ってゴールががら空きなのに蹴り込まないのは、
誰も何も来ない赤信号を待ち続けるようなもの」と揶揄されたことを思い出しました。

乱雑な交通状態を縫って道を横断する老若男女。
右を見て左を見て、そして一気に渡り切る。
また道路工事の穴にも、皆がそれぞれ注意して足を取られないように歩く姿は
安全に狎れ切ったひ弱な日本人には見られない。
そこには、動物としての研ぎ澄まされた感覚が生きているように見えました。

安心と安全が保障されたと考えている日本
少しの瑕疵も認めない日本
約束事さえ守っていれば何も起こらないだろうと危険回避の注意を放棄する

世界中の人々が自分の頭で考え、自分で行動する力を残しているのに
総てを他人に預けて自助努力を忘れたところから
滅びの笛が吹かれているような気がします。

自分の子供を見ながらそんなことを考えた駆け足の二泊三日でした。



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