金魚が4匹

2010年7月にボストンから日本へ帰国。でも、相変わらずな日々です。

スケート教室

2009年01月14日 | ボストン(日常生活)
ウィンタースポーツが続きますが、次はスケートです。


こちらでは、市や町が主催の運動教室や習い事があります。
いろんな年齢層を対象としてますし、種類も豊富ですので、
案内書はちょっとした雑誌程度に厚みがあります。
市民でも市民じゃない人でも申し込みができます。
もちろん、普通に習うよりはずっと安いのです。
こちらの習い事は、日本と違って、はじめからいつからいつまでと期間が決まってます。
日本では、申し込んだら退会するまでエンドレスですよね?
でもこっちでは、1ヶ月単位とかで習い事を選べるので、試しにやってみるにはとても助かります。
こちらに引っ越してきて半年近くがたちますが、子供たちは、学校と家の往復のみ。
さすがに何か始めたいなと思ってたところ、ちょうどアーリントンの冬季習い事申し込みが始まるところでしたので、
思い切ってやってみることにしました。
はじめはスイミングにしようかと思いましたが、
佐賀ではできないものでもいいのではと思って、スケート教室に行くことにしました。
ビギナーコースで、週1回の全5回で60ドル。
スケート靴はリンクで有料で貸してもらえます。
ただ、ヘルメットが必要だったので、サイクリング用のヘルメットを購入しました。


今日はその初日。
スケートはテレビで見たことはあっても、生で見るのもするのも始めて。
しかも、私はリンク内には入れないので、一番の心配はほーちゃんが泣いてレッスンにならないこと…。
ビギナーのクラスでしたが、その中でもちょっとはしたことある子と、そうでない子の差は大きく、
ビギナークラスは3レベルに分けられました。
試しに滑らされて(というより、うちの子はたってるか、ちょっと歩いてるか、転げてる)
超ビギナークラスに入りました。


ところが、この途中、ほーちゃんのスケート靴のトラブルがあって(スタッフのミスなのですが)
ほーちゃんは一度リンクから上がって、靴を交換して、リンクに戻りました。
リンクはアイスホッケーも行われているため、
ぐるっと高い壁で覆われており、入れるのは中央の1箇所。
そして、超ビギナークラスは、なんと一番端。
レッスンはスタートしてて、先生は誰もほーちゃんのことなんか気に留めません。
1歩進んでは転んで、立ち上がって、またちょっと進んでは転んで、
半べそかいて、それでもレッスンに参加しようと、ほーちゃんは壁づたいにすすんでました。
私も壁越しにほーちゃんに合わせて進んでました。
レッスンの場所に近づいてきたので、壁から少し離れてほーちゃんは進みだしたのですが、
「ママ、ママ」と言って、ほーちゃんが手を差し伸べながら、転び転びこちらにやってきます。
「どうしたの?」と聞くと、
「とれちゃったの、はい。」と差し出したのは、手袋の小さなフック。
無くても使用に差し支えはありません。
「はい、あずかってて」
でも、壁が邪魔で受け取ることはできません。
転びながら進んだ距離を、この小さなフックを私に預けるため、躊躇せずに戻ってきたのです。
本当にピュアな子なので、自分が苦労して進んだ距離よりも「ママに渡さなきゃ」という思いが大切だったのです。
私はもう、その時点で泣きそうでした。
でも本当に受け取るためには、またほーちゃんにリンク中央の出入り口まで戻ってもらわなければいけません。
(ポケットに入れるということは思いつかなかった…)
ちょうどリンクの壁に段差があったので、
「ここに、置いてね」というと
「はい、どうぞ」と言って、スケート靴で背伸びしながら置いてくれました。
そして振り返って、再びレッスンのところまで、転び転び進みだしました。
この間、レッスンの先生は、目もくれません。
アメリカは基本的に、ついていけない子のために待つということはしません。
その場においていかれます。(学校の教室移動も当然のように置いていかれます)
だから、わかってたことなのですが、私の気持ちはおさまりません。


私の目の前には、私には決して取ることができない小さなフックがひとつ。


次の瞬間、私はリンクの壁をガンガン叩いて「Hey!!!」と叫んでました。(ちょっとドスもきいていた)
そうするとようやく先生が振り向いて、ほーちゃんのもとへ。
そして連れて行ってくれました。
そのとき、「この子は日本人で、英語があまり分かりません。
簡単な英語でゼスチャーを使ってください。公立小学校には通ってます」と言いました。
怒ると頭も舌もよく回りますなあ。


手袋で涙目をこすりながらスタートしてましたが、
そのあとは、あれ?っと思うぐらい楽しいそう!
にこにこしながら、私に手を振る余裕も。
レッスンが始まったら、あれほど転んでたのに、ぐっと転ぶ回数も減って、
小さいながらも、ちょこちょこ楽しくやってました。



50分のレッスンが終了したときは、
「楽しかったぁ!またしたい!」と2人とも口をそろえて言ってくれて、
大体「もう、したくない」筆頭のほーちゃんまでがそう言ってくれたので、
本当にうれしかったです。
2人ともぎゅっと抱きしめました。
涙涙で見てたときは、「終わったらスケート場待合室の自販機でお菓子を買ってあげよう!」と思ったのですが、
ご褒美なんかいらないぐらい、スケートそのものが楽しかったようで、
お菓子は私の心の中で、ひっそり却下。



たとえ親が遠くから見てても、知ってる人たちばかりでも、
知らない場所だったり、知らないことをしたりするときは、
必ず泣いて、親のそばから離れきれないほーちゃんが、
ちょっとでもステップアップしてくれたらな、という思いもあったので、
本当に嬉しかったです。
少しは成長できたかな?