
タイトル = Are You Ready!(1980年)
アーティスト = Atlanta Rhythm Section
コメント = 今年、2003年も残り2ヶ月となりましたが、CMに使用された洋楽 での一番のヒットは、ソニーのデジカメ「サイバーショット」での「ジョリー(アル クーパー)」だと思います。そのジョリーでバックを努めたのがの彼ら、アトラン タ リズム セクション(ARS)です。トヨタの小型車「イスト」のCMでは、彼 らのヒット曲、スプーキーのカバーが取り上げられるなど、ARSと世間の間が少し 縮まった1年でした。そんな今年、2003年は、ARSのデビュー30周年でし た。
さて、ARSの紹介ですが、1973にジョージア州、アトランタで当時、名うて のスタジオミュージシャン達が集まり、結成したバンドで、実力は保証付で、オール マン ブラザース バンド、レイナード スキナードに続く、第3のサザンロックバ ンドとして、注目を浴びました。しかし、彼らの音楽性はサザンロックの言葉が想像 させる、「豪快さ、奔放さ」に止まらず、後のAORの原型ともなった、「綺麗さ、 お洒落さ」にも及ぶものでした。
本作品は、アトランタリスムセクションが「遅れてきた第3のサザンロックバン ド」であった事を象徴するように、サザンロックが生きた70年代が終結する197 9年にリリースされました。内容は、先に触れたARSの「洗練された」部分より、 いわゆるサザンロックらしい「豪快さ、奔放さ」が余すところなく収録されたもので あり、彼らの最高傑作と呼ぶにふさわしいものです。
南部を舞台にした映画「風と共にさりぬ」のタラのテーマで幕を開け、1曲目の 「スカイハイ」から、バリ-・ベイリーのギターが圧倒的です。デュアン オールマ ン没後、南部、いや、アメリカ最高のギタリストと呼ばれたバリー・ベイリーです が、彼のギターの魅力はスケール感です。「豪快さ、奔放さ」をレイナード スキ ナードは、スピードで表現しましたが、ARSはスケール感で表現していました。と にかく、カッコいい。そして、バリー・ベイリーのギターは、大作「エンジェル」で ピークに達します。真夏の茹だるような暑い日(ドッグ ディ)に、冷房を切って、 汗をだらだらと流しながら、向き合うことをお勧めします。彼らの勇士が浮かび上 がってきます。
そして、最後になりますが、ARS作品のCD化を切望します。音楽メディウムの 主役がビニールレコードからCDに移って、随分と時が経ちました。ビニールレコー ドの時代を活躍の時としていたアーティストの一部には、作品がCD化されない問題 もありました。しかし、最近では、事態は大きく改善され、殆どの昔のアーティスト 作品も手軽にCDで入手できるようになりました。しかし、ARSの作品は一向に、 CD化の話があがりません。ARSを、このまま「伝説のグループ」などしはしたく ありません。だってARSは本国では今でも現役で、ステージに立ちつづけているの ですから...
祈、ARSのCD化。賛同してくれる人を捜しています。