待望の Derek Trucks Band(以下DTB)の最新スタジオ録音盤。前作がライヴ盤だったので、スタジオ盤としては『Soul Serenade』(2003)以来のリリースですが、録音順でいうと『Joyful Noise』(2002)以来になります。ジャズ色の濃い崇高とも言える芸術的なムードが漂っていた『Soul Serenade』に比べると随分とフレンドリーなムードに満ちています。これまでゲストに頼ったりして歌物は借り物的だった DTB ですが、新しくヴォーカルメンバーとして加わった Mike Mattison が、ソウルフルなヴォーカルで DTB に一本の芯を通している一方 Derek Trucks のギターはより多彩な表現になっているように感じられます。ギタリストとして、バンマスとして、ソングライターとしてバランスよく進化している Derek Trucks の近況ということでしょうか。
『Songlines』という意味深げなタイトルは一体なんだろうか。確かに今作はヴォーカル曲主体で、デレクは歌伴中心だし、あくまでもバンドとしてのまとまりを示しているようにも聞こえますが、歌伴にちりばめられたギターは相変わらず素晴らしいことには変わりありませんが、パラパラと内ジャケを眺めていたら何やら意味ありげな文章がありました。つたない英語力なので真意かどうか怪しいですが、どうやらこのアルバムは様々な種族の先祖が残した原生的な音楽に体するリスペクトがコンセプトなようで、Songlines は土着の創世神話からとったように書いてありましたが...。
このアルバムのイントロとしてまさにコンセプトに沿ったようなユニゾンによるプリミティヴなムードの Volunteered Slavery に続いてモノトーンの画像がカラーに切り替わるように始まるソウルフルな I'll Find My Way はポップな一面もあり、DTBの新しい傾向でしょう。トラッドなブルースの Crow Jane を軽くはさみ、インスト曲の Sahib Teri Bandi/Maki Madni はこのアルバムのひとつのハイライトと言えます。敬愛するパキスタンのシンガーNusrat Fateh Ali Khanのカヴァーであり、オリエンタルなフレーズが特徴的な大作と言えます。続くChevroletではドブロでアコースティックブルースを軽く決め、ゆったりドリーミングな Sailing On、ホットなソウルチューンの Revolution のあとは軽めのブルーアイドソウル風の I Rather Be Blind, Crippled, And Crazy、ポップなイントロからサザンソウル風にせまる All I Do と続き、民族音楽的なリズムのインタールード的なインストの Mahjoun をはさみ、ゴスペル調の I Wish I Knew では図太いスライドが炸裂、そして最後再びオリエンタルなフレーズがゆったりと心地よい This Sky まで実に楽しませてくれるアルバムです。
ソウルフルなヴォーカルを軸に、狭義のブルースにとらわれることなく、新しい面も見せつつまとまり感のあるスタジオ盤に仕上がっていると言えるでしょう。とはいいながらも内心は次は『Soul Serenade』の続編的なギターアルバム出して欲しいなとも思うのでした。
Derek Trucks Band Official Website
『Songlines』という意味深げなタイトルは一体なんだろうか。確かに今作はヴォーカル曲主体で、デレクは歌伴中心だし、あくまでもバンドとしてのまとまりを示しているようにも聞こえますが、歌伴にちりばめられたギターは相変わらず素晴らしいことには変わりありませんが、パラパラと内ジャケを眺めていたら何やら意味ありげな文章がありました。つたない英語力なので真意かどうか怪しいですが、どうやらこのアルバムは様々な種族の先祖が残した原生的な音楽に体するリスペクトがコンセプトなようで、Songlines は土着の創世神話からとったように書いてありましたが...。
このアルバムのイントロとしてまさにコンセプトに沿ったようなユニゾンによるプリミティヴなムードの Volunteered Slavery に続いてモノトーンの画像がカラーに切り替わるように始まるソウルフルな I'll Find My Way はポップな一面もあり、DTBの新しい傾向でしょう。トラッドなブルースの Crow Jane を軽くはさみ、インスト曲の Sahib Teri Bandi/Maki Madni はこのアルバムのひとつのハイライトと言えます。敬愛するパキスタンのシンガーNusrat Fateh Ali Khanのカヴァーであり、オリエンタルなフレーズが特徴的な大作と言えます。続くChevroletではドブロでアコースティックブルースを軽く決め、ゆったりドリーミングな Sailing On、ホットなソウルチューンの Revolution のあとは軽めのブルーアイドソウル風の I Rather Be Blind, Crippled, And Crazy、ポップなイントロからサザンソウル風にせまる All I Do と続き、民族音楽的なリズムのインタールード的なインストの Mahjoun をはさみ、ゴスペル調の I Wish I Knew では図太いスライドが炸裂、そして最後再びオリエンタルなフレーズがゆったりと心地よい This Sky まで実に楽しませてくれるアルバムです。
ソウルフルなヴォーカルを軸に、狭義のブルースにとらわれることなく、新しい面も見せつつまとまり感のあるスタジオ盤に仕上がっていると言えるでしょう。とはいいながらも内心は次は『Soul Serenade』の続編的なギターアルバム出して欲しいなとも思うのでした。
- Volunteered Slavery (Rahsaan Roland Kirk)
- I'll Find My Way (Derek Trucks, Jay Joyce)
- Crow Jane (Public Domain)
- Sahib Teri Bandi/Maki Madni (Nusrat Fateh Ali Khan)
- Chevrolet (Lonnie Young, Ed young)
- Sailing On (Frederick Hibbert)
- Revolution (Jay Joyce)
- I Rather Be Blind, Crippled, And Crazy (Darryl Carter, Charles Hodges, Don Robey)
- All I Do (Derek Trucks, Mike Mattison, Todd Smallie,Yonrico Scott, Kofi Burbridge)
- Mahjoun (Derek Trucks)
- I Wish I Knew (Billy Taylor, Dick Dallas)
- This Sky (Derek Trucks, Mike Mattison, Jay Joyce)
Derek Trucks Band Official Website
SonglinesThe Derek Trucks BandSony |
ライヴ・アット・ジョージア・シアターデレック・トラックス・バンドソニーミュージックエンタテインメント |
Soul SerenadeThe Derek Trucks BandColumbia |
Joyful NoiseThe Derek Trucks BandColumbia |