雨である。
梅雨なのか、
作物には恵み、
勤め人学生はうーむ、
ロケするチームは天に中指、
とにかく雨である。
私達は新作のCMの撮影でスタジオ。
だから雨は影響なし。
余裕で待ち時間に雨を眺め、
味わう。
紫陽花の雨。
旧暦で言えばまだ五月雨か。
ほぼ台風が連れてきた雨なのだが。
先週は次回作の準備やロケハンなどに追われる日々だったが、
火曜日は旧知の脚本家、
三浦有為子先生のお導きで、
協同組合日本シナリオ協会で将来のシナリオライターの皆さんに講演させていただいたり、
日曜日は日本舞踊界の重鎮であり、
西川流総師であられる西川右近先生の主宰されている「右近塾」のゲスト。
ワタシのような若輩のヤカラ(頭痛が痛い的な卑下)に何が務まったか評価に苦しむところだが、
それぞれに楽しく、
しかも含蓄ある時間を過ごさせていただいた。
特に西川先生は人生の大先輩、
いや愛知の誇る芸術芸能文化の継承者であり開拓者、
対等に話をすることさえおこがましい訳だが、
きちんとワタシと向き合っていただき、
見事な会話術でワタシの戯れ言をくるんでいただき、
ただただ感謝である。
やはり無数の経験を土台にする言葉はそれだけでありがたい。
ずっと話していたいと思った次第。
ただただただただ感謝である。
雨のなか、
ひとり高揚して家路についたのでありました。
前後するが、
木曜日、
映画「人魚の眠る家」の仕上げ作業がやっと一区切りで、
たくさんの関係者に御披露目。
有り難くもいくつものお褒めの言葉をいただいたが、
あくまでそれは出発点であり、
本当の評価は11月の公開からだ。
たくさんの皆様にご覧いただいて、
感想をお聞かせ願いたい。
土曜日はワタシが主催している名古屋の大学生に集っていただく「堤ゼミ」のフィールドワークで明治村。
子供の頃から何度も足を運んだ明治村。
1日では周りきれない広大な敷地の中に60以上の歴史的建造物が点在している。
それぞれに今に伝えるべき事柄がある。
ストレートな歴史そのものだったり、
意外な秘密だったり、
建物のもつ空気感だったり、
触感だったり、、、
それは、
我々が時代に翻弄されて、
本当に大事なことを忘れてしまったような、、、
そんな気にさせる。
ここにしかない”SOMETHING”を大学生達が彼らの世代の言葉や方法で切り取ることができるか、
とても楽しみだ。
さて、
夜も更けてきたが撮影はまだまだ続いている。
新しい企画に向き合う高揚感はたまらない。
何十年も撮影に携わってきたが、
それはかわらないのだ。