ゆいもあ亭【非】日常

映画や小説などのフィクション(非・日常)に関するブログ

猫目小僧と猫娘……じゃあ、ないのだよな。

2007-01-18 | 映画
未知空間の恐怖 光る眼」(Village of the damned)

いいねぇ、デジタル補正の威力! きれいなモノクロ映画は、それはそれで味わい深い。「地獄へつゞく部屋」のような見事なカラー着色というのも魅力ではあるが。

ジョン・カーペンター監督によるリメイクを数年前に見たのだが、そちらもきちんとは憶えていないし、原作小説も記憶は朧(おぼろ)だ。

ただ、小説のテンポにも似た丁寧な作りに好感が持てた。




突如意識を失う村中の人々。事態を把握しようと村を取り囲んだ軍隊が、あるいはガスを疑いマスクを着けて境界線を越えるが関係なく昏睡する場面。また、セスナ機の高度を下げさせ、このパイロットが昏睡のため墜落し、犠牲者となる場面。きちんと時間を割いている。

妊娠可能な女性達が、二か月後に皆妊娠していたとわかる場面で、村の有力者である教授(プロフェッサー)と医師と牧師が情報交換し、事態を把握しようとする場面。

生まれてきた子どもが三か月ほどで一歳以上の大きさになったという提示。知識の共時所有と件(くだん)の「光る眼」の最初の場面。このあたりがうまい! 三年が経過したころ、子どもたちは九歳や十歳ほどに見えるという、三倍くらいの速度で成長しているという「計算」!

「光る眼の子ども」現象は世界の何か所かでも起きていたという説明。イヌイットの村落(エスキモーって言ってるのに、字幕の方が気を遣っている!)では、「黒髪でない子どもたち」は即座に殺されたとか、ロシアのモンゴル国境(ツングースあたりだぞ!)では母子ともに皆殺しだったとか、同じロシアでもとある山間部では高度な教育が与えられているとか……。これが伏線。

教授(プロフェッサー)が一年の年限を切り、「彼ら」に高度な教育を施し、また、彼らから引き出せるものを引き出そうと主張し、認められる。彼らは心を読めるが「今のところ、前頭葉付近に浮かんだことでないと読めない」という。

そして彼らの行動はやはり人間離れしていくのだった。自分たちに向けられた脅威には死をもって報復する。村は「いつ噴火してもおかしくない火山のように」なって行く。

折りしもロシアの山間部の村落は核攻撃でこの世から跡形もなく消し去られたという。

彼らの危険さを認識した教授(プロフェッサー)は真意を「イメージのレンガの壁(ブリック・ウォール)」で囲み彼らを始末しようとする……。雰囲気満点だ。



*このDVDには「続・光る眼 宇宙空間の恐怖」も入っている。そのうち続きも見てみようと思う。*



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