ゆいもあ亭【非】日常

映画や小説などのフィクション(非・日常)に関するブログ

よぐそとふとふ とか くとひゅるるぅ とか にゃるらとほてっぷ とか?

2006-09-28 | 映画
久々に「玩具修理者」を見た。

主演は田中麗奈。忍成修吾。 監督は はくぶん。

角川ホラー大賞を受賞した小林泰三の、同題の超傑作短編小説。

「女」と「少年」の設定年齢は原作より下がっている。しかも原作ではあらかじめ「姉」と「わたし」とが姉弟とわかっている。もちろん、映画では田中麗奈を主演に迎えるという段階での変更だろう。

DVDで田中麗奈のコメンタリーを聞いていると、やっぱり、「よぐそとふとふ」だって、「くとひゅるるぅ」だって、ちっとも彼女はわかっちゃいない。「クトウルー神話」なんて、知っていなくてもこの怖いオチのファンタジーは、もちろん成立するわけである。

「クトウルー神話」のことは「ネイムレス」や「ダークネス」の回でも書いたし、「ザ・リング」の回でも指摘した。それに、きっと近々「マウス・オブ・マッドネス」(ジョン・カーペンター監督!)の作品を再見する気持ちがあるから、どうせまた触れると思うので、もはや、言及するのはやめにする。それでも是非「クトウルー神話」については何らかのかたちで読んだり見たりして欲しいな。そうすれば、楽しめるホラーはもっと増えるはずだから。(ネタバレになるが、殊能将之の「美濃牛」を読んで、その上で「黒い仏」を読んだとき、その知識がないと面白さが半減する。せめて矢野健太郎のマンガ「邪神伝説シリーズ」でも読んで見て欲しいところだな)。

本編47分。CGもまた美麗な作品だ。

キイワード「ときどき部品は入り交じる」によって、オチへと一気に向かうのであるが、うん、ラスト・シーンは本当に美しくさえあると思う。

残念ながらDVD版はレンタルされていないので、セルDVDかレンタルVHSを利用して欲しい。短編だから借りて(買って)損をした、なんてことは先ずない。原作を読んだ方も、そうでない人も試しにどうぞ!


*TOY REANIMATERという英題もいいよね。「リ・アニメーター」っていうのはラブクラフトの「死体蘇生人ハーバート・ウエスト」=映画版は「死霊のしたたり」=のこと!*


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