ゆいもあ亭【非】日常

映画や小説などのフィクション(非・日常)に関するブログ

本当に荒っぽいぞ、クォーターマスせんせい!!(その①)

2010-05-01 | 映画
原子人間

昔、大学一年生のころ、映研部員だったことがあります。当時の伝統ある文化団体はおおよそ左傾化していたものですが、半ば妖怪化したような先輩で、年期の入った活動家、なんて方がいたりしたものでした。

その頃の仲間に野口真也くんという人がいました。彼が個人的に編集していたコピー袋とじの映画同人誌があって、ある号でホラーを特集しました。野口くんとは高校も同じなのですが、帰宅部だった自分とは違い、野口くんは高校時代も映研に所属していました。その後輩に早川光監督(後の。もちろんその頃はまだ高校生である。)がいて、これは記憶で書いているので思い違いかもしれませんが、実兄が聖咲奇氏だったのではないか(思い違いだったらごめんなさい。)と思います。野口くんの同人誌の、そのホラー特集号では各自が自分の推すベスト10を寄せたのですが、早川兄氏のそれの上位には「クォーターマスと穴」が入っていました。ハマープロのクォーターマスシリーズの3本目、「火星人地球大襲撃」のことです。

少し前の物欲報告に書きましたが、中古市場にハマープロのDVD作品が大量に放出されたらしく、欲しかったものを大分手に入れました。その中にはクォーターマスシリーズ3本も含まれています。1本目の「原子人間」だけは以前にっかつビデオだったかでリリースされた折に見ていますけれど、続く「宇宙からの侵略生物」(にっかつビデオでは「クォーターマス2」。中古ビデオを所持だけしていたが未見。)と「火星人地球大襲撃」は今回初見でした。

……ということで、この3本について、簡単に、順に触れたいと思います。

「原子人間」は、「溶解人間」の原作ともいってよく、また、ウルトラマンのジャミラのルーツともいえます。
トンデモ教授なクォーターマス先生はきちんとイギリス政府からお墨付きをいただき活動している大先生であるようなのですが、宇宙ロケットの危険性を承知しつつも、自らの大英断で三人乗り有人ロケットを打ち上げてしまうという暴走先生です。このロケットがトラブルを起こしてイギリスの田舎町に落下。そこに当然のごとく大先生が駆けつけます。船内に生命反応があったので、ハッチをリモート解除すると同時に消防車の放水なんていうすったもんだがありつつ、一名だけを回収しましたが、彼は既に人間ではなかったのです!

……と、まあ、そんな話なのですが、

とにかくブライアン・ドンレヴィ演じるクォーターマス教授の暴走ぶりが凄い!
ロケットは勝手に打ち上げるは、貴重な生存乗組員の夫婦の間柄には口を挟むは、発言は独善的で論理のかけらも感じられず、ほとんど○チガイ博士状態であります……。
しかし、なぜだか科学者として、専門家として一目置かれており、
クライマックス・シーン、ウェストミンスター寺院での怪物との攻防では、皆を指揮し、見事に事件を終息させたと、まるで英雄ぶっているのですが……全部あんたが引き起こしたことでしょう!

それでもロンドンじゅうの総発電量のすベてを一点にまわしてもらい、サボテンやらなんやらを取り込んで異形の怪物と化したもと乗組員を、高圧電流で攻撃するシーンは、「怪獣映画」ファンとして、涙なしでは見られない名シーンであり、それだけでも必見だと思います。

長くなったので、2作目の「宇宙からの侵略生物」については、

「本当に荒っぽいぞ、クォーターマスせんせい!!(その②)」に続く!

*写真は暫定。本編はモノクロ作品です。

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1 コメント

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そういえば。 (yuimor)
2010-05-01 13:20:59
「原子人間」VHSで見るまでは、なんとなく「戦慄!プルトニューム人間」と混同していたところがあるんだよね。
そして、あのラストのどろどろぐにゃぐにゃな様子は「怪獣ウラン」か「人食いアメーバ(ブロブ)」かという感もあり、いろんなものがごっちゃになるような気もします。
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