ゆいもあ亭【非】日常

映画や小説などのフィクション(非・日常)に関するブログ

記憶の欠落が埋まったあとに、真の恐怖がある。

2008-08-16 | 映画
「叫(さけび)」

「(幽霊とは、ひとの心の迷いが)死者の口を借りるという形で真実は違うぞと、彼自身を責め立てる。つまり、真実の声なのだ」
劇中、オダギリジョー演じるカウンセラーが語る言葉だ。

さまざまな伏線があり、ラストに意外な結末があるという、この手のホラーの定番スタイルの作品だ。その点では、役所広司演じる主人公の刑事が迎える「衝撃の真実」は、実は伏線以前の段階で直感的に見当がついてしまうのだ……。

しかし、実はこの作品の恐怖は、そこにはないのかもしれない。

「夢で彼女を見た人間がある限度を超えて……、いや、そんな馬鹿な!」
オダギリジョーのカウンセラーがいう、この台詞。

「あなただけ許します」という、葉月里緒菜の幽霊。
さらに、「私は死んだ。だから、みんなも死んでください」という言葉の意味。

この作品のラストが示すものは、もうひとつの「回路」なのではないだろうか。

*「幽霊」の見せ方がうまいんだ。動く心霊写真とでも言おうか。絶品の気味悪さ。」

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