ゆいもあ亭【非】日常

映画や小説などのフィクション(非・日常)に関するブログ

「ほんとにあったラ怖い話」あるいは「怪談嘘耳袋」といったところか?

2007-04-12 | 映画
コワイ女

「コワイ」「女」という主題(テーマ)を満たす三本の短編によるオムニバス映画。

雨宮慶太監督の「カタカタ」は、「劇場版怪談新耳袋」中の同監督の「約束」の女幽霊に凶暴さを足したような女怪カタカタが襲ってくるノンストップホラーである。ここでノンストップといっているのは、雨宮監督自身にも「ゼイラム」「ゼイラム2」という、いわばパスティーシュともいえる作品がある、「ターミネーター」の味わいのことを言っている。カタカタカタ……というその存在感と直結する不気味な前奏を伴ってどこまでもどこまでも追ってくる女怪は本当に怖いぞ!

鈴木卓爾監督の「鋼-はがね-」。そのシンプルで、それだからこそ鮮烈なデザインは自分の目で確かめた方がよい。主人公の関口幹夫の心情を察することの出来る、上下のアンバランスさが凄い! 異常な事態に取り込まれてしまって逃れられなくなる恐怖は、あるいは「悪魔のいけにえ(テキサス・チェーンソー)」的でさえあるかもしれない。監督は「怪談新耳袋」を演出した経験のある人物ではないが、短編オムニバスはかなり手がけた人であるようだ。

豊島圭介監督の「うけつぐもの」。豊島監督は「怪談新耳袋」では割合に叙情的な作品を撮っているという印象があるが、この作品もまさに日本的な因縁の世界を描き出したものと言えよう。田舎家、蔵の中、失踪した子ども、狂い初めた老女……といったモチーフに、「呪怨」の清水崇監督の監修と、最も正統な「怖い女」を描き出している。

とにもかくにも、見て損なし! と奨めておきたい。


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんばんは! (猫姫少佐現品限り)
2007-04-13 01:48:46
TB&コメ、ありがとうございました!
いぁこれ、見て損なし!どころか、
見ないと損!って感じです。
返信する
猫姫さま (yuimor)
2007-04-15 12:35:09
そうですね。「見ないと損」まで言い切った方がいいね。
返信する

コメントを投稿