湯原修一の歓喜悦慶と聊かの慷慨憂愁, etc.

いつとはなしに眠りにおち微風を禿頭に感じて目が覚める。
このような生活に変わったらブログが更新されないかもしれません。

♥ 高齢者の交通事故に関する報道

2016年11月26日 14時03分46秒 | 紫苑色の重い思い[慷慨憂愁]
今朝は「79歳男性運転の車がコンビニに突っ込む」
昨日は「79歳男性運転の軽トラックが高速道路を逆走」

 最近、高齢者運転による自動車事故のニュースが
 毎日のように大きく取り上げられています。

2015年の交通事故に関する数値は
次のようになっています。

 一日平均の交通事故件数 ≒ 1,471件
 一日平均の交通事故死亡者数 ≒ 11人
 一日平均の交通事故重傷者数 ≒ 107人

毎日これだけの数の交通事故が発生している
にもかかわらず
近頃の全国ニュースで取り上げられるのは
高齢者運転による事故が多いようです。
(特化しているようにも感じます)

なぜ高齢者運転の事故が大きく取り上げられるのでしょうか?
「高齢者による交通事故が社会問題化」
「急増している高齢者による事故」などと、
いかにも喫緊の重大課題であるかのように
表現されてるときがあります。

適応判断能力や運動能力の低下など、
確かに高齢者の運転には注意が必要ですが、
メディアが騒いでいるほど
最近悪化してきているのでしょうか?


2004年から2014年までの
年齢層別免許保有者10万人当たり交通事故件数の推移は
次のようになっています。

  ※データ出典元:警察庁交通局
           「平成26年中の交通事故の発生状況」平成27年3月19日


  表


事故件数でみれば、若者のほうが断然多く、
減少率でみても、
  65歳以上は30歳未満よりも大きく(改善されている)、
  75歳以上であっても30歳未満と大差なく、
  もちろん増えてはいません。

「発生件数÷運転時間(または走行距離)」が不明なので、
"運転中における交通事故の起こしやすさ" を比べることは
できませんが、
減少率をみた限りでは、
高齢者は安全運転向上(事故防止)のために
若者以上に頑張っていると言えなくもありません。

  グラフ

  ※高齢者の事故も
    他の世代と同じように順調に(?)減ってきています。
  ※2004年の件数が多い若者のほうが、
    減少率は低くても傾斜が急になっています。

高齢者の交通事故について
メディアが今取り立てて騒がなければならない訳でも
あるのでしょうか?

  高齢者交通事故とは全く関係ありませんが、
  「年金制度改革法案」が衆議院厚生労働委員会で
  強行採決が行われ、可決されました。

   2004年の年金法改正時において
   与党が『100年安心』と胸を張っていた制度です。
   メディアからは咎める声が聞こえてきません。

嫌煙運動に関する報道が多かった頃を思い出しました。
メディアの過熱報道が、喫煙者のことをまるで軽犯罪者でも
あるかのように見る風潮を助長した(?)と思っています。
 その頃は、
 タバコの増税(値上げ)が繰り返されましたが、
 集中砲火を浴びていた喫煙者が反対の声を叫ぶことは
 難しかったことでしょう。

もとより、事故を起こした高齢者を擁護したいのでは
ありませんが、
高齢者の交通事故(負傷者もいないものも含め)ばかり
取り上げられると、
高齢者を厄介者ののように国民に思わせたい、
そして高齢者の発言力を弱めたいという、
印象操作(よく使われる手(?))のような
報道姿勢を感じて、
少し暗い気持ちになってくるのです。

 恐らく、高齢者の負担が多くなる各種施策が
 これから進められていくことでしょう。

 考え過ぎでしょうか?
 私もあと1年あまりで65歳以上に仲間入りします。
  妄想(被害)することが
  多くなってきたのかもしれません ・・・


******


統計をみると、
12月は1年のうちで最も交通事故が多くなる月です。
皆さま安全運転を!